☆お話をうかがったのは…
ボディワーカー 森 拓郎さん
自身のスタジオ「rinato」にてボディメイクやダイエットを指導。モデルや女優などの著名人にも人気。『糖質をやめられないオトナ女子のためのヤセ方図鑑』(ワニブックス)など、ダイエットに関する多くの著書がベストセラーに
【アラフォーダイエット1】知っておきたい!アラフォー基本の"やせ"5カ条
糖質はダイエットに筋トレを組み合わせるかどうかでとり方を変えて
代謝が落ちてやせにくくなるマリソル世代だが、間違ったダイエットで、余計にやせにくくなっている人も多いとか。
「最も悪い方法が、カロリーを減らす食事制限。ただでさえ代謝が落ちているのに食事量を減らすと代謝に必要な栄養が入ってきません。特に多いのがカロリーを減らそうと野菜中心の食事にすること。これだと筋肉を作るタンパク質が不足し、代謝が落ちます。それに加えて激しい有酸素運動でエネルギーをどんどん消費すると代謝に必要な栄養が枯渇し、げっそりやつれて、更年期が早く来ることも」
そこで知りたいのが正しい食事法だが、やはりポイントは糖質のコントロール。糖質は血糖値を上昇させてインスリンを分泌させ、体脂肪として蓄えられる肥満の最たる原因。ただ、ダイエット中に運動をするかどうかでとり方を変えるべきだとか。
「筋肉量が減るアラフォーには、運動では筋トレがおすすめですが、筋トレの際にエネルギーとして使われるのは糖質。糖質が不足すると筋肉がエネルギーとして使われてしまい、筋肉がつきません。ですから筋トレをするならある程度糖質はとるべきです。また、脂質もとりすぎると脂肪として蓄えられる栄養素。筋トレには脂肪を燃やす効果はないので脂質も控えましょう。これに対し、運動なしでダイエットするなら糖質は極力減らすこと。この場合、脂質を抜きすぎるとエネルギーが不足するので適度にとりましょう」
【アラフォー基本の"やせ"5カ条】
アラフォーがやせるために、まず知っておきたいのがこの5カ条。間違った方法では結果が出ず、老化も進むから正しい方法をマスターして。
「以下の方法でBM(I 身長と体重から見た肥満指数)を出しましょう。BMIが25以上なら肥満なのでダイエットが必要。適正の場合でも体脂肪率が30%以上なら、筋肉が少なく体脂肪が多い"隠れ肥満"。こんな人が体重を落とすことだけを目標にすると、筋肉を落とし、やせづらくなるのでNG。筋肉は落とさず脂肪を落とすことが大事」
「食事を制限すると代謝アップに必要な栄養素が不足します。それに加えてエネルギー消費が目的の有酸素運動などをすると、脂肪が消費されるのはいいのですが、タンパク質もビタミン・ミネラルも消費されて極度の栄養不足に。筋肉が落ちてしまうのでこの組み合わせは避けて」
「代謝を上げる食事とは、筋肉の材料になるタンパク質、脂肪燃焼を促す良質の脂質、代謝に使われるビタミン・ミネラル、これらが含まれる食品をとること。特にタンパク質は不足しやすいので積極的にとって」
【アラフォーダイエット2】賢く調整して"痩せ"につなげる!糖質を制する8カ条
糖質をとりすぎると "糖質代謝モード"になり 体脂肪の分解がストップ
「余分な脂肪を落とすには、体脂肪をエネルギーとして消費する"脂質代謝モード"にしておく必要がありますが、糖質を多くとりすぎて体内に糖があふれかえると体が"糖質代謝モード"になり、体脂肪の分解がストップ。ですから糖質を控えめにしないとやせられません」
以下の8カ条で糖質をうまくコントロールして。
「3食ともごはんなどの糖質を抜くと禁断症状が出て、リバウンドを招くだけなのでおすすめしません。とった糖質を脂肪として体にため込むインスリンは、ごはんをとるだけで分泌されますが、量を減らせば分泌量は抑えられます。そのラインは1食ごはん80gで、茶碗に1杯程度。これをゆっくり嚙んで食べましょう」
「今の食事から単に糖質を減らすとカロリー不足や栄養不足になり、体調をくずしたり、リバウンドしやすくなります。糖質を減らす代わりに必ずタンパク質や、良質の脂質、ビタミンやミネラルを含む食品をしっかりとって栄養不足を防いで」
「糖質と脂質が多い食べ物を一緒にとると、糖質代謝モードが優先されて脂質代謝モードがストップし、余った糖質も脂質も脂肪として蓄えられてしまいます。ですからこの組み合わせは肥満を作る最短ルート。パスタや、ファストフードやスナック菓子、カレー、ピザなど、糖質と脂質が組み合わさったものは控えめに」
「小麦食品は、主にパンや麺類、菓子類で、糖質だけでなく脂質も同時にとりすぎてしまう洋食スタイルになりがち。パンはバターやチーズ、マヨネーズが多く、パスタも油とからめることがほとんど。洋菓子は言うまでもありません。小麦食品でダイエットは基本的にむずかしいので減らしていきましょう」
「運動をまったくせずにダイエットをしたいなら糖質は極力抜くほうがやせられます。ただし糖質を抜くと、カロリー不足になって筋肉を落としてしまうので、前に述べたように、脂質やタンパク質、野菜などはしっかりとってカロリー不足を防ぐこと」
「固形物より液体の飲み物のほうが太らないと思っている人が多いようですが、これは間違い。野菜ジュースやフルーツジュース、スポーツ飲料、ラテやミルクティーなどには糖質が多く含まれるうえ、消化の必要がないので吸収が早く、血糖値を急激に上げます。こういった飲み物をよくとっている人は、まずそれを控えめにするべきです」
「でもどうしてもパンが食べたいなら、せめて固めのハードパンを選びましょう。固いパンをよく嚙んで食べると、咀嚼回数が増え、唾液が多く分泌されます。唾液には"IGF-1"という血糖値の上昇を抑えてくれる成分が含まれるので、普通のパンを食べるよりは太りにくくなります」
【アラフォーダイエット3】食べグセを変える"やせ格言5"