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「結婚した時期を間違えた」駆け込み婚後の夫の変化【小説・じゃない側の女~Side1結婚してない側の女 Vol.5】

【連載第5回】植田 真木(うえだ まき)43歳 金融会社勤続20年の管理職。「アラフォー独身女」でいることに疲れ、39歳で「可もなく不可もない男」と駆け込み結婚をしてみたものの…。(全14回)
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「流木はわかった。じゃその流木につかまってからの3年間の漂流トピックスをちゃちゃっとどうぞ」と、独身貴族が先を急がせる。

・結婚して半年後に予定していた新婚旅行をドタキャンされた。しかもそれは出発日の2週間前の深夜、「やっぱり行かない」という1行のメールで突然通知され、以後しばらく連絡が取れなくなる

・ほぼフルに近いキャンセル料2人分を泣きながら一人で支払いに行く(だって放っておくと出発日来ちゃうから)

・その頃から家計口座にお互い入れる約束の10万円が滞り始める(その額の大小はここでは触れずに……)

・元ダンの本棚に『元手10万円から1年で×億儲けた××さんの話』『資産ゼロでも毎月×百万稼げる超絶法則』といった類の本が続々と並び始める

・「人間誰だって、本音では苦労せず楽しく遊んでくらしたいはずだよ。この先年金だってろくにもらえなくなる。今更会社に雇われて長時間拘束されてちまちま働いたって意味なんかない。だから俺は真木みたいな雇われの身には絶対ならない。この先も経営者でいる」と宣言される

・経営者としての成功に向け早めに儲かるため、「今の仕事が倒れてしまう前にひとつ大きめの借金をして新たな事業に手を広げたい。真木に連帯保証人になってくれと言っているわけではないのだからうるさいことを言われたくない」と言われる

・「今まで付き合ってきた彼女達とは、誰とも喧嘩したことがない」と聞いていたが、よく聞くと正しくは「うるさいことを言われるのが好きじゃないので、喧嘩になりそうになるとその前にすっぱり別れてきた」ということを知る

・そんなある日「今、俺、人生で一番不幸だ」と言われる。「仕事、何か月もずっと赤字続きで、本当にお金がなくて、カード会社からの借り入れも満額近くて、好きなこともできなくて、もうそのことで頭が一杯なんだ。とにかく今すごい不幸なんだよ!」と言われる

・さらに数か月後「結婚した時期を間違えた」と言われる。「俺の人生もう今後はずっと上り調子だと思ったから、誰かと結婚してみようと思ったけれど、こんなことなら結婚なんて絶対しなかった。だって成功してないと俺は誰のことも大事には思えない人間だから」と真顔で言われる

・ちなみにA男(元旦那)にとっての成功って何?と質問すると「とにかくお金が儲かってやりたいことが好きにできること」と言われる。儲かって一緒に喜び合う相手がいてこその成功とか幸せではないの?と聞くと、「そんなことは儲かってから考えればいいことで、儲かるまでは全く考えない」と重ねて言われる

・結果「今はもう真木のこと大事じゃない。俺一人になりたい」とはっきり言われる
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    植田真木(うえだ まき)43歳 金融会社勤続20年の管理職。「アラフォー独身女」でいることに疲れ、39歳で「可もなく不可もない男」と駆け込み結婚をしてみたものの…。

    ■Side1結婚してない側の女(全14回)を読む >

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    谷原理沙(たにはら りさ)43歳 某有名ブランドのバイヤーとして、月の半分近くを海外で過ごす。後輩が次々と妊娠して産休に入るたび、「快く」送り出しているつもり、だけれど。

    ■Side2産んでない側の女(全15回)を読む >

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