撮影/John Chan スタイリスト/郡山雅代(SIGNO)
知性美とは何か?
じゃあ知性美とは何か? 例えばの話だが、チークの塗り方が自然なこと。キッカは、そういう意味で女をちゃんと知的に見せるチークを作った。メイクとしてのチークではなく、あくまで体温が透けて見えるような、自然な紅潮をそのまま再現するチークを、いわゆるソリッドタイプで表現したのだ。
そして一方、スキンケアの選び方にもなんだか知性のレベルは宿るもの。そんなこと、見た目に現れるはずはないと言うだろう。でも女ならわかるはずだ。どんなスキンケアを使っているか、そこに一定の知性が現れ、知的レベルが測れること。そしてまたそれが見た目の印象にも通じてくること。美容って不思議である。そういう意味で、今一番知的な女性たちに選ばれているのがシャネルのブルーセラムだろう。世界で一番人を健康にする4つの地域を研究し、生息する植物を配合することで美しさの寿命に働きかける……これまでとは全く違う視点で作られた、社会学とサイエンスの融合のようなスキンケア。
どちらにせよ、大人は美しいだけじゃない、知性が美と融合しなければ意味がないことを、もう一度肝に銘じておきたい。
(Marisol 2017年5月号)
美容ジャーナリスト、エッセイスト。美容やファッションの潮流に社会的な視点を加え、美しくありたいと願うアラフォーの未来を照らす。新刊『されど“男”は愛おしい』(講談社)をはじめ、著者多数