\ 私が教えます! /
八田真理子先生
更年期の不調の予防や改善にやはり運動は欠かせないと話すのが八田先生。
「適度な運動を習慣にすると、自律神経が整うので、更年期症状が改善しやすくなります。また、運動をすると普段使っていない筋肉が活性化し、肥満予防にもつながって見た目年齢も若い状態をキープできます。アラフォー女性は忙しくて、スポーツクラブに行く時間はないという人が多いと思いますが、自宅でできるエクササイズを5分ほど続けるだけで十分なので、コツコツと続けることが大事。ぜひ習慣にしてみてください」(八田先生)
八田先生自身は、エアロビクスや、ウォーキング、パーソナルトレーニングなどを続けているそう。そんな八田先生が、アラフォー女性のためにおすすめしてくれたのが以下のようなエクササイズ。
八田先生おすすめ!
更年期に備えてのエクササイズ
八田先生がすすめてくれたエクササイズは、ヨガや骨盤底筋体操や呼吸法。
「ヨガは、ゆっくりと呼吸をしながら体を動かすことで、自律神経を整える効果が高いので、更年期の不調の対策におすすめです。1日のうちのいつ行ってもOKですが、ヨガはなるべく空腹の状態で行うとよいとされているので、朝少しだけ早起きして行うのがおすすめ。以下の太陽礼拝のポーズは、自律神経を整えるだけでなく、肩こりや腰痛の改善に効果的。三角のポーズは、骨盤周りの血流をよくするのに効果的です。そのほか、骨盤底筋体操や呼吸法もおすすめです。骨盤底筋とは、骨盤の底にあり、膀胱や子宮や直腸などの臓器を支えている筋肉。更年期になるとこの筋肉が緩んで収縮する力が弱まるので、尿道や膣の締まりが悪くなり、尿もれの原因になります。これを防ぐために骨盤底筋体操で、骨盤底筋を鍛えておくと安心なのです。
また、呼吸法は、ヨガと同じく自律神経を整えることができる方法。ゆったりと長く息を吐く腹式呼吸をすると、副交感神経が優位になり、リラックスできます。更年期の症状にイライラや動悸がありますが、こんな症状が出たときに取り入れるのもおすすめです」(八田先生)
詳しいやり方は以下をチェックして。
その1「ヨガ・太陽礼拝のポーズ」
1.両足を閉じて立ち、息を吐きながら揃えた両手を体軸に沿って頭上に高く上げ、体の後ろ面と、側面をストレッチ。肩に負担を感じる場合は、上がるところまで上げればOK。 |
2.次に正座の状態から左右の手のひらを床につけて腕を前に伸ばし、腰を少し引き上げて背骨を伸ばし、深く息を吸いながら腹部を膨らませて、吸い切ったら吸ったときの倍の時間をかけて息を細く長く吐き出してお腹を凹ませる。この腹式呼吸をゆっくりと10回繰り返す。 |
その2 「ヨガ・3角のポーズ」
1.足を左右に大きく開いて立ち、右足のつま先を外側に向け、両腕を左右に開く。目線は右手の先に向ける。このとき背筋はまっすぐにし、下腹はへこませて。 |
2.息を吐きながら、ゆっくり骨盤を右にねじって下腹をへこませ、左手を右膝のあたりの、無理のなく届く部分に置く。首と肩の力は抜くこと。 |
3.上半身を右にねじり、右手を上に伸ばす。目線は右手の先に。そのまま気持ちよく呼吸しながら30秒キープ。 |
4.息を吸いながらゆっくり最初の姿勢に戻り、反対側も同様に行う。左右2〜3回ずつ行って。 |
その3「いつでもどこでも骨盤底筋運動」
○布団の中で…
朝晩の布団の中で行うのにおすすめなのがこの骨盤底筋体操。仰向けの姿勢で、足を肩幅に開く。両膝を軽く立て、体の力を抜き、肛門と膣を締めたままゆっくりと1から5まで数える。5つ数えたら力を抜き、また締める。これを数回繰り返して。 |
○雑誌などを読みながら…
雑誌や新聞を読みながらできるのがこの骨盤底筋体操。床に両膝をつき、両肘を曲げて手に顎をのせる。肛門と膣をゆっくり締め、締めたままゆっくり1から5まで数える。5つ数えたら力を抜き、また締める。これを数回繰り返す。 |
○座っているときに…
椅子に座っているときや、電車やバスの中で座っているときなどにはこの骨盤底筋体操を。座って床につけた足を肩幅に開き、背中をまっすぐに伸ばし、頭を上げて前を見る。肩の力を抜き、お腹が動かないように、また、お腹に力が入らないように気をつけながら、ゆっくり肛門と膣を締める。5つ数えたら力を抜き、また締める、これを数回繰り返す。 |
○家事をしながら…
机やキッチンのシンクなどにもたれた状態でできるのがこの骨盤底筋体操。机やシンクのそばに立ち、足を肩幅に開き、手も肩幅に広げて机やシンクにつける。その姿勢で、体重をすべて腕にのせる。背中はまっすぐに伸ばし、頭を上げて前を見る。肩とお腹の力を抜いて、肛門と膣を締める。5つ数えたら力を抜き、また締める。これを数回繰り返す。 |
その4「呼吸法」
1.床に座ってあぐらをかき、両手を腹部に当て、深く息を吸いながらお腹を膨らませる。 |
1.床に座ってあぐらをかき、両手を腹部に当て、深く息を吸いながらお腹を膨らませる。
2.吸い切ったら、吸ったときの倍の時間をかけて細く長く吐き出す。手を当てたお腹が平らになるのを意識。これを数回繰り返す。慣れてきたら手はお腹に当てずに、手のひらを上、下と返しながら行って。 |
生活の中でも筋力UPを意識!!
○早足で歩く
日常生活に取り入れやすい運動がウォーキング。ただし、だらだら歩くのでなく、早歩きを取り入れるのがよいそう。
「運動は適度に心拍数が上がり、軽く汗をかくくらいの強度のものがよいので、ウォーキングをするなら、ときどき早足も取り入れましょう。3分早歩きをして、2分ゆっくり歩くというような方法がよいと思います。犬の散歩も、自分が犬を引っ張って歩くくらいのイメージで早めに歩くのがおすすめです」(八田先生)
○ペッドボトル上げおろし
すき間時間を利用して運動をするのも、習慣化するコツ。
「おすすめは、ペットボトルの上げ下ろし。家事の合間や、テレビを見ているときなど、すき間時間を見つけて、中身の入ったペットボトルを持って、上げ下ろしするだけでも筋トレになります。また、洗濯物を干しながらスクワットをするのもいいと思います。生活の中に上手く運動を組み込みましょう」(八田先生)