価格だけでは価値を測れない時代こそ、センスを身に付けるべき
だから、どちらが良いという話ではないのだ。ただ、安い服を着ていても、〝高そうな女〟に見せる工夫こそ、最上級のセンスだということ、キャサリン妃が身をもって証明してくれたのは確か。少なくとも今は、安価な服も安かろう悪かろうばかりではない。それどころか、高級ブランドにも見劣りしないほど、高そうな印象も作れる安い服が明らかに増えている。高い服を着る喜びや、見るからに高級に見える高級品の醍醐味は、もちろん大人の女として知っておくべきだけれど、価格だけでは価値を測れない時代、だからこそ安い服を高く見せるセンスを身に付けるべきではないか。そういう意味でのお手本がキャサリン妃であるということ。
化粧品でも今、プレステージブランドのクオリティーと、最先端を行くテクノロジーを併せ持つのに、びっくりするほど安価なコスメが明らかに増えている。その代表がこの3ブランド。まず何といっても高級品の品質を3分の1の値段で提供することにこだわるアテニア。遺伝子レベルのエイジングケアを行うドレスリフトは、まさしく最先端テクノロジーをも3分の1の値段で提供してくれる。美容液のようなローションはまさに高級品を凌駕する。オルビスも内容に反してびっくりするほどの価格、特に今度のオルビスユーは、潤わせ方も最先端にあるのに、信じられない価格が有難すぎる。メイクものでは、新発想、新形状、業界をリードするパイオニアなのに価格はプチ、そのギャップはケイトが1番だろう。
そういう化粧品を敬意を持って使い、誰より美しくなる、それをテーマに美容するべき時代が来たのかもしれない。
美容ジャーナリスト、エッセイスト。美容やファッションの潮流に社会的な視点を
加え、美しくありたいと願うアラフォーの未来を照らす。『キレイはむしろ増えて
いく。大人の女よ! もっと攻めなさい』(集英社インターナショナル)など著書多数