洋服を選ぶ時は体形を気にするのに、ジュエリーとなると、デザイン性だけに気をとられがち。しかし、ジュエリーも、実は体形と深い関係が。洋服選びと同様、「コンプレックスがあるなら、そこから視線をずらす」のが基本。
※PT=プラチナ、YG=イエローゴールド、PG=ピンクゴールド、SIL=シルバー、WG=ホワイトゴールド、RG=ローズゴールドを表します
☆教えてくれたのは・・・
伊藤美佐季
ジュエリーディレクター、スタイリスト。フィレンツェに遊学、帰国後スタイリストに。つける人の個性を生かしたスタイリングは、女性誌のほか、多くの女優からも支持が厚い。ジュエ リーに関する講演などでも活躍。著書に『そろそろ、ジュエリーが欲しいと思ったら』(ダイヤモンド社)
idea 01
「手持ちのもの」と「新しいもの」をうまくミックスする
「若いころに流行った、ちょっと懐かしいジュエリーやエンゲージを、古さを感じさせずにつけるためには、新しいジュエリーとレイヤードすること。さらに、一点、ガツンと旬のデザインを入れると効果が高まります。レイヤードは〝本物〞にこだわらず、時にアクセサリーを混ぜても大丈夫。年輪を重ねるイメージで、ミックス感を楽しんで」
左手は、センターに置いたようなダイヤのエンゲージリングを軸に、華奢なリングを幾重にもレイヤードして、ボリュームを出して。右手には、ガツンと大ぶりのレタリングリングで、旬のセンスをプラスすると、モードな手もとに。
〈左・上から〉(YG×PT×ダイヤモンド)¥330,000/バーニーズ ニューヨーク(マルコム べッツ) (WG×ダイヤモンド)¥720,000/アルテミス・ジョイエリ (YG×PT)¥170,000/バーニーズ ニューヨーク(マルコム ベッツ) (YG×ダイヤモンド)¥76,000/ホワイトオフィス(ジジ)
idea 02
色石は「深みのあるニュアンスカラー」を選ぶ
「色石と聞いて、皆さんは何色を思い浮かべますか? ピンクやブルーなどの鮮やかなキャンディカラーを想像するかたも多いのでは? しかし、マリソル世代にとって、キャンディカラーは、肌や洋服とのコントラストがききすぎてきれいに見えません。おすすめは、深みのあるニュアンスカラー。例えば、同じブルーでもトーンを変えるだけで、ぐんと大人な雰囲気に。色石でも〝肌になじむ色〞を意識して。
同じカラーでも、深みのあるトーンを選んだほうが、大人には美しく映える。
idea 03
「ジュエリー=高く見える」という発想をやめる
「〝ジュエリー=価値がある〞というイメージがあると、どうしても特別なスタイリングになってしまいがちです。ジュエリーをしているからといって、〝高く〞見られたいわけではなく、しゃれて見えたいのですよね?(笑) 〝ジュエリーをつけてお金持ちに見える〞装いは、正直言って、老けて見えます。本物のジュエリーをしていても、あくまで自然体というのが理想。ふだんの格好に似合わないジュエリーなら、買う必要はないのです」
idea 04
パールは「反対」の格好で取り入れる
「〝パールの上手なアレンジ法を教えてほしい〞――そんなご相談をよくいただきます。日本人にとって、一番なじみ深いパールは、ネックレス、イヤリングのセットで持っている人も多いはず。ただ、パールをそのままつけると、どうしても冠婚葬祭や、セレモニー感が出てしまいます。デイリーにも活用するならば、パールの優雅なイメージとは反対のカジュアルな服に合わせて。例えばハードめの服でも、パールをあしらうことで、フェミニンさが引き立ちます」
ベーシックなパールのネックレスは、コンサバな服に合わせるのではなく、ライダースなど反対のイメージの服に合わせると鮮度が増す。
idea 05
自分の「ベース」を決めてから、服に合わせて盛る
「ジュエリーは、洋服のように毎日〝着替える〞必要はありません。むしろ、いつも同じものをしていて、はずしてあるジュエリーを見ただけで〝あの人のものね〞とわかるくらいのほうが素敵です。そのために、毎日つける〝べースジュエリー〞を決めましょう。例えば、ゴールドのリング、と決めたら、それを土台にして、洋服に応じて、輝きを重ねていくのがベストです」
例えば、②の華奢なダイヤつきリングと、③の太いゴールドのリングをベースジュエリーと決め、反対側の指にはリングを重ね、カジュアルならさらにシルバーを盛るという具合に。
idea 06
「まずはプチネックレス」をやめてみる
「プレゼントでいただいたり、自分で買ったり。誰にとっても、一番なじみ深いデイリージュエリーは、細いチェーンにトップがついたプチネックレスではないでしょうか?しかし、実はマリソル世代にとって、プチネックレスはむずかしいアイテム。若い時のハリのある肌ならともかく、華奢なチェーンは、遠目から見たら、首のシワの一本のようにも見えてしまう危険性が。ふだん、なんとなくつけている無難なプチネックレスは、思いきって卒業して!」
idea 07
「セットづけ」をやめて、つける場所を絞って盛る
「ジュエリーを、耳、首、手もとの〝3点セット〞でつけている人が多いのですが、これだと視線の先が分散されてしまい、どこがポイントなのかわかりづらい。ジュエリー上手への第一歩は、〝つける場所を絞って盛る〞こと。例えば、手もとに思いきりボリュームをもってきて、そのほかのパーツは、できるだけシンプルに徹するスタイリングは、私がよく使う技。また、どんな服の時も、自分好みの〝マイセット〞をつけているのも、見直す必要があります。なんとなく、ルーティンでつけているジュエリーは、美しくは見えません。しっかりメリハリをつけて、〝見せ場〞をつくると、ぐんと洗練されて見えます」
デニムのオールインワンは、両手をRGのジュエリーで盛ることで、若い世代の着こなしとは一線を画すスタイルに。胸もとはあえて何もつけずに潔く。
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