アラフォーからの首こり改善法。首ほぐしを実践して頭痛や腰痛などのつらい悩みを解消!

2018年9月5日
最近、スマホの見すぎなどから、「首こり」に悩む人が、アラフォー世代に急増中!首がこっていると頭痛や腰痛など、ほかのトラブルの原因にも。そんなつらい悩みを解消する姿勢作りやストレッチ、生活習慣などを整形外科医がアドバイス!
首こり解決法

☆私が答えます!

16号整形外科院長 山田朱織先生

整形外科医。医学博士。山田朱織枕研究所代表。正しい眠りのための枕を研究し、「整形外科枕」を開発。首や肩のこりに悩む多くの患者が全国から訪れる。

【1】そもそも首こりって、なんで起こるの?

「肩」のこりに悩む人も多いと思うけれど、その根本原因は「首」のこりにある場合が多数。そもそもなぜ首はこりやすいの? 整形外科医の山田朱織先生に教えていただいた。

重い頭を支える首には過剰に負担がかかりやすい

そもそも首はなぜこりやすいのかというと、首の構造そのものに大きな理由が……。

「人間の頭の重さは、約4〜6㎏もあり、首の骨=頸椎には、常にそれだけの負担がかかっています。それに加えて、頭の位置が少し体の中心からずれると首にかかる負担がさらに増します。例えば頭が7㎝前に出ただけで、首には実際の頭の重さの約3倍もの負荷がかかると言われています。特に現代人はパソコン作業をしたり、スマホを見ることが多いため、どうしても前かがみで首を前に突き出した姿勢でいる時間が長くなります。そのため首に常に過剰な負担がかかってしまうのです」  

このような姿勢が、こりや痛みを引き起こすメカニズムをさらに詳しくうかがった。

「頸椎は背骨の一部です。背骨は、上から順に頸椎、胸椎、腰椎に分かれていて、横から見るとそれぞれが自然なカーブを描いています。でも首が前に出ると、バランスを取ろうとして胸椎や腰椎は後ろに曲がってしまいます。すると首の位置がさらに悪くなり、首に過剰に負担がかかって、首まわりの筋肉が緊張します。この状態が続くと、骨と骨の間にありクッション の役割をする〝椎間板〟にも負担がかかり、形がくずれて神経が圧迫されます。その結果、首こりや首の痛みが起こるのです。筋肉が緊張すると血液循環も悪くなるので、乳酸などの疲労物質もたまっていきますが、これも痛みやこりの原因になります」

ふだんの生活の中で、首姿勢が悪くなりやすい場面はほかにも。


「掃除機をかける時や、食器洗いをする時、読書をする時、ネイルをする時など日常生活では首を前に倒す姿勢になる機会はたくさんあります。また、寝姿勢も首こりの大きな原因。合わない枕を使っていると首の骨が曲がった状態が長時間続き、首に大きな負担をかけてしまいます」  

つまり首こりは、普通に生活をしているだけで誰にでも起こりやすいトラブルなのだ。

首こりの原因
①首姿勢が悪くなると、バランスを取るために、胸椎や腰椎の角度も悪くなり、頸椎への負担が増加し、首まわりの筋肉が緊張。その状態が続くと骨と骨の間の椎間板の形がくずれて、神経を圧迫し、これが傷みにつながる。

②首への負担増加により、僧帽筋など、首につながる筋肉が緊張すると、血液循環も悪くなる。そのせいで、乳酸など疲労物質もたまりやすくなり、それが傷みやこりを引き起こすことも。
首のこりや痛みが発生する原因
  • 首腰バランスの図

    【 首腰バランスの図 】

    左は頸椎、胸椎、腰椎が自然なカーブを描いた正しい状態。右のように首が前に出ると胸椎や腰椎が後ろに曲がり、首に負担がかかりやすい。
  • 正しい頸椎の状態とは?

    【 正しい頸椎の状態とは 】

    上は自然なカーブを描いた正しい頸椎。下のように首が前に出ると首の筋肉が緊張し、椎間板に負担がかかって神経を圧迫。資料提供/16号整形外科

【2】首こりが起こるとどんな不調が現れる?

首がこると、肩こりや頭痛など多くのトラブルが発生! 美容面にも悪影響が。チェックテストで自分の首こり度をチェックして、ひどい人は早めに対処を。

体の随所に伸びる首の神経を痛めることであちこちに不調が

首がこっていると、体のほかの部分にもトラブルが起きやすくなるという。その理由とは?

「頸椎の7つの骨の間には左右にすき間があり、ここから頸神経が体のいたるところに伸び、それぞれの神経は支配する領域が異なります。例えば1番上の神経は首の筋肉の運動神経の大部分を支配し、2番目は後頭部、4番目は肩まわり、5番目は胸や腕の前面、6番目は腕の後面〜親指を支配しています。このため、2番目の神経を痛めると頭痛が、4番目の神経を痛めると肩まわりにこりや痛みが、6番目の神経を痛めると腕や親指に痛みやしびれが出たりと、さまざまな部分に不調が出るのです」  

首以外の部分に不調が起きる理由はほかにも。

「首が前に出ると胸椎や腰椎が後ろに曲がるので腰痛が起きやすくなりますし、首の位置が悪いと脳が不安定になってめまいが起きたり、顎関節が不安定になるのであごに痛みが 出たり。そのほか、前胸部や肩甲骨まわりの張りや痛み、目の奥の痛み、うつ、慢性疲労、歯の痛みが生じることも。顔の血流も悪くなるので、くすみなど美容面にも影響が出ます」  

こんな首こりは今すぐ改善すべき。下のチェックリストに多く当てはまるほど首こり度は重症。

【Check1】こんな生活習慣も、首こりを引き起こす要因に

首こり度チェックー朝ー
首こり度チェックー昼ー
首こり度チェックー夜ー
首こり度チェックー睡眠中ー

【Check2】3秒でできる首こりチェック

3秒でできる首こりチェック1
1.頭をまっすぐにして右手を左耳の上あたりに置く。左肩は上がらないようにする。左手は右の肩の上に置く。
3秒でできる首こりチェック1
2.そのままゆっくりと首を右真横に倒す。右耳が左手についたらOK。つかない人は首こり。左右とも行ってみて。

【3】首こり対策1. 首こりを予防・改善する簡単ストレッチ

首こりを根本から改善するには、マッサージなどに頼るより、やはりセルフケアが大切!山田先生おすすめの正しい姿勢作りと、3つのストレッチ法をご紹介。※マリソル本誌2018年6月号では全5つのストレッチをご紹介しています

体の軸を整えて首姿勢を正すことが最も重要

首こり改善のためになによりも大切なのが、首姿勢を正すこと。

「首こりを招く最も悪い姿勢が、首を突き出した猫背姿勢。これを正そうとするとほとんどの人が背すじをピンと伸ばしますがこれは間違い。姿勢をよくするポイントは、首を起こし、胸を開き、おなかを引っ込めることです。このたった3秒の動作で体軸が整い、首が理想的なポジションになります。 朝昼晩に行えば首への負担が減り、首こりの予防・改善に」

また、ストレッチも効果的。「パソコン作業で猫背が続くと首まわりの筋肉が緊張して血流が滞り首こりを招きます。合間にストレッチをして血流を促しましょう」  

以下、ご紹介するストレッチを仕事の合間にこまめに実践して。

首こり予防・改善法① 首姿勢の正し方

  • 足を肩幅程度に開いて立ち、顔を正面に向けて軽くあごを引き、目線を下げる。首の後ろ側の伸びを感じて。 1.足を肩幅程度に開いて立ち、顔を正面に向けて軽くあごを引き、目線を下げる。首の後ろ側の伸びを感じて。
  • 胸をグッと前に張り出し、右手の親指と中指で鎖骨の下を押さえ、胸の皮膚と筋肉を軽く真下に押し下げる。 2.胸をグッと前に張り出し、右手の親指と中指で鎖骨の下を押さえ、胸の皮膚と筋肉を軽く真下に押し下げる。
  • おへその上を締めるイメージでおなかを引っ込め、グッとおしりの穴を締める。体の中心に一本の軸が通ったような感覚を感じるはず。これが正しい姿勢。 3.おへその上を締めるイメージでおなかを引っ込め、グッとおしりの穴を締める。体の中心に一本の軸が通ったような感覚を感じるはず。これが正しい姿勢。

首こり予防・改善法② 腕伸ばしストレッチ

腕やわきを伸ばすこのストレッチは、首こりだけでなく、腕の疲れやしびれがある人などにもおすすめ。
  • 足を軽く開いて立ち、腕を頭上に上げて左手で右手首を持つ。 1.足を軽く開いて立ち、腕を頭上に上げて左手で右手首を持つ。
  • 左手で右手首を下に引っぱって10秒キープ。頭はまっすぐ起こしたまま行って。1 〜3回。左右の手を入れ替えて同様に。 2.左手で右手首を下に引っぱって10秒キープ。頭はまっすぐ起こしたまま行って。1 〜3回。左右の手を入れ替えて同様に。

首こり予防・改善法③ 肩甲骨伸ばしストレッチ

  • 足を軽く開いて立ち、腕をまっすぐ前に伸ばして両手を組む。 1.足を軽く開いて立ち、腕をまっすぐ前に伸ばして両手を組む。
  • 腕をグーッと前に伸ばし、背中を丸めて、目線を手もとに向けて10秒キープ。これを1〜3 回。 2.腕をグーッと前に伸ばし、背中を丸めて、目線を手もとに向けて10秒キープ。これを1〜3回。
  • 【NG!】腕を伸ばす時、体ごと前に倒れると肩甲骨が伸びないのでNG。腰はまっすぐに立てて腕から肩甲骨を伸ばして。 【NG!】腕を伸ばす時、体ごと前に倒れると肩甲骨が伸びないのでNG。腰はまっすぐに立てて腕から肩甲骨を伸ばして。

首こり予防・改善法④ 腕回しストレッチ

猫背姿勢だと巻き肩になりがち。肩から腕を大きく回して肩を正しい位置に戻し、胸を開きやすく。
  • 足を軽く開いて立ち、左肘を曲げて服の肩あたりをつかむ。 1.足を軽く開いて立ち、左肘を曲げて服の肩あたりをつかむ。
  • 肩甲骨を意識し、肘で大きく円を描くように回す。前回し、後ろ回し各3〜5回。座って行ってもOK。 2.肩甲骨を意識し、肘で大きく円を描くように回す。前回し、後ろ回し各3〜5回。座って行ってもOK。

【4】首こり対策2. 立ち&座り姿勢の見直しで“こり”を溜めない体に

生活の中の姿勢がくずれがちな場面で、首の位置を正しく保つコツをご紹介。ちょっとした心がけで首がラクに。

〝体軸〞を整えれば首への負担が劇的に減る!

ふだんから〝体軸〟を整えることを意識するのがよい姿勢を保つ秘けつ。

「首の骨は、背骨=体軸の一部で、体軸をまっすぐに整えると首姿勢が最もよい状態になります。立っている時も、座っている時も、寝ている時も、体軸が整っていれば首への負担は劇的に減ります」  

では体軸を整えるコツとは?


「例えば、立っている時は、頭にりんごをのせて、それを落とさないことをイメージして立ちましょう。そうすると自然と胸が起きて開き、おなかが引っ込み、体に一本の軸が通った状態になります。この姿勢が一番ラクに立て、首にも負担がかからず、体のあらゆる部分がリラックスした状態です。座っている時も頭のりんごを落とさないイメージがいい姿勢です。パソコンやスマホを見る時、シャワーを浴びる時、掃除機をかける時など、前かがみ姿勢になりやすい場面でも常に体軸を整えることを意識して、首こりを防ぎましょう」

生活習慣の見直し① 立ち姿勢の見直し

立った時に体軸を整えるコツが、頭にのせたりんごを落とさないようイメージすること。これで首が正しい位置に。
立ち姿勢の見直し
あごを引き、頭を起こして、胸を開き、おしりを出し、おなかを引っ込める。頭上のりんごを落とさないイメージで立つ。
  • 立ち姿勢の見直しNG例 【 NG①】左右の肩の高さが違うのは軸がぶれているということでNG。
  • 立ち姿勢の見直しNG例 【 NG②】横から見た時、肩より頭が前に出ているのも軸がぶれた状態。首への負荷が大。

生活習慣の見直し② 座り姿の見直し

座り姿の見直し
姿勢がくずれやすいのが座り姿勢。背もたれと腰の間にクッションなどを入れて骨盤をまっすぐ立てて座るのが◎。

【5】毎日の動作もちょっと意識するだけで「首こり」を解消!

毎日の動作を見直し① スマホを見る

  • スマホを見る1

    スマホを見る時はなるべくうつむかず目線を上げて。

    電車の中などでスマホを見る時、バッグを膝に置き、その上に肘を乗せてスマホを見れば、目線が上がって頭が起き、首への負担が少ない。
  • スマホを見る2

    【NG】

    うつむいてスマホを見ると首への負担がMAXに。

毎日の動作を見直し② シャワーを浴びる

  • シャワーの動作を見直し①

    シャワーを浴びる時も姿勢しだいで首への負担が変わる。

    首を前に倒さずに、正面を向いてシャワーを浴びれば首に負担がかからない。
  • シャワーの動作を見直し②

    【NG】

    うつむいて浴びると首に過剰に負担がかかる。

毎日の動作を見直し③ 掃除をする

  • 掃除の動作を見直し1

    掃除機をかける時も腰をかがめず軸を整えて。

    掃除機のノズルが短いと腰をかがめることになるので、自分の身長にノズルの長さを合わせて腰をかがめずにかけて。しゃがむ場合は腰を落とし背すじはまっすぐにし、片膝を立て、足先と膝で体を支える。
  • 掃除の動作を見直し2

    【NG】

    ノズルが短いと腰をかがめた前傾姿勢になりNG。

毎日の動作を見直し④ パソコン作業をする

  • パソコン作業の動作を見直し1

    猫背になりやすいパソコン作業。パソコンの高さも重要。

    座り方はこちらのページと同じ要領で。パソコン画面は目線が10度ほど落ちる高さが◎。
  • パソコン作業の動作を見直し2

    【NG】

    ノートパソコンは目線が下がり猫背になりやすい。
【Marisol 6月号2018年掲載】撮影/藤澤由加 ヘア&メイク/木下 優(Rossetto) スタイリスト/程野祐子 モデル/西秋愛菜 イラストレーション/佐藤由実(藤村デザイン事務所) 取材・文/和田美穂 構成/原 千乃

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