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家にいる平和を覚えてしまった人に、 外出エネルギーの養い方【齋藤 薫エッセイ】

本誌で好評連載中の、美容ジャーナリスト・齋藤 薫さんから悩める40歳へおくる、美と人生への処方箋。今回は、「外出するエネルギーに必要なもの」について。

家をオアシスにできた人はちゃんと外出もできる

齋藤薫の大人キレイの処方箋
(右から)エアリーな艶肌がかなうファンデーション。下地不要の手軽さもうれしい。ベリーレア エアー¥5,500(セット価格・税込)/アルビオン ●パールのような輝きでフレッシュな肌へ。デコルテやボディにも。レ ベージュ フリュイド アンルミネール ベル ミン¥6,000/シャネル ●透明感と立体感を同時に手に入れて。ムーンリット デュー ハイライター04・●同 01各¥3,200/ジルスチュアート ビューティ
 となれば、かつてのように外出する自分に戻るにはまた時間がかかる。そのエネルギーを取り戻すことに汲汲としている人もいるはずだ。だから完全に元に戻すことへの理不尽さを感じ、今後もリモートワークを望む人が圧倒的だと言われる。それだけに今欲しいのは、逆に外出を苦にせず、喜びを感じるエネルギー。外出に伴う無駄な時間も無駄と思わないだけのエネルギー。ただ、家に平和を見出すと、逆に外出も苦でなくなる不思議な良循環もあって、結果として暮らしがクラスアップするはずなのだ。家での生活が充実すると、ちゃんと心にゆとりができて、他者との関わりを自然に求めるようになってくるからである。だから大丈夫。家をオアシスにできた人はちゃんと外出もできる。

 そういう時、実際に大きな瞬発力を持つのが、筋肉とメイク。筋肉=気力、だから当たり前にトレーニングして少しでも筋肉が増えていると、難なく立ち上がれて、不思議に活動復帰が苦にならないのだ。

 加えてメイクで見違えること。毎日のルーティーンになって感動がなくなったメイクにそうした効力は無いけれど、久しぶりだったり、またこれまでにない次元で自分を驚かせるメイク効果を引き出せた時、人は本能的に出かけたくなる。これはもう理屈抜き。きれいの振り幅が大きいほどその勢いに鼓舞されるように外出エネルギーが湧いてくるのだ。もちろん今はマスク必須。でも見違えた自分を鏡の中に見せるだけでいい。

 そういう意味で重要な鍵となるのがやはりベースメイク。見違え感を生むのは内側からの輝きで、今はそうした発光感を作るハイライターが驚くほど進化している。例えばシャネルのレ ベージュ フリュイド アンルミネール ベル ミン。リアルで端正、華やかなのに神秘的な立体感をもたらすリキッドハイライターだ。これが陽の光なら、ジルスチュアートのムーンリット デューは、月の光。どちらもため息が出るほどドラマティックなツヤが光の進化を思い知らせるはずだ。そしてアルビオンのベリーレア エアーは、不思議なほど自然でありつつ、確かな欠点カバー力でまさに見違えるような美肌を難なく作ってくれる艶マット。ともかく出かけたくなるエネルギーの元。化粧品の力を思い知るはずだ。
齋藤薫 Kaoru Saito
美容ジャーナリスト、エッセイスト。美容やファッションの潮流に社会的な視点を
加え、美しくありたいと願うアラフォーの未来を照らす。『キレイはむしろ増えて
いく。大人の女よ! もっと攻めなさい』(集英社インターナショナル)など著書多数
【Marisol 2020年9月号】撮影/John Chan スタイリスト/郡山雅代(STASH)

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