目立ちたい人、目立ちたくないのに 目立ってしまう人の美容

2017年2月27日
本誌で好評連載中の、美容ジャーナリスト・齋藤 薫さんから悩める40歳へおくる、美と人生への処方箋。今回は、“自己顕示欲”について

自己表現が自由な今は、自己顕示欲に対して世の中が敏感

 今の時代、自己顕示欲を満たそうと思えば、いくらでも満たせる時代……。どういうことかと言えば、ブログでもFacebookでもインスタでも、自己表現するツールはいくらでもあって、不特定多数の人に一斉にそれを伝えることができる時代。そういう意味で欲求不満になることはないはずなのだ。
 一昔前は、自己表現をしたくてもできない人たちがたくさんいて、みんな悶々としていた。自分には才能があるのに、それを人に伝えられないという苛立ち。お料理だってこんなにうまいのに、誰も褒めてくれないという腹立たしさ。自分がこうやって、家の中で埋もれていくしかないんだという切なさを持つ人が、決して少なくなかったのだ。
 それが今は、〝子供のお弁当〟さえ自分の「作品」として日々〝発表〟していけるわけで、うまくすれば本当に脚光を浴びてしまえる。少なくとも、自己表現の場がないと鬱々とする人はいなくなったはずなのだ。
 でもそうなればそうなったで、別の弊害が出てきて、そういう作品で注目を集めた人になぜか批判が起きたりもする。自己表現がこれだけ自由だからこそ、逆に自己顕示欲に対して世の中が敏感になってしまう。彼女が注目を浴びていることは、道理にかなっているのかいないのか、そこをジャッジする人が今や無限にいると言うことなのだ。
 その気になればいくらでも目立てるからこそ、「目立ちたい」という感情に対して、世の中が厳しくなっているということ。だから、自分は何のために表現するのか、そこに多少とも必然性がないと厄介なことになる。

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