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【「夫婦別姓」という選択】モデル牧野紗弥さん「『私たち家族は結びついてる』と自信があるから」

【人生のNextステージのための「シン・リコン論」】 長引くコロナ禍によるライフスタイルの変化や、働き方が多様化しつつある時代の流れもあり、パートナーや家族との関係を再構築したい人が急増中。新しい離婚・結婚のスタイルについて考えます!



シン・リコンケース②
「夫婦別姓」という選択

<「私たち家族は結びついてる」と自信があるから、夫婦別姓に移行します>

夫婦別姓 モデル牧野紗弥さん

モデル 牧野紗弥さん
まきの・さや●1984年生まれ、愛知県出身。10代から芸能活動を始める。現在は『Marisol』をはじめ、雑誌、広告などで幅広く活躍中。Instagram(@makinosaya

夫の名字への違和感&よき母像がストレスに

妻と夫がもともとの名字を名乗る「夫婦別姓」。日本では法的に制度が確立されていないゆえ、希望者は、法律上は離婚するか、事実婚をするかしかない。結婚で名字を変更することが多い女性に不便な点を考えて、法律の改正が議論され続けている。モデルの牧野紗弥さんは「夫や子供たちとともに、自分たちらしい共働き家庭を考えたら、夫婦別姓がしっくりくる」という思いにいたったのだとか。「25歳で結婚し、37歳の今は3人の子供を育てています。実は結婚当初から夫の名字を名乗るのに違和感がありました。というのも、私と姉は祖母から『牧野の姓を残してほしい』と言われて育ったんです。それでも結婚したら名字は変わるのが普通だし、そのことで夫と波風を立てるのも違うと思っていました」

 転機は結婚から約10年後。
「3人の子育てと仕事の両立、さらにモデルの現場では牧野姓、ギャラの振り込みなど私的な部分では夫の姓を使い分けるという複雑さも消化できず、いろんな悩みを夫に上手に伝えられなくて、ケンカが絶えない状態に……。『私はこれだけしているのに』『俺も紗弥に頼まれたことは全部やっている』と、夫婦すれ違い状態でした。そんな時に夫が1週間、家事と育児をすべて行うことになったんです」

ジェンダーバイアスをはずしともに家族を運営する夫婦へ
 働きつつワンオペ家事&育児を経験した夫は、牧野さんのつらさを初めて理解してくれたとか。
「想像以上に私が余裕のない日々を送っていたと気づき、さらにお互いが男女のジェンダーバイアスに縛られていた事実も明らかに。私は『よき母、妻像はこう』と勝手に思い込み、思うようにできない怒りを夫にぶつけていた。夫も家族の一員として、私や子供たちのことを客観的に考える視点が欠けていたんですよね。一緒に俯瞰しながら家庭を運営するようにしたら、遠慮や忖度、ケンカも減って、パートナーとしても、親としても、彼への愛情と信頼が深まりました」

 そこで牧野さんの胸の内にわき上がったのが、名字の問題。
「彼と揺るぎない絆ができたからこそ、私は夫の戸籍から抜けて牧野姓になってもいいのかなと。ただしこれは子供もかかわる問題なので、家族で何度も話し合い、弁護士さんにも意見を伺いました」

 現在の問題点は「親権はどちらがもつか」ぐらいだそう。
「もし私が子供たちの親権をもっても、子供たちは今までと同じ名字での通学が可能です。夫との関係でいえば、保険や自動車の名義は、事実婚でも適応になるので問題はありません。弁護士さんには『将来、財産分与の権利がなくなりますよ』と言われましたが、正直なところ、そこまで先の想像はつきません(笑)。言えるのは、今の私たちにとって一番無理のないあり方がこれだということ」

多様性の中でのリコン&夫婦別姓という形もある!

ただこんな反応もあったそう。
「『離婚が怖い』と、長女が言い出したんです。一家離散など、離婚のバイアスに彼女もとらわれていました。そこで『解散じゃなく結束を強める離婚もあるよ。100の家族があったら100の正解があるの』『でも嫌なら嫌と言って』と伝えました。戸籍や夫婦別姓を家族の話題として共有するうち、子供たちにも自分でモノを考える力が生まれてきたように思います。あくまでも私たち5人が試行錯誤している家族像ですが、離婚や夫婦別姓に、こういうとらえ方があってもいいのではないでしょうか」

【Marisol7月号2021年掲載】撮影/中澤真央(牧野さん分) ヘア&メイク/後藤若菜(ROI) 取材・文/石井絵里

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