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「女の味方」と「女の敵」、そこにある不思議な気配【齋藤 薫エッセイ】

本誌で好評連載中の、美容ジャーナリスト・齋藤 薫さんから悩める40歳へおくる、美と人生への処方箋。今回は、「女性に備わる、敵と味方を見分ける能力」について。

女としてズルくないかどうかを、 女は1番よく見ている

齋藤薫の大人キレイの処方箋
(左)透明感と血色感が両方かなう。トランスルーセント プレストパウダー 02¥6,800(セット価格・コンパクトつき)/アンプリチュード (中) 2 層のエッセンスを混ぜ、肌に浸透させて。クラリフィック デュアル エッセンス ローション 150㎖¥11,000/ランコム (右)3 種のエッセンシャルオイルを配合したペーストタイプで、なめらかな洗い上がり。ブライト クレンジング ペースト 200g¥4,000/イグニス 
 記憶に新しい“あのケース”では、杏さん人気がずば抜けていることをひたすら物語ったが、一般的にも妻と愛人は、100対0で妻が支持を得るケースがほとんど。ただ不謹慎にも、愛人の方の味方をしてしまう時が稀にある。いや状況としては許すまじ、なのに“女の敵”と思えない、だから密かに味方をしたくなる女性っているものなのだ。その査定こそ女の直感。女としてズルくないかどうかを、女は1番よく見ていて、気配だけでちゃんと見抜いてしまうのだ。だから愛人のクセにズルくない女には甘くなり、逆に、世間知らずなふりして小狡いタイプだったりしたら、完膚なきまでに糾弾する。そういうちょっと過剰な正義感も、ある種〝女の本能〟なのだ。

 いやそもそも「1番許せないのは、ズルい女」ということ自体が本能。まさしく選ばれし雌になるためのプレゼンテーションがフェアでない女こそ、女の敵としてみんなで糾弾したいわけだ。うがった見方をするなら、美しさも時々ズルさに見える。ここはやっぱり理屈じゃなく、女が見るとわかるのだ。何だかズルい美しさって。だからこそ、"そう見えない美しさ"を的確に作っていくことが大切。

 気配でわかるといっても一体どこで見分けるの? そう言うかもしれない。でも、目の輝きとか口元の美しさとか、透明感があるのに、まっすぐな力強さがあるとか……。これこそまさに女でないとわからない。なんだかフェアで、なんだかピュアで、なんだか清々しい、周囲まで心地よくなれそうな、濁りのない美しさ。これを意識して作りたい。ズルい美人になっても、愛されない。そういう意味で美しさをもう一度見直したいのだ。

 以下、まさに見るからにフェアでピュアな美しさを作る化粧品たち。新生イグニス クレンジングは、肌の奥の澱みまでを取り去って、はつらつとした美しさへと洗い上げる一品。ランコム クラリフィック デュアル エッセンス ローションは、酵素の力で肌の奥まで澄み渡っているような、毛穴もキメの粗さも見えない、次元の違う透明な肌へ導いてくれる。そしてアンプリチュードのトランスルーセント プレストパウダーは、肌色の欠点をカバーしながら、奥行きある"透き通る感"をもたらす麗しきおしろい。いずれも春の新製品だが、今年は仕上がり透明度のレベルが明らかに違う。注目したい。
齋藤薫 Kaoru Saito
美容ジャーナリスト、エッセイスト。美容やファッションの潮流に社会的な視点を
加え、美しくありたいと願うアラフォーの未来を照らす。『キレイはむしろ増えて
いく。大人の女よ! もっと攻めなさい』(集英社インターナショナル)など著書多数
【Marisol 2020年5月号】撮影/John Chan スタイリスト/郡山雅代

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