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資生堂 グローバルイノベーションセンター プレステージ情報開発グループ 櫻井菜海子さん
クレ・ド・ポー ボーテをはじめ、資生堂のプレステージブランドの情報開発を担当。特にエイジングケア技 術に関する情報に詳しい -
花王スキンケア研究所 主任研究員 稲葉さやかさん
花王のスキンケアを担当する研究員。エストの化粧水 などをはじめ、最先端の技術を採用した多くの化粧品の開発も手がける -
ビューティ サイエンティスト岡部美代治さん
大手化粧品メーカーの研究 員として、化粧品の研究・開発に携わり、独立。研究者の視点から美容をひもとくわかりやすい解説が人気
実はエイジングケアに不可欠なアイテム
ほとんどの人が毎日化粧水を使っていることからもわかるように、私たち日本女性はやっぱり化粧水が好き。
「禊という神事が古いにしえからあるように、水で浄めるなど、清潔を重視するのが日本のスキンケア文化の源流です。そのため、油で肌を美しくする欧米と違い、日本では水美容文化がずっと根づいてきているんです」(櫻井さん)
その代表的なアイテムが、つまりは化粧水というわけである。それにしても、化粧水ってそもそも何なの?
「化粧水の“水”には、角層の細胞を和らげ膨らませて肌のコンディションを整える作用があります。干ししいたけを見るととわかりやすいのですが、萎んだしいたけが水に戻すとふっくらする、あのイメージです」(岡部さん)
そういえば、私たち日本女性の理想の肌のたとえとして、よくあげられるのがお風呂あがりの肌。内側に水分をたっぷり含んだみずみずしいハリ感は、アラフォーの目標でもある。
「それをかなえるのがまさに化粧水です。水には、実は角層状態を変える力が一番あって、角層を水分で満たして膨らませると毛穴も小さく見えるし、小ジワ予防にもなります。見た目から即効で美肌に変えることができるというわけです」(稲葉さん)
とはいえ、お風呂からあがった瞬間はよくても、時間がたつと元の干ししいたけ状態に戻ってしまう気も。
「気持ちよく水で整えた後に、その状態をいかに維持するかを研究し、進化してきたのが今の化粧水ですね。現在では機能成分やオイルなど組み合わせも多様化できるようになった。基材や薬剤、処方がどんどん進化しているので、与えた水分をキープするのはもちろん、肌の機能を底上げするエイジングケアにいたるまで化粧水ができる可能性は広がっています」(岡部さん)
それを証明するのが右の写真。機能性成分を配合した化粧水で、肌の状態がこれほど改善するというわけだ。
「資生堂では100年以上もかけて、化粧水の処方の研究を重ねています。水分をただ与えるだけでなく、うるおい力自体を育てるというのが今の私たちの化粧水の考え方ですね」(櫻井さん)
でも、エイジングケアといえば、やっぱり美容液やクリームでは?
「バリア機能を担う角層は、水を通しにくい〝疎水的”な構造をしています。でも、その下にある表皮や真皮は水となじみやすい〝親水性”になっているんです。美白やハリに効くエイジングケア成分は水溶性のものが多く、そのままでは角層を通して肌の奥まで浸透するのはむずかしい。そこで、角層を化粧水の水分でいっぱいにして、通り道をつくることが大事なんです」(稲葉さん)
だからこそ、アラフォーは心して化粧水を取り扱うことがマスト。早速、トリセツを確認してほしい。
化粧水でここまで肌は変わる!
機能性成分「エクトイン」を用いた化粧水と乳液を4 週間続けた肌のほうれい線やキメが明らかに改善。資料提供/花王
独自保湿成分アクアインプール配合の化粧水と乳液を使うことで、表情ジワも改善されている。資料提供/資生堂
右)安全かつ確実な効果が期待できる美白有効成分TXCと透明感を引き出す天然有用成分ウメ フラワー エキス配合。ル ブラン クリームHL50g¥13,500(医薬部外品)/シャネル
左)ビタミンC誘導体の美白力に、速効透明感をかなえる3 種のブライトニングパウダー配合。ブラン ディヴァン クリーム50㎖¥11,500(医薬部外品)/パルファム ジバンシイ〔LVMHフレグランスブランズ〕
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大人になるほど角層がスカスカに!化粧水や乳液で肌をゆるめて肌をしなやかに
【STEP 3】年齢とともにスカスカに硬くなった角層を“耕す”ケアで厚みのあるしなやかな角層に育むこと