☆私が解説します!
臨床家・鍼灸師 若林理砂先生
梅雨時期の体調不良の原因、“湿邪”撃退法 その2
「食生活の改善で除湿!」
食べ物や食べ方によっても湿邪は改善することができるので、そのコツを覚えておこう。
「おすすめは、体内の水はけをよくする利水・利尿作用のある食材をとることです。代表的な食材が、まず、大豆やあずきなどの豆類。そのほか、きゅうりやスイカなどのうり類のほか、大麦や小麦などの麦類、みょうがやパクチーなどの香味野菜、とうもろこしなどです。こういった食品を毎日の食事に取り入れましょう。逆に、体内の湿気を増やす食べ物といえば、甘いものや炭水化物。湿邪にやられる人は、この時期、こういったものはできるだけとらないほうがいいかもしれませんね。また、脂っこいものや、赤身の肉や牛乳、乳製品なども体に湿気をため込むので控えめに。また、どんなものでも食べすぎは湿邪を増やすので腹八分目を心がけるよう意識しましょう」(若林先生)
CHECK!
“湿邪”を追い出す、利水・利尿食材リスト
・豆類豆類(大豆、あずき、えんどう豆、黒豆、枝豆など)
・ウリ類(きゅうり、スイカ、メロン、冬瓜、白ウリなど)
・レタス
・香味野菜(みょうが、パクチー、大葉など)
・麦類(大麦、小麦、ハトムギなど)
・とうもろこし、海藻類、お茶(緑茶、紅茶、烏龍茶)、豆乳
・コーヒー、ココア
・豚レバー
↓
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食材で摂れないときは、「利水粉」を活用するのも手!
忙しくて、上記のような食品がなかなかとれないときは“利水粉”を活用するのも簡単な方法。
「体の水はけをよくする効果がとても高いのが、ハトムギ粉、あずき粉、黒豆きな粉の3つの粉。ハトムギ粉は、ヨクイニンという名前で漢方薬局で売られていることもあります。これらを大さじ1杯ずつカップに入れて、お湯で溶いて飲んでもいいですし、チキンスープに混ぜておかゆのようにして食べてもおいしいです。余分な湿気を手っ取り早く排出できるので、取り入れてみて」(若林先生)
農薬を使わず栽培した国産の小豆を焙煎し粉末化したあずき粉。タンパク質を補うこともできる。オーサワ ヤンノー 100g¥510/オーサワジャパン
富山県産のハトムギを小麦粉と同じサイズに製粉。ハトムギには、保湿や美白作用もある。はと麦粉 富山産 500g ¥1,467/コダマ健康食品
丹波産の黒豆を使ったきな粉。植物性たんぱく質や食物繊維、ポリフェノールも豊富。丹波黒豆きな粉 100g ¥350/火乃国商事
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毎日の“水分の摂り方”もひと工夫
湿邪の対策には、水分のとり方も重要。
「江戸時代の東洋医学の教科書である貝原益軒の『養生訓』にも、体内の湿を増やさないためには、飲み物をとりすぎないようにと書いてあるように、冷たい飲み物のとりすぎは、胃腸を弱めて湿邪の原因に。水を1日2ℓほども飲むようにしている人もいますが、運動をしていて汗をたくさんかく人ならまだしも、運動をしていない場合はとりすぎです。水分は食事からもとれるので、それを除いて1日1.3〜1.5ℓほどとれば十分。また、冷たい状態でなく、常温にしてとりましょう」(若林先生)
Idea3
症状に合わせた漢方薬も賢く活用
湿邪による不調がひどくてつらい場合は、漢方薬の力を借りるのもおすすめ。「気が不足していて元気が出ない人にいいのが、『補中益気湯(ほちゅうえっきとう)』。また、下半身に湿気がたまってむくみやすい人には『防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)』、胃に水がたまってチャプチャプ音がするような人には『五苓散(ごれいさん)』が効果的です。漢方薬は体質に合ったものを選ぶことが大切なので、病院や漢方薬局で処方してもらうのがベスト。ドラッグストアで買えるものもありますが、その場合も薬剤師によく相談をしたうえで買うのがいいでしょう」(若林先生)
・身体が重だるい時には‥‥
【補中益気湯 】
元気がなく胃腸の働きが衰えて、疲れやすい人の、虚弱体質、疲労倦怠、病後の衰弱、食欲不振、寝汗に効果的。補中益気湯エキス顆粒[第2類医薬品]45包 ¥5,200/クラシエ 薬品
・むくみが気になる時には‥‥
【防已黄耆湯 】
体力中等度以下で、疲れやすく、汗のかきやすい傾向がある人の、肥満に伴う関節の腫れや痛み、むくみ、多汗症、肥満症に。ツムラ漢方 防已黄耆湯エキス顆粒[第2類医薬品] 20包 ¥2,400/ツムラ
・胃腸の調子がイマイチな時には‥‥
【五苓散 】
のどが渇き、尿量が少ない人のむくみ、頭痛などに効果がある。二日酔いにも有効。「クラシエ」漢方五苓散料エキス顆粒[第2類医薬品]12包 ¥1,400/クラシエ 薬品
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