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「どこを見る?何を買う? 達人のお買い物ルールとは」 【ネット通販で失敗しないための買い物術」(後編)】

いまやマリソル世代のおしゃれにも欠かすことのできないネット通販。家にいながら、あらゆる時間に、ほしかったあのアイテムを世界中から手に入れることができるという手軽さや便利さが魅力の反面、つい衝動買いしてしまったり、イメージと違うものが届いたりと、失敗や悩みもつきもの。そんなネット通販とより上手に付き合うためのヒントを、おしゃれのプロであり、通販の賢者でもある3人に聞きました。

■アラフォーがネット通販と上手に付き合うヒント(後編)

▼前編はこちら

  • 「作り手の目線をこっそり伝授!」 【ネット通販で失敗しないための買い物術」(前編)】

    「作り手の目線をこっそり伝授!」 【ネット通販で失敗しないための買い物術」(前編)】

    いまやマリソル世代のおしゃれにも欠かすことのできないネット通販。家にいながら、あらゆる時間に、ほしかったあのアイテムを世界中から手に入れることができるという手軽さや便利さが魅力の反面、つい衝動買いしてしまったり、イメージと違うものが届いたりと、失敗や悩みもつきもの。そんなネット通販とより上手に付き合うためのヒントを、おしゃれのプロであり、通販の賢者でもある3人に聞きました。

 

★お答えいただいたのは……

渡部かおりさんと東原妙子さんと発田美穂さん

PROFILE

 

(右)発田美穂さん(エディター)

女性ファッション誌やウェブマガジンなどで幅広く活躍する人気エディター。マリソルのオリジナルブランド「M7days」の特集記事も数多く担当し、ネット通販にも精通。@mihohotta_editor

  

(中)東原妙子さん(エディター)

抜群のセンスでブランドからの信頼も厚く、EC限定ブランド「アンクレイヴ」ではクリエイティブディレクターも務める。今季より手がける「アンクレイヴ ホワイト」も大好評。@taekohigashihara

  

(左)渡部かおりさん(エディター)

編集プロダクション「フォワード」主宰。広告のビジュアル制作や企業のブランディングなども行うほか、一昨年にはEC限定のセレクトショップ「ザシー」を立ち上げ、話題に。@theshe_____

 

   

――前編では、ネット通販で失敗しないためのコツを、作り手目線からお話いただきましたが、後編では皆さんのリアルなネット通販術についてお聞きしたいです。買うときの決め手となるのは、どんなことでしょうか?

 

渡部 やっぱり、詳細をちゃんと書きこんであるかはよく見ますね。生地やサイズ、色といった基本のスペックだけじゃなく、着心地のようなことも知りたいし。

 

東原 スタッフの方が身長別に着た写真なども、すごく参考にしています。たとえばアウターだったら、身長が低くてもぶかっと着たいということもあるだろうし、158cmでもLサイズを着ている方の写真とか、幅広いレンジでたくさん載っていると買いやすいですよね。

 

発田 最近は動画がついているものも多いですし、スタッフの方が着てくるくる回ってくれるムービーなどは、静止画よりも生地の重みやとろみ具合といった素材感がよりわかりやすいから、本当に買いたいときはよく見ます。

 

渡部 動画はウソがつけないですしね。

 

発田 縫製の具合もよくわかったり。

 

渡部 丁寧ですよね。だからさっき挙がったコートやジャケットのように、買いにくいものを買いたいときにもすごく参考になる!

 

発田 それをショップスタッフなど、身近な方が着て見せてくれるのがまたいいんです。

 

渡部 うちの「ザシー」では、メールのやり取りもよくさせていただいていて……お直ししてほしいというリクエストがあれば、直してからお送りすることもあります。

 

東原 お客様センターじゃないけど、そんなふうに質問してちゃんと答えてもらえるブランドやショップだと、ぐっと信頼感が上がるよね。

 

渡部 以前、海外のサイトで買い物をしようとしてキャンセルしたら「What happened?」と、電話かかってきたことがありました。高額なものだったから、お客さんを逃さないようにと思ったのかもしれないけど(笑)、丁寧ですよね。もし買うのを迷っていたら、メールなどで問い合わせをしてみるのも、ひとつの手かもしれないです。

 

東原 お店に行ってちょっと相談、みたいな感覚で聞けたらうれしいよね。

通販座談会の様子

――服以外でも購入するのものはありますか?

 

渡部 バッグも買いますね。

 

東原 サイズを気にしなくていいしね。

 

発田 私は先日、ネックレスを買いました。2800円だったのですが、すごく高見えするデザインで。4ケタだし、ジュエリーというよりは気軽に楽しめるアクセサリーとして、ちょっと華やかに見えればいいなと思って。

 

東原 それこそ、気軽にトレンドを楽しみたいときとか。

 

渡部 イヤカフとかもつい欲しくなっちゃう。もちろん、着けていて痛くないということは大事だけど。

 

東原 むしろ手ごろなものほど軽くて、着けやすいときもあるしね。

 

渡部 売り手目線でいうと、ニットベストやつけ衿とか。これを足すだけでちょっとコーディネートが変化するような“+1”アイテムも動くかな。

  • ラスタルのネックレス

  • 発田美穂さん

「インスタを見ていて、ひょんなことからたどり着いた『ラスタル』というブランドのネックレス。デザインが気に入り、4ケタならと即決しました」(発田さん)

 

――ちなみに、靴は買いますか?

 

発田 はい、スニーカーは買います。基本的にスニーカーは少しサイズアップしたのものを買うので、多少大きくても困らないですし。

 

渡部 かかとのないスリッパ風のデザインとかね。

 

発田 持っているブランドだったら、パンプスもアリかも。現物は店舗で見ているとか、売り切れていたけどどうしてもほしいとか、単純に探して買うケースはあります。

 

東原 荷物を持って帰らなくていいから、店舗で試着だけして、ネットで買うほうがいいってパターンもあるよね。「アンクレイヴ」のポップアップショップを開催したときに、そういうお客様もいました。でもネットだけで見て買う場合は、交換や返品できるなら……という感じかな。

 

渡部 試着ができない通販だからこそ、ちゃんと返品やコツコツやり取りをすることも必要だよね。私はたまに海外のメンズブランドでも買うのですが、写真を見ても屈強なカラダのメンズモデルが着ていて、サイズ感が想像できなかったりするの! その人はピチピチで着ていたけど、届いたらブカブカだったとか……(笑)。そんなときはもうその服をどうやって活用するか、という方向に頭をシフトチェンジして楽しんでいます。

 

――海外の通販も、日本とは違う楽しさがありそうですね。

 

渡部 手に入らないものが買えるというよさはもちろんですが、ラッピングもすごくきれいだったりするんです。

 

東原 気分が上がるね!

 

発田 豪華な箱に入っていたりもするし、可愛くて思わず取っておいちゃう。それを裁縫箱にしてみたり。

 

渡部 領収証入れにしてみたり(笑)。ステッカーをたくさん入れてくれたり、捨てるには勿体ないほどの可愛さなんです。到着するまでのワクワク感も楽しいし、わざわざ遠いところから届いたという喜びも大きいし、そういったことも含めて、海外のネット通販もおもしろいですね。

  • ダウントブックスのオリジナルトートバッグ

  • 渡部かおりさん

「イギリスにある『ダウントブックス』という大好きな本屋さんのオリジナルのトートバッグ。本体は800円くらいですが、送料が5000円くらい(笑)。でもなかなかお店に買いに行けないいまの状況を考えれば、向こうから来てくれるなんてありがたい限りです!」(渡部さん)

 

――いろいろお話を伺ってきましたが、最後にズバリ、ネット通販を前向きに楽しむためのコツはなんでしょう?

 

発田 私は、何を買ってもその値段とデザインで腹落ちしていればよし、ということですかね。たとえば「ザラ」のビーチアイテムなどは、スペインならではの浮かれた感じが可愛いじゃないですか。だったらそのデザインをとことん楽しむ。素材が少々薄くたって、私的にOKなら十分。

 

東原 今日一日、ちょっと写真を撮るからそのために着たいとか。

 

発田 どうしてもピンクにトライしたいとかね、そういうときに効果的に活用してみるのもいいと思います。

 

渡部 私はネット通販のことをめちゃめちゃポジティブに捉えているので、サイズを間違えても「じゃ、これをどう着こなそうかな?」と考えます。800円のエコバッグを5000円の送料を使ってイギリスから取り寄せたとしても、イギリスから買うことに意義を持っているわけで。あちゃ~と思った気持ちをいかに転換できるか、が大事。

 

発田 すごいポジティブ脳(笑)。

 

東原 私はとにかく疑ってかかるから、購入者のレビューなども見てすごく下調べをするし、ポッと出てきた広告の商品はほとんど買わないです。基本がコンサバティブだし、だまされたくない気持ちが強いのかも(笑)。でもそうすると“ついつい買い”も自然と減るというか……。

 

発田 たしかに、数を見るのは大事ですよね。

 

渡部 努力なしでは受験には受からないのと一緒だね(笑)。ネット通販って、ショートカットでお買い物できるようだけど、意外と……

 

東原 ちゃんと知って、調べてからじゃないと、失敗は多いかも。

 

渡部 知ることは選べること、知識は選択だと思います。いまはよくも悪くもウソがまかり通る時代、だからこそ、ネット通販は楽しみながらも、勤勉であるべきです!

 

撮影/木村 敦 取材・文/伊藤真知

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