【今月のお悩み】夫のクセにイライラします
(兵庫県・なつみ・44歳・会社員 趣味/読書、クラシック鑑賞、登山)
☆辛酸なめ子さんの回答
☆みうらじゅんさんの回答
一度、無意識のうちにやっている 「些細なこと」比べをしてみては?
たぶん、夫のそのクセは、今に始まったことではないはず。だから、今さら直してほしいなんて言っても「もう無理だから!」と逆ギレされかねません。身にしみついたクセは、そうそう直らないものですから。
先日、テレビを見ていたら、コロナ禍における高齢者の健康管理について、専門家が話していたんです。家にこもって運動不足になると、特に高齢者は寝たきりになるリスクや認知症になるリスクが高い。そうした中、実は貧乏ゆすりも悪くないと。足を小刻みにゆすることで、意外に筋肉を使っているというのです。
その話を思い出して気づいたんですが、何にでも「名前を書く」というのも、認知症対策としていいのかもしれません。でも、今のなつみさんのお悩みに「老後の健康対策」では、なんの解決策にもならないと思います。さらにイラつかれるかも知れませんね。
じゃあ、こういうのはどうでしょう。よく、「相手を変えるより、自分を変えるほうが早い」とか言いますよね。なつみさんはクラシックがお好きとのことですが、ここはもう、聴く音楽をクラシックからロックに移行されるのは? 爆音で、少々細かい音など気にならなくなると思うんですが。爆音に慣れたら、さらにその中でも本を読めるようにする。将来、2人で穏やかに楽しく生きていくための修業だと考えて、やってみるのはどうでしょう。「なんで、イライラさせられている私が修業しないといけないの!」と、ますますお怒りでしょうか……。
いや、なつみさんと夫が、子育て後は会話がなくなるような夫婦だったら、これまでの僕の提案は取り下げます。でも、お悩みの文面を読むかぎり、その気配はないですし、2人が良好、少なくとも「悪くはない」関係であるとお察しします。それを「そのクセ、やめて」のひと言で壊すのは、もったいないと思いますね。
じゃ、どうでしょう? 今度2人で、「些細なこと」比べをしてみられては? 人間、誰しもクセの1つや2つ、あるものです。気づかないだけで、なつみさんにもきっとあると思うのですが。ただ、なつみさんがそうであるように夫も、見て見ぬふり、あるいは我慢してきたのかもしれませんよ。
お互いに「些細なことかもしれないけど気になってしまう相手のクセ」を書き出して、それぞれのクセの数を比べてみる。なつみさんの数が0〜1だったら、夫は今の2つのクセをできるかぎり直す努力をし、2つなら相殺で、相手のクセに慣れるよう修業する。3つなら、なつみさんがクセを1つ直す。要は、そうやって相手に合わせたり譲ったりするわけですが、口に出せばケンカになりがち。あくまで「クセ探し勝負」。“プレイ”と考えると今後、2人で楽しく穏やかに生きていけるんじゃないか、と思うんですが。
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みうら・じゅん●イラストレーターなど。「マイブーム」「ゆるキャラ」ほか多くのブームを生む。近著に『みうらじゅんの松本清張ファンブック 清張地獄八景』(文春ムック)、『ひみつのダイアリー』(文春文庫)など
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しんさん・なめこ●漫画家、コラムニスト。巫女的な感性であらゆる事象を取材。近著は『タピオカミルクティーで死にかけた土曜日の午後 』『愛すべき音大生の生態』(ともにPHP研究所)など
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