ダントツ楽しみにしているのが、この時期恒例となりつつある博多出張、
いや、出張の姿を借りた、博多グルメ旅行です。
今年は一軒目に入ったお店が素晴らしすぎて、結局ずっと同じ店に居つくという、前代未聞の事態が起こりました。
『藤よし』
「いらっしゃいませー!!」と、店員のおばさんたちの元気な声。
照明の温かい光と、磨き上げられた飴色のカウンターに、
なんとこの道57年の大将が腕を振るう焼き場の目の前、特等席に座らせてもらいました。
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まずはこれがなくっちゃ始まらない、ゴマサバ。角をしっかり感じる新鮮なサバの刺身だからこその美味しさ。
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続きまして、メニューにあると自動的に頼んでしまう、あん肝。あん肝といえば濃厚さが身上だと思っていたけれど、それを覆すほど上品な香りと味わいに感激。
個人的には、寒流に揉まれて身も(たぶん)心も引き締まった魚より、
あたたか~い対馬海流と黒潮で甘やかされた九州の魚が好き。
性格的にも合いそうな気がする。
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この日の横綱、カワハギのお造り。ご覧の通り、肝の量が半端ない。すべてのお刺身に肝を巻いても余ってしまったほど。
あまりの美味しさとともに、この一年の辛かったこと、頑張ったことが走馬灯のように脳裏を駆け巡り、
マジで涙が出てしまいましたよ(泣)
葱の器に直接カワハギの身を入れ、たっぷりと葱をまぶして食べるのだそう。
そんな贅沢な食べ方、東京でやったことないですぅ……!
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香り控えめな葱なので、淡白なカワハギの味を邪魔せずに、清涼感をプラスしてくれます。
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そして大将自慢の焼き物!博多では鶏肉以外の焼き物も焼き鳥と呼ぶらしい。これもたしか奥は豚のホルモンだった気が。外はカリッ、中はフワッとした絶妙な焼き加減、さすがこの道57年の凄腕です。
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野菜も摂らなきゃ、ということでナスの田楽。とろんとしたナスに甘い味噌がたまらない。大将に勧められるがままに皮を食べたら、むしろ身よりも美味しかった!
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〆に選んだのはかしわスープ。優しくも力強い鶏の出汁が、ご馳走とアルコールを処理するのに大忙しの内臓を癒してくれます。
あまりの素晴らしさに、今後は博多に来るたびにここに来ようと決めました。
そのうち常連になって、大将に「ただいま」って言いたい。「おかえり」って言われたい。