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40代を境に、分かれていく人生の目的。世のため人のため、役に立ちたいと思い始める女たち【齋藤 薫エッセイ】

本誌で好評連載中の、美容ジャーナリスト・齋藤 薫さんから悩める40歳へおくる、美と人生への処方箋。今回は、“40代で変化する、人生の目的”について。

人間40年を生きてくれば、自然に芽生えても不思議じゃない価値観。

40代を境に、分かれていく人生の目的。世のため人のため、役に立ちたいと思い始める女たち【齋藤 薫エッセイ】_1_1
 何人かの女性から、同じような言葉を聞いた。「そろそろ人の役に立つようなことをしたい」。奇しくも、その人たちはみな40代。まだ子育てに忙しい人たちは別として、40代になると、何らかのそうした啓示が降りてくると言うことなのだろうか。いずれも40代にして立派なキャリアを持つ女性たち。早くも次の段階に行こうと言うことか。
 いやもちろん、キャリアを積んだら、みんながみんなそういう思いに至るわけではない。世のため人のためと言う価値観を持てる女性とは、一体誰なのだろう。
 実際に女性の人生を俯瞰した時、じつはこんな見方がある。20代は自分のために生き、30代は家族のために生き、40代は世の中のために生きる……ただこれは一昔前の年齢観。現代女性の人生の流れは逆にもう少しゆったり、後ろ倒しになっていて、家族のために生きるのが40代だったりするけれど、しかし、人間40年を生きてくれば、自然にそういう価値観が芽生えても不思議じゃない。いずれにしろ40代は精神的分かれ道なのだ。
 言うまでもなく、欧米では子供の頃からボランティア精神を植え付けられるから、ハリウッド女優などは20代から様々な慈善活動をしていて、アンジェリーナ・ジョリーのように独身時代に早々と養子を取ったりするような生き方に繋がっている。それに比べると日本人はかなり未熟。年齢を重ねないとなかなかそういう境地に至らない。思いやりある国民性であるのは間違いないのに、一体なぜ?
 おそらく〝思いやり〟と〝正義感〟とは、種類の違うものなのだ。隣の人を思いやるのと、シリアの難民に思いを馳せるのとは、明らかに飛距離が違うように、世の中を広く見渡す目を持っていないとなかなか世のため人のためという広義の正義感は持てない。そして、一見正義感はほとんどの人が持っているように思えても、その量の差は激しく、性格の不一致で離婚する夫婦には、正義感の量があまりにも違ったと言うケースが少なくないのだ。特に東日本大震災の時には、それが露呈したからこその離婚が非常に多かったと言われる。

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