【1】「体グセ」改善メソッドでダイエット|橋本はづきさん
▼教えてくれるのは…
パーソナルトレーナー 橋本はづきさん
自ら実践して、なんと−9㎏! アラフォーからはきつい運動より体グセを変えるほうがやせられる!
「私は20代のころからきつめのヨガをしていたんですが、30代後半に筋肉が発達してムキムキ太ってしまって。そんな時、通っていた接骨院で、きつい運動はやめて、骨盤のゆがみを整えて、背中を動かす運動を取り入れたほうが代謝が上がってやせると言われ実践してみたら、無理なく9kgやせてビックリ。このことからアラフォーからのダイエットには激しい運動は必要なく、体のゆがみを作るふだんの体グセの改善が大事なんだと痛感。その後、骨盤矯正についてさらに学んで考案したのが現在の私のダイエットメソッド。この方法で多くの人がやせ、姿勢もキレイになっています。皆さんも試してみて!」
「体グセ」があると代謝が落ちて太りやすい
こんな体グセ、ありませんか?
□首が前に出ている
スマホを見てばかりいるせいで猫背になっていると、首が前に突き出てしまう。肩が硬くなって上がっているせいで首が短くなっている人も。
□肩が上がっている
腕を動かす時、肩の表面の筋肉ばかりを使って動かす人が多く、するとその筋肉が偏って発達して肩が盛り上がってしまう。肩を下げて肩甲骨から腕を動かすクセをつけるのが正解。
□背中が丸まっている
パソコン作業やデスクワークが続くと背中が丸まった猫背になりやすく、すると肩甲骨まわりの筋肉が正しく使われず衰え、代謝が落ちやすい。
□腰が丸まっている
背中が丸くなると腰も丸くなりがち。こうなると内臓が圧迫されて血流が悪くなり、代謝が落ちやすくなる。
□骨盤が傾いている
おなかの丹田(ヘソ下5 ㎝の体で最も"気"が集まる部分)に力がないと、座った時に骨盤が後ろに倒れやすくなり、内臓の位置が下がり、代謝が低下。腰痛も起きやすい。
□股関節が縮んでいる
背中や腰を丸めて座る姿勢を続けると股関節の深部の腸腰筋などの筋肉が縮みやすい。腸腰筋は加齢とともに縮む傾向も。すると骨盤が後ろに傾き、ますます背中や腰が丸くなる。
□内ももが衰えている
左右の膝を開いて歩くクセがあると、内ももの内転筋が使われず衰えてしまう。すると座る時にも膝が開き、骨盤が後ろに倒れる原因にもつながる。
▽
いかがでしたか?思い当たるところがあったら、次からの体グセ改善メソッドを是非トライしてみて。
① 基本の4つのメソッド [腰・背中・呼吸・膝]を整える
4つのメソッドを組み合わせて行うのが基本。
1.骨盤
2.呼吸
3.背中
4.膝伸ばし
●やり方のポイント:
「最初は"骨盤"と"呼吸"から始めましょう。骨盤のゆがみが取れ、"呼吸"の方法もできるようになったら"背中"もプラス。骨盤のゆがみが特に気にならない人は最初から"背中"を行ってもOK。"膝伸ばし"は3つができるようになったら行ってみて」
1. 骨盤
●exercise 1. 膝倒し
1.あおむけに寝て、両膝を立て、足を腰幅より広めに開く。両手は体の横に伸ばして置く。
2.両手をおしりの下に入れ、両膝を同じ角度まで左に倒す。次に右に倒す。手の位置を時々動かしおしりのこっている部分を探りながら1分続ける。
●exercise 2. 膝の開閉
1.あおむけに寝て両膝を立て、足を腰幅より広めに開き、足先は外側に向ける。手は体の横に伸ばして置く。
2.息を吸って吐きながら両膝を内側に倒してゆっくりと閉じる。縮んだ股関
節が伸びるのを感じながら1分続ける。
●exercise 3. おしり伸ばし
1.あおむけに寝て、足を腰幅に開き、左のかかとを右膝にのせる。両手で右脚を抱える。
2.息を吸って、吐きながら抱えた右脚を胸のほうにグーッと引き寄せてキープし、3呼吸。次に元に戻す。左右の脚を入れ替えて同様に。
2. 呼吸
腹式呼吸をしておなかの深部の腹横筋を鍛えるエクササイズ。アラフォーになると下垂しやすくなる内臓が引き上がり、ぽっこりおなかが解消。内臓の機能も整い、やせやすく。
●exercise 1. 一番大事な腹横筋
1. あおむけで両膝を曲げ、足を軽く開く。両手は体の横に伸ばして置く。息を吸っておなかをできるだけ膨らませる。
2. 次に、息を吐きながらおなかをできるだけへこませる。おなかに手を当てて確認しながら行ってもOK。
3. なかをへこませたまま、両足を床から浮かせる。この時おなかが膨らまないよう注意。次に足を下ろして元に戻る。これを10回。
4. 足を上げる時おなかの外側の腹直筋を使って上げるとおなかが膨らんでしまう。これだと深部の腹横筋は使われないのでNG。おなかをへこませたまま行って。
●exercise 2.あばら引き上げ
1. 椅子に座って、足を腰幅程度に開く。息を吸いながら、両手であばら骨を持って体を引き上げるようにする。
2. 息を吐きながら手を下ろし肩を下げる。これを10回。これであばらと骨盤の間に正しい台形の形ができる。この動きを練習しふだんからこの姿勢がキープできるようにするのが◎。
●ポイント
「ふだんおなかの深部の腹横筋はあまり使っていないので、腹横筋を使う呼吸は最初はむずかしいと思いますが、とにかく続けて練習を。あばら引き上げも練習すると骨盤をまっすぐに立てられるようになり、姿勢が整います」
3. 背中
肩甲骨まわりの菱形筋などの筋肉を鍛えるエクササイズ。骨盤のゆがみがない人はこれを行うだけでもOK。おなかの丹田も締まり、姿勢も美しくなる。
●exercise 1. 腕の上げ下げ
椅子に座り、左右の肩甲骨を中央に寄せ、首を伸ばし、肩を下げる。この状態をキープしたまま、片手をまっすぐ上げて、もう一方の手は肘を曲げて下ろす。これを左右交互に30回行う。
●exercise 2. 肘の開閉
1. 椅子に座り、両肘を曲げて肩の高さに上げ、左右の肘を気持ちよく開くところまで開き、胸を張って首を伸ばす。あごは少し突き出す。
2. そのまま左右の肘を近づけていく。次に、肘を開いて元に戻る。この肘の開き閉じを30回。
●exercise 3. 左右ねじり
1. 椅子に座り、両手を後頭部に当てて組み、左右の肘を開く。そのまま上体を右にねじる。首を伸ばし、猫背にならないように行って。
2. 次に上体を左にねじる。ねじる時は体の中心に軸があるのを感じながら、軸がぶれないようにねじること。左右で1 回として30回。
●ポイント
「背中のエクササイズは、肩を下ろし、首を伸ばして、胸を少し張って行うのが大きなポイントです。この状態を保って行わないと猫背になってしまって菱形筋に正しく効かず、丹田も締まらないので注意」
4. 膝伸ばし
硬くなった膝を伸ばすのに効果的なのが長座のポーズ。骨盤がまっすぐに立ち、美姿勢に。難易度は高めだが、テレビを見ている時などにコツコツ実践を。
1. 手をついた長座
両脚をまっすぐ伸ばして座り、両手を後ろにつき、体を直角にする。膝が浮かないようにキープ。テレビを見ている時など、時間を見つけて、できるだけ長く続ける。
慣れてきたら、上体を倒し、前屈をする。上体は無理に倒さず、できる範囲で倒せばOK。時間を見つけてこまめに実践を。膝が浮かないように気をつけながら行うこと。
1 、2 に慣れたら、手を床につけずに長座をしてみて。膝が浮いたり、体が後ろに倒れないように注意。こちらもテレビを見ている時などにこまめに取り入れて。
●ポイント
「長座は腹筋と背筋をバランスよく鍛えられるうえ、インナーマッスルも鍛えられ、姿勢も整います。腰が硬いと膝が浮いてしまい、腹筋が弱いと骨盤が後ろに倒れてしまいますが、続けるうちにできるようになるので根気よく継続を」
<体グセ改善基本の4つのメソッドQ&A>
Q.おなかを引っこめるコツは?
Q.腰が痛い時はどうすればいい?
Q.いつやるといいですか?
② 座り方を整えるメソッド
体グセ改善!後ろに倒れた骨盤を起こす
多くの人に見られる体グセが、座っている時に骨盤を後ろに倒して座ること。骨盤が倒れると姿勢全体がくずれてしまい、代謝がダウン。ストレッチでまっすぐ立つように改善を。
だらっと座ると骨盤が後ろに倒れて姿勢がくずれる原因に
骨盤が後ろに倒れるのは座っている時の姿勢が大きな原因。
「腰を丸めてだらっと座るクセがあると骨盤が後ろに倒れてしまいます。これが続くと股関節の深部の腸腰筋が縮んでさらに骨盤が立ちにくくなり、内臓も圧迫されて代謝が低下します」
1. 骨盤を後ろに倒して座ると、背中や腰が丸くなり、首は前に出て、膝も開いて姿勢全体がくずれる。内臓が圧迫されて血流が悪くなり、代謝が低下。
2. 骨盤が倒れず、まっすぐに立つのが正しい座り方。背中や腰も丸くならず、膝もしっかり閉じることができ、筋肉がバランスよく使われて代謝も上がる。
③ 歩き方を整えるメソッド
悪い歩きグセを正せば内転筋が鍛えられふだんの姿勢もよくなる
悪い歩きグセは、姿勢をくずす大きな原因で、まずそれを正すことが大切だと橋本さん。
「女性は内ももに力がない人が多く、歩く時に膝が曲がって開き、左右の脚の横幅が広くなっている人が多いようです。この歩き方だと内ももの内転筋が衰え、座る時にも膝が開くため骨盤が後ろに倒れて腰が丸まり、結果的に代謝が落ちてやせにくい体に。正しいのは、内ももをなるべく閉じて脚の横幅は狭くし、その代わり縦の歩幅を広くする歩き方です。この方法だとエレガントに見えるうえ、内ももの内転筋が鍛えられるため座る時にも膝が閉じて骨盤が立ち、姿勢が整います。自分の歩き方、見直してみて」
左右の脚の横幅を広げて、膝を曲げたまま歩くのが、女性に多いい歩き方。これだと内転筋が使われず姿勢のくずれを招く。腰も動かず、股関節も硬くなる。
左右の脚の幅を狭くし、歩幅は広めにするのが正しい歩き方。この歩き方だと腰がよく動き、股関節も柔軟に。かかとから着地して後ろ脚はしっかり膝裏を伸ばし、頭は上から吊られているように引き上げるのもポイント。
足をまっすぐに出して、縦の歩幅を大きめにして歩くこと。上半身はできるだけ動かさず固定し、歩く時に腰から動くのを意識して。
腰を動かして歩くクセをつけるために練習をするのもおすすめ。「腰に手を当てて両足をそろえて立ち、左右の膝を交互に曲げて前に出し、伸ばした時は膝裏をしっかり伸ばします。上半身は固定して行って。こうすると左右の腰が交互に動くのがわかるはず。これを練習すれば、歩く時も腰が自然と動くように(はづきさん)」
③骨盤を整えるメソッド
【STEP 1】膝倒し
左右の膝を倒すストレッチ。左右で倒れにくいほうの腸腰筋が縮んでいるということなので、左右がバランスよく倒れるように整えて。
1. 床に座って両手を後ろにつき、両膝をつけて足を開く。息を吸って吐きながら両膝を内側に倒す。この時、写真のように左右どちらかの膝が倒れにくい場合は、その側の大腰筋が縮んでいるということ。
2. 次に、息を吸って吐きながら、倒れにくかったほうの膝をできるだけ倒し、左右の膝の高さをそろえて、深い呼吸で2呼吸キープ。
【STEP 2】腰伸ばし
立てた膝上に反対側の足をのせることで、腰を伸ばすストレッチ。縮んでいた腸腰筋が伸び、骨盤がまっすぐ立ちやすくなる。
1. 床に座って両手を後ろにつき、両膝を曲げる。足は腰幅程度に開く。
2. 右足を左の膝上にのせて、深い呼吸をして2呼吸キープ。この時、腰が伸びるのを意識。次に足を入れ替えて同様に。足をかけられない人は、立てた膝の高さを低くして行って。
【2】エクササイズでダイエット|橋本はづきさん
① 基本のエクササイズ
体グセ改善のためにまず行いたいのが基本のエクササイズ。
丸まった背中や腰、上がった肩、前に出た首、縮んだ股関節など、全身の体グセを改善する基本のエクササイズをご紹介。運動不足の人でも無理なくできるから、まずはこれから始めて。
「基本のエクササイズは、肩甲骨まわりの深部にある菱形(りょうけい)筋などの筋肉を鍛えて、丸まった背中や腰を元に戻したり、縮んだ股関節を伸ばす効果があるものです。肩を下げて首を伸ばすことを意識しながら行って。全部行うのが理想的ですが、1種類からでもいいので毎日続けることが大切。続けると丹田に力がついて姿勢が整い、代謝が上がって自然とやせやすい体に!」
【STEP 1】腕の上げ下げ
1. 脚を大きく開いて爪先を45度程度に開き、膝を軽く曲げる。上体が倒れないようにキープして右腕をまっすぐ上げて、左腕は肘を曲げて下ろす。左右の肩甲骨を中央に寄せ、首を伸ばし、肩を下げて行って。
2. 次に、右肘を曲げて下ろし、同時に左腕をまっすぐ上げる。この1 、2を30回。
腕を上げ下げする時に肩が上がってしまったり、膝が前に出てしまうのはNG。
【STEP 2】肘の開閉
1. 脚を大きく開いて爪先を45度程度に開き、膝を軽く曲げる。上体が倒れないように保ちながら両肘を肩の高さに上げ、左右の肘を近づける。
2. 次に、左右の肘を気持ちよく開くところまで開く。この時、胸を張って首を伸ばし、あごは少し突き出す。次に、再び肘を閉じて1に戻る。この開き閉じを30回。
上体が前に倒れてしまったり、肘を開く時に肩が上がったりすると菱形筋に効かない。
② 代謝を上げるスペシャルエクササイズ
基本のエクササイズが無理なくできるようになったら、スペシャルトレーニングにトライ
【STEP 1】膝伸ばし
縮んでいる膝裏をさらに伸ばすストレッチ。丸くなった背中や腰も伸び、さらに美姿勢に。
1. 両手が肩の真下にくるように、膝は股関節の真下にくるように置いて、四つん這いになる。この時、肩が上がったり、おなかがしなったりしないよう注意。
2. おなかを締めて、頭を内側に入れていき、背骨を伸ばしておしりを引き上げ、深い呼吸で3呼吸キープ。背骨や膝裏が伸びているのを意識。次に息を吸って、吐きながら1に戻る。
おしりを引き上げた時、背中が丸くなっていたり、膝が伸びていないと効果が出ないのでNG。体できれいな三角形を作るイメージで。
【STEP 2】下半身トレーニング
1. あおむけに寝て、両膝を立てる。足を軽く開く。両手は体の横に伸ばしておく。
2. 息を吐きながら、おなかをへこませていき、両腕を頭のほうに伸ばし、肋骨と骨盤を離すイメージで体を伸ばす。
3. おなかをへこませたまま両脚を床から浮かせる。おなかが膨らんでしまったら、外側の腹直筋を使っているということでNG。おなかをへこませたまま浮かせて腹横筋を強化して。
4. 次に、両脚をまっすぐに伸ばし、左右の手を膝のあたりに当ててサポート。おなかは引っ込めたままで行い、膝は曲がらないようしっかり伸ばして。
【3】ダイエットは食事が9割!食べグセを変えてダイエット
代謝を下げる食事制限はNG!アラフォーからは食べてヤセる!
"ダイエットは食事が9割"を提唱するボディワーカーの森拓郎さん。アラフォーにとって、やめるべき食べグセ、おすすめの食べグセとは!?効率よくやせるための食事術について解説していただいた。
▼教えてくれるのは…
ボディワーカー 森 拓郎さん
糖質はダイエットに筋トレを組み合わせるかどうかでとり方を変えて
「最も悪い方法が、カロリーを減らす食事制限。ただでさえ代謝が落ちているのに食事量を減らすと代謝に必要な栄養が入ってきません。特に多いのがカロリーを減らそうと野菜中心の食事にすること。これだと筋肉を作るタンパク質が不足し、代謝が落ちます。それに加えて激しい有酸素運動でエネルギーをどんどん消費すると代謝に必要な栄養が枯渇し、げっそりやつれて、更年期が早く来ることも」
① ダイエットの正しい方法:基本の「”やせ” 5カ条」
アラフォーがやせるために、まず知っておきたいのがこの5カ条。間違った方法では結果が出ず、老化も進むから森拓郎さんが提唱する正しい方法をマスターして。
1. ダイエット前に知っておきたいのが自分の肥満レベル。
「以下の方法でBM(I 身長と体重から見た肥満指数)を出しましょう。BMIが25以上なら肥満なのでダイエットが必要。適正の場合でも体脂肪率が30%以上なら、筋肉が少なく体脂肪が多い"隠れ肥満"。こんな人が体重を落とすことだけを目標にすると、筋肉を落とし、やせづらくなるのでNG。筋肉は落とさず脂肪を落とすことが大事」
2. アラフォーが最もやってはいけないダイエット法が、摂取カロリーを減らすこと。「カロリーを抑えようと、野菜とカロリーゼロの加工食品が中心の食事をしていると、タンパク質など代謝アップに必要な栄養が不足し、やせにくくなるか、やせてもげっそりするだけ。食事は減らさず栄養をきちんと補うことは大原則!」
3. 代謝が落ちやすいアラフォーは、筋トレで筋肉をつけることがおすすめで、そのためには適度に糖質はとるべき。「筋トレでは糖質がエネルギーとして使われるので、糖質がないと筋肉が増えません。筋トレ前か、前の前の食事で茶碗1 杯分程度のごはんをとりましょう。ただしそれ以上の糖質は控えましょう」
4. 食事制限と激しい運動の組み合わせもNG。「食事を制限すると代謝アップに必要な栄養素が不足します。それに加えてエネルギー消費が目的の有酸素運動などをすると、脂肪が消費されるのはいいのですが、タンパク質もビタミン・ミネラルも消費されて極度の栄養不足に。筋肉が落ちてしまうのでこの組み合わせは避けて」
5. アラフォーやせに大切なのは、カロリーを抑える"引き算"の食事でなく、代謝に必要な栄養素をプラスする"足し算"の食事。「代謝を上げる食事とは、筋肉の材料になるタンパク質、脂肪燃焼を促す良質の脂質、代謝に使われるビタミン・ミネラル、これらが含まれる食品をとること。特にタンパク質は不足しやすいので積極的にとって」
② 糖質を正しく制するための「8カ条」
アラフォーはただ取らなければ良いわけじゃなく、正しい方法でカットすることが大事!
やせるために重要なのが糖質のコントロール!といっても、全部カットしなければいけないわけではなく、とり方や量にポイントが。おすすめの方法を森拓郎さんが解説!
糖質をとりすぎると 〝糖質代謝モード〞になり 体脂肪の分解がストップ
1. 糖質は極端に減らすとリバウンドのリスクがアップ。
「3 食ともごはんなどの糖質を抜くと禁断症状が出て、リバウンドを招くだけなのでおすすめしません。とった糖質を脂肪として体にため込むインスリンは、ごはんをとるだけで分泌されますが、量を減らせば分泌量は抑えられます。そのラインは1 食ごはん80gで、茶碗に1 杯程度。これをゆっくり嚙んで食べましょう」
2. 糖質を減らすというと、ごはんやパンなどの糖質を食事から減らすだけで、ほかの栄養素をプラスしない人が多いけれどこれはNG。
「今の食事から単に糖質を減らすとカロリー不足や栄養不足になり、体調をくずしたり、リバウンドしやすくなります。糖質を減らす代わりに必ずタンパク質や、良質の脂質、ビタミンやミネラルを含む食品をしっかりとって栄養不足を防いで」
4. 糖質を脂質と一緒にとるのは最も避けたい組み合わせ。
「糖質と脂質が多い食べ物を一緒にとると、糖質代謝モードが優先されて脂質代謝モードがストップし、余った糖質も脂質も脂肪として蓄えられてしまいます。ですからこの組み合わせは肥満を作る最短ルート。パスタや、ファストフードやスナック菓子、カレー、ピザなど、糖質と脂質が組み合わさったものは控えめに」
5. パンやパスタ、うどんなど、小麦食品は糖質の中でも極力控えたほうがいい食品。
「小麦食品は、主にパンや麺類、菓子類で、糖質だけでなく脂質も同時にとりすぎてしまう洋食スタイルになりがち。パンはバターやチーズ、マヨネーズが多く、パスタも油とからめることがほとんど。洋菓子は言うまでもありません。小麦食品でダイエットは基本的にむずかしいので減らしていきましょう」
6. 実はふだんの飲み物で太っている人が多数。
「固形物より液体の飲み物のほうが太らないと思っている人が多いようですが、これは間違い。野菜ジュースやフルーツジュース、スポーツ飲料、ラテやミルクティーなどには糖質が多く含まれるうえ、消化の必要がないので吸収が早く、血糖値を急激に上げます。こういった飲み物をよくとっている人は、まずそれを控えめにするべきです」
7. パンは糖質が多いうえ、脂質と組み合わせてとることも多く、太りやすい食べ物。
「でもどうしてもパンが食べたいなら、せめて固めのハードパンを選びましょう。固いパンをよく嚙んで食べると、咀嚼回数が増え、唾液が多く分泌されます。唾液には"IGF- 1 "という血糖値の上昇を抑えてくれる成分が含まれるので、普通のパンを食べるよりは太りにくくなります」
8. 「フルーツはビタミンやミネラルが豊富と思いがちですが、基本的には糖質主体の炭水化物です。お菓子を食べるよりはかなりマシなので、間食にするか、食事でも普通の炭水化物食品としてとらえましょう。特にフルーツをそのまま食べるよりも、ジュースで飲む時は要注意! フルーツに多い果糖は血糖値を上げない代わりに、逆に中性脂肪に変わりやすい性質があります。ジュースは意外ととりすぎになるので気をつけて」
③ 食べグセを変えるために覚えておきたい「やせ格言5」
アラフォーやせをかなえるために、実践すべき食べグセ、見直すべき食べグセはほかにも! 森拓郎さんによる5つの「やせ格言」を頭に入れて、成功を目ざして。
1. 代謝に欠かせないホルモンの材料となるのが油。ですからよい油はとるべきで、それが青魚や亜麻仁油などに含まれる不飽和脂肪酸のオメガ3。体内の炎症を抑えて代謝を助けます。サラダ油などに含まれるオメガ6、マーガリンなどに含まれるトランス脂肪酸は代謝を妨げるので控えめに。
2. 清涼飲料水やアイスクリームなどに表示されている〝果糖ブドウ糖液糖〟は〝異性化糖〟の一種。これはとうもろこしやでんぷんを酵素の力で変換して作られたものです。血糖値が急激に上がりやすく砂糖より太りやすいという実験結果も。この表示がある食品はなるべく避けて
3. おやつを我慢できない人は、朝はスムージー、昼はサラダ、夜は野菜スープといった食事をとっていることがほとんど。だから栄養不足で食欲が満たされず、間食が増えるのです。1〜2食でもタンパク質多めの栄養バランスのとれた食事をとれば腹持ちがよくなり、間食が減ります
4. 代謝アップに必要な栄養素はご紹介しましたが、それ以外にとるべき食品が〝マゴワヤサシイ〟です。マは豆類、ゴはゴマなどの種子類、ワはワカメなどの海藻類、ヤは野菜(緑黄色)、サは魚、シはしいたけなどのきのこ類、イはいも類。これらは代謝を助ける栄養素が豊富なので食事に取り入れて
5. 短期間に糖質を極端に減らすとリバウンドを招きますし、運動不足の人が急に激しい運動をすると〝こんなに頑張ったんだから〟と運動後に食べすぎてしまうことに。つまりダイエットは頑張りすぎると失敗の元。大事なのは知識をつけて無理なく一生続けられる方法を実践することです