2019年12月2日

『潔く柔く』を読むと、アラフォー女子も恋をしたくなる!? 【パクチー先輩のマンガ日記＃44】

幼馴染のハルタの気持ちを知りながら、カンナはクラスメイトの男子と花火大会へ。そんなとき、ハルタが事故で急死してしまう。若者たちの恋愛模様をオムニバス形式で描いた珠玉の連作集。

この連載でも紹介した、いくえみ凌先生の『G線上のあなたと私』がドラマ化され、現在放映中ですが、ご覧になってますか～!? 主人公・也映子を演じる波瑠もかわいいけれど、やっぱり注目は、也映子のバイオリン仲間の幸恵を演じる松下由樹ですよねぇ。

夫の浮気や嫁姑問題に悩む平凡な主婦というキャラがめっちゃハマっているんです。世の主婦たちの共感を呼んでいるというけれど、専業主婦の報われない感じとか、孤独感とか、すごくよく描かれていて、独女のパクチー先輩にも響きます～。

で、今週紹介するのは、『G線上のあなたと私』と同じいくえみ先生の代表作『潔く柔く』、通称「キヨヤワ」です。かつて大ヒットした作品なので、若かりし頃、ハマって読んでいた人も多いのではないでしょうか。オムニバス形式の作品で、主人公を変えて、若者たちの切ない恋愛模様が展開される珠玉の恋愛マンガです。

全編を通してストーリーのひとつの核となっているのは、高校1年生で、同じ学校に通う幼馴染のカンナとハルタの物語です。ハルタは美少女のカンナに思いを寄せているものの、思いを打ち明けられないでいます。

一方、カンナは、ハルタの気持ちに気づきつつもクラスメイトの真山と夏祭りへ。そして二人が花火を見ている頃、ハルタは交通事故で命を落とします。奇しくも事故にあったとき、ハルタはカンナへのメールを打っている最中でした。
このことから、カンナは心に傷を負います。

物語は、その後、主人公を変えて進んでいきますが、彼らは、カンナやハルタとどこかでつながっていたりして、大人になってもハルタのことで苦しみ続けているカンナの姿が作品を通して通奏低音のように浮かび上がってくるのでした。

いくつかの読み切りの小作品が集まって、ひとつの作品になっている感じなのですが、時間を超えて、場所を超えて、点と線がつながっていくところは、さすがいくえみ先生ならでは。そして今読むと、日常から自然に始まる恋愛の愛おしさみたいなものを思い出させてくれます。

過ぎ去った恋を懐かしむというより、手触りで恋を確かめたくなる感じ。パクチー先輩も柄にもなく胸がキュンキュンしてしまうのでした。恋愛モードをオンしたいアラフォー女子にはおすすめですぞ～!!

それでは、試し読み、どうぞ～!!

今回でこの連載は終了です。これまで読んでくださった方々、どうもありがとうございました。