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「乳がん手術後の夜のリハビリ」【ケビ子の乳がん・ニューライフ vol.23】

第23回目 「乳がん手術後の夜のリハビリ」袋とじ企画です。

放射線治療後に病気を公表したケビ子。たくさんの優しいメッセージと乳がん先輩からの心遣いに感動。乳がん・ニューライフ (第22回はこちらから)

第23回は乳がんを経て変わりゆく家族のムードとなんとかしたいなと葛藤するケビ子の話。

【妻と夫から病人と世話人へと変化を感じる】

アラフォー婚活お悩み相談を連載をしているケビ子が乳がんになったので、闘病しながらの婚活についても結構な相談が来るようになった。持病をどのタイミングで打ち明けるか、闘病中で婚活に自信が持てない、など。ご相談者は乳がんに限らないのだが、心も体も負担が大きい闘病生活なのだ。

 

 

ケビ子が乳がんになったのは47歳。診断からほどなく誕生日を迎えて48歳で手術となった。年齢こそ立派な中年なのだが結婚してから5年目。まあまあのフレッシュさである。

乳がんと診断されたときに頭に浮かんだことを本連載の第1回目に書いた。

「夫に捨てられるかもしれない」

これだ。

 

 

子どももいない、病気になったケビ子が夫にとって負担になる可能性がある。

そんなはずはない、しっかりと面倒を見てくれるはずだと自信をもって言えるほどの信頼関係ができていなかったのかと自分が一番驚くとともに、そもそも不完全な私がさらに欠けていくような落ち込みがあったのだ。これは人として生きていくというというよりも女性として、という観点で。

 

 

おそらく乳がんという場所柄、とりわけそう思うのかもしれない。

胸がなくなる、残っても形が大きく崩れる。そういうリスクが目の前にやってくるととたんに自信をなくすのは無理もない。

 

 

それでも、と手術を受けて治療に向き合い、辛さを背負う覚悟を決めたところ、夫と家族から「背負った覚悟を少しよこせよ、なんでも一人で頑張るなよ」と思いのほか手厚くサポートしてもらった。

私の人生、悪くないのだ!

 

 

一方で、そうした気持ちに甘えていくのに加えて「ケビ子と夫」が「病人と病人を世話する人」となった側面もあり、気が付けば体が痛いだの、再発が不安だの、こんなこと言われて傷ついただの、と夫にしてみれば妻を心配するついでに場合によってはあんまり聞きたくないようなネガティブな話題が著しく増えていった。

 

 

早いうちに病人と世話人がメインスキームとなっている状況から病気前に可能な範囲で戻していきたいな、完全には無理でも努力するとしたらそれはケビ子からの歩み寄りなのだろうな、と考え始めていた。

 

 

子どもがいない夫婦二人の生活である。長い目で見て寄り添っていきたいと思ったら自分の不具合ばかりを主張するのはちょっと違うぞ、必要なときは助けてもらうが、できることはやっていかないと。

 

 

食卓にデトックススープ、会話は体調のこと、楽を優先した服装で外出を嫌がり人と会うのを拒否。夜は20時半には就寝する妻。これが術後の我が家であった。

まずは自分のために化粧を再開してワンピースを着るようにした。食事も私は味付けをしないデトックススープを食べるが、夫の分は別に作る。そうしてわからないように原状復帰を試みていった。

 

 

その一環として夜の生活もなるべく早い段階でケビ子から誘うことに意義があるな、と思い夫に話をした。

長い目で見た夫婦生活。乳がんは私の一部であって全部じゃない。そういう思いで夫と話してみると驚きながらも「なんだかわからないけど、それでいいよ」と相変わらず不思議な反応をする夫であった。

 

 

【調査対象者の94%の女性が!】

こちらのサイトを見て欲しい。

 

 

乳がん治療後のセックスや愛情行為について800人以上の乳がんサバイバーを対象に調査をした結果、調査対象中94%の女性が「治療の副作用が原因でセックスをしなくなった」と答えた。

参照記事:「乳がん治療後のセックス」 RFTC Japan

 

 

身体を見られたくない、疲れてそういう気持ちにならない、投薬の影響で痛みを感じる

乳がん術後はこうした理由で夫婦生活から遠ざかる方が結構いるようだ。そりゃそうだ。それどころではない、というのが患者の意見だろう。

 

 

一方で体がつらいまま無理をして返って気持ちがすれ違い、別居や離婚に至るケースもあるようだ。

病気をきっかけにすれ違うというのは、自分事として想像できた。

 

 

「乳がん手術後の夜のリハビリ」【ケビ子の乳がん・ニューライフ vol.23】_1_1
【心配してほしい気持ちと心配させたくない気持ちで揺れる】
病院の担当医師から、踏み込んだ説明はないし(妊娠を希望する方は別だが)、普段も友人とこういう話をすることもほぼないので(独身時代は散々したのに)乳がん患者の寝室事情を知る由もないし、人と比べることでもないのだが、私自身が早い段階で「乳がん治療する妻とその世話をする夫」という雰囲気から脱け出したいと考えていた。


つい辛くてその日の体調やしんどさを訴えたくなるのだが、はて自分の立場に置き換えてみると「これが続くのか」と思ったら家に帰る前に一杯飲みにいく回数が増えそうだな、と思ってしまった。
実際、それほど愚痴っぽくなっていた。


早いところ、病気になる前のムードを少しでも取り戻していきたい。その為には病人本人であるケビ子自身の歩み寄りと努力が必要であった。
(これはあくまでもケビ子の感想と体験を書いている。人ぞれぞれ考えがあるので、参考にならない人がいて当然だと思っている)


闘病は自分でしっかりするし、家族には遠慮なくサポートしてもらう。しかし必要以上に病気ムードを漂わせることもなく、にんじんリンゴジュースも美味しいから飲む、という感じで一緒に楽しんでいけばよい。


今も定期的に病院には行っているが、さらっと予定を告げて先生との会話が楽しかったなど明るく報告している。気持ちとしては不安でいっぱいだが、今のところ病気に関する何かがあるわけではないのでそれで良いと思っている。


心配して欲しい気持ちと心配させたくない気持ちで揺れ動いていたのが、程よく折り合いがついて今はとても気持ちが楽になっている。




つづく


※次回【Vol.24】は11/25公開予定です。




※この記事はケビ子さんの体験に基づいて書かれており、2021年12月当時の情報をもとにしています。
治療等の条件はすべての方に当てはまるわけではありません
カモチ ケビ子
43歳で結婚、47歳で乳がん。
心配性の夫、奴さん(やっこさん)はなぜか嬉しそうに妻の世話を焼いている
Instagram(@kbandkbandkb)ピンクリボンアドバイザー(初級)資格保有

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