☆私が解説します!
パーソナルトレーナー 岡部 友さん
女性専用ジム「Spice up Fitness」代表。アメリカで運 動生理学、解剖学を学び、プロアスリートに指導できる資格「NSCA-CSCS」を取得。近著は『筋トレが折れない私をつくる!』(宝島社)
【1】アラフォーからの美尻トレーニングに必要なのはこの2ステップ!
使われず怠けているお尻の筋肉を目覚めさせて
アラフォーに多いお尻悩みは、なんといっても垂れ尻や偏平尻。こんなお尻だと〝脂肪を落とさなきゃ!〟と思いがちだけど、それは間違いなのだとか。
「丸みのあるお尻には脂肪は必要なので落としてはいけません。垂れ尻や偏平尻に見える原因は、お尻のトップが低い位置にあるからです。これはお尻の上部にある大殿筋が衰えているせい。お尻の上部の大殿筋を鍛えてこの筋肉を増やせば、トップが高い位置に来るので、脂肪がついていても丸みのあるキレイな美尻に見えるのです」
ただし岡部さんのようにプリッとボリュームのある立体的なお尻を作るには自分の体重以上の負荷をかけた筋トレが必要なのだとか。
「運動不足の人がいきなり強い負荷をかけた筋トレをするのはむずかしいと思うので、まずは使われずに怠けているお尻の筋肉を目覚めさせることから始めましょう。現代人のほとんどは座り仕事が長かったり、歩き姿勢が悪いなどの原因でお尻の筋肉をうまく使えていません。体はそれをカバーしようとするため前ももなどのほかの部分の筋肉が酷使され、硬くなっています。ですからまず最初に、この酷使された筋肉をほぐします。そして次に、使われずに眠っているお尻の筋肉をトレーニングで刺激して目覚めさせ、きちんと使われるようにします。この「筋肉をほぐす」「筋肉を目覚めさせる」の2STEPを週2~4回は行いましょう。慣れてきたらダンベルやチューブなどを使って負荷を高めていくとより美尻になりますよ」
■ポイントはお尻のトップの位置を上げること!
図のようにお尻のトップが低い位置にあると垂れ尻・偏平尻に見えてしまうが、左の図のように上部の大殿筋を鍛えて筋肉を増やすとトップが高い位置に来て、丸みのある美尻になる。
【2】アラフォーからのヒップアップ① 筋肉をほぐす
①腸腰筋をほぐす
背骨や骨盤と脚のつけ根を結ぶのが腸腰筋。うつ伏せになり、左右の肘から下を床につけて上体を起こし、テニスボールを脚のつけ根に来るように置く。そこからおへその横あたりまで、テニスボールを押し当てて刺激しながら移動させる。膝を曲げて行うとわかりやすい。左右とも行って。
②腸腰筋を伸ばす
1で腸腰筋をほぐしたら、右膝を立て、左の膝下は床につける。左手を上げ、おへその左横から股関節のつけ根までの筋肉を伸ばす。呼吸を止めずに30秒キープ。反対側も同様に行う。
③ハムストリングスをほぐす
太もも裏側の筋肉=ハムストリングスをほぐす。床に座り、両手を体の後ろにつく。右膝を立て、左の太ももの下にテニスボールを置いて押し当て、太もものつけ根から膝裏あたりまでボールを移動させながら刺激する。反対側も同様に行う。
④中臀筋を伸ばす
お尻の一番大きな大殿筋の隣にあるのが中殿筋。この筋肉が必要以上に使われて硬くなっている場合があるのでよくほぐす。両膝を立てて座り。両手を体の後ろにつく。お尻の左側の下にテニスボールを置く。左脚を右膝にのせて行うとより体重をかけやすい。反対側も同様に。
【2】アラフォーからのヒップアップ② 筋肉を目覚めさせる
<DAY1のヒップアップトレーニング>
<1>クラムシェル 左右各30回
①横向きに寝て膝を軽く曲げる
左側を下にして横向きに寝て、膝を軽く曲げて両脚を重ねる。左手で頭を支えて、右の手のひらは床につき、体重をやや前にかける。
②上側の膝を持ち上げる
上半身は動かさず、右膝をゆっくり持ち上げる。膝が一番上に来たら3 秒キープして戻す。膝を上げる側のお尻の上の筋肉を意識して。左右各30回。
<2>カエルブリッジ 30回
①あおむけになり両膝を立てる
あおむけになり、両膝を立てて、腰幅程度に足を開く。両手は体の横に置く。
②お尻をしっかりと引き上げる
おなかに力を入れてお尻をしっかりと引き上げ、肩から膝までを一直線にして3秒キープ。お尻を下ろして床についたらまた上げる。お尻上の筋肉を意識。30回。
<3>ワイドスクワット 15回
①両脚を開いて腰を落とす
両脚を肩幅より少し広く開き、爪先を外に向けて腰をゆっくり落とす。この時膝は外側に向け、爪先より前に出ないようにする。
②お尻を突き出しながら上げる
おなかに力を入れてお尻を突き出しながら、お尻で弧を描くようにゆっくりと上げていく。この時腰を反らせないこと。
③立ち上がって直立の状態
2の姿勢でお尻から上がっていき、直立の状態になる。この1〜3を15回。
【NG!】
膝が内側に入った状態で行うと、怪我につながるのでNG。膝は常に爪先と同じ方向に向けて。
<DAY2のヒップアップトレーニング>
<1>片足スプリットスクワット 左右各10回
①右足を椅子にかけて体を沈める
右足を椅子の上に引っかけて立つ。左膝が爪先より前に出ないように注意して、まっすぐに体を沈める。お尻が沈むほど左のお尻が伸びるのを感じるはず。
②左脚に体重をかけ立ち上がる
左脚に体重をかけ、上体を前に倒しながらお尻から持ち上げるように立ち上がる。左膝を前に出さず、左のお尻を意識。右の前ももでなく左脚に体重をかけること。
【NG!】
膝が前に出てしまうと、前ももに効いてしまうのでNG。1の時膝が前に出ないよう前足をセットして。
③ゆっくり立ち上がる
左脚に体重をのせたままゆっくり立ち上がり、直立の状態になる。直立になる直前ですぐ1に戻る。これを左右各10回。
<2>片足グルーツブリッジ 左右各10回
①あおむけで右膝を曲げて上げる
あおむけに寝て、両膝を立てる。両腕は体の横に置く。右膝を曲げたまま引き上げる。
②お尻を引き上げ体を一直線に
そのままお尻を引き上げて体を一直線にする。この時、腰が反らないようおなかに力を入れる。次にお尻を下ろし最初のポーズに戻る。これを左右各10回。
<3>よつんばいヒップレイズ 左右各20回
①よつんばいになる
両手を肩の真下につき、膝が90度になるように床につけてよつんばいになる。
②左脚を外側に開き、膝を上げる
おなかに力を入れて、左脚を外側に開きながら膝を上げる。戻す時は膝を床につけずに繰り返す。脚を上げている側のお尻全体を意識。左右各20回。
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【BACK】
外側に膝を開いて上げる時は、外側に45度の方向へ開いて。 -
【NG】
膝を上げる時高く上げすぎて腰を反らせてしまうと腰を痛めるのでNG。
<DAY3のヒップアップトレーニング>
<1>バックランジ 左右各15回
①まっすぐに立ち手は肩の高さに
脚を肩幅に広げて、直立の状態になる。両手は軽く組んで、肩の高さくらいに上げる。
②右脚を後ろに出しお尻を下ろす
1の姿勢から左膝が前に出ないように右脚を後ろに振り出す。両膝がそれぞれ90度になるところまでお尻を下ろす。この時上体は前傾で一直線に。右膝は床につけない。
③お尻を突き出しながら上げる
膝が前に出ないようにして左脚に体重をかける。お尻を伸ばすイメージで、お尻で弧を描くように上げていく。上体は前に倒してOK。腰は反らせないこと。左右各15回。
【NG!】
膝が爪先より前に出ていると、前脚の前ももに効いてしまい、お尻に効かないのでNG。
<2>サイドランジ 左右各10回
①脚をそろえて立ち手を軽く組む
脚をそろえて立ち、両手を軽く組んで、胸の高さくらいに上げる。
②左脚を横に出し腰を落とす
左脚を真横に出して腰を落とす。次に1に戻り、今度は右脚を真横に出して腰を落とす。これを左右各10回。横に出した側の膝は爪先より前に出ないように注意。
<3>ヒップスラスト 30回
①お尻を下げて椅子などにもたれる
お尻を下げた状態で、固定された椅子やベッドなどの角にもたれる。膝を曲げて肩甲骨を椅子のエッジに押し当て、お尻を床から少し浮かせる。
②お尻を引き上げてキープ
上体を後ろに倒し、背中が床と平行になるまでお尻を引き上げて3秒キープ。椅子のエッジを使い、頭や肩は座面につけない。次に1に戻す。これを30回。
【NG!】
お尻を引き上げる時に腰が反ると効果が得られないのでNG。高く上げすぎる必要はない。