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「ホルモン剤の副作用」【ケビ子の乳がん・ニューライフ vol.26】

第26回目 「ホルモン剤の副作用」あと3年半、共存であります。

乳がんの知識が増えるにしたがって、病気になってからの一連の気持ちや経験を形にしたいとピンクリボンアドバイザー初級資格を取得したケビ子。乳がん・ニューライフ (第25回はこちらから)

第26回は術後から飲み始めたホルモン剤の副作用とはどんなものなのか。ケビ子の副作用体験記の話。

【ホルモン剤服用開始から約1年半経って】

手術が終わってから病理検査結果も出た後からタモキシフェンというホルモン剤の服用を始めた。ちょうど年齢的にも更年期にさしかかるので私は5年。人によっては10年服用するケースもある果てしない物語だとこの連載でも書いた。(乳がん・ニューライフ第18回

ホルモン剤服用の副作用と言われる症状はどの程度のものか、個人差は当然あるがケビ子の体験を書いてみる。


タモキシフェンというホルモン剤の副作用とはどのようなものか。
一般的に更年期のような症状が出ると言われている。生理不順、のぼせ、ほてりなどのホットフラッシュ、めまい、脱毛、体重増加、むくみ、骨密度低下などなど。


文字にするだけでもめまいがしそうな副作用の数々なのだが、ケビ子自身が悩む副作用がホットフラッシュと発熱、脱毛、体重増加(食欲もりもり)などである。


現在49歳と更年期まっただなかなので、ホルモン剤のせいなのかマイオリジナル更年期によるものなのか、その両方なのか、副作用と付き合うのが生活の一部になっている。
ホルモン剤を飲み始めてすぐに変化が出たのが発熱。平熱は36.5度前後と高い方ではあるのだが、ホルモン剤を飲み始めてすぐに、というか術後すぐに発熱が続いた。毎朝熱を測るが37度台前半、たまに後半まで熱が出ることが続いた。


主治医に発熱を相談しても「乳がんとホルモン剤では発熱あるかなあ。ないと思うんだけどなあ」とあやふやであった。
まあ、身体が驚いているのか、と思う事にしたが微熱が続くというのはそれなりに身体がしんどく、ずっと疲れていた。


2022年の夏過ぎには体温がようやく安定してきて37度台が出ることはめったになくなったものの振り返れば結局術後1年ほど微熱が出ているような状況であった。
何度かコロナの検査もしてみたがすべて陰性だったので、これは病気をしたことによるケビ子の体調変化なのかなと思っている。


「ホルモン剤の副作用」【ケビ子の乳がん・ニューライフ vol.26】_1_1
【現在進行形の副作用の悩み】
次に現在進行形で悩んでいるのは脱毛とホットフラッシュである。


抗がん剤をしてないんだから、毛と言ったって限定的でしょう?と言われてしまうかもしれないが、ブラシやシャンプーをする度に抜ける毛の量があまりに多くて落ち込んでいる。
今ではお団子ヘアも小さなお団子しか作れない。
三つ編みにいたっては頼りない細さとなっている。


インターネットは頼りがいがあるツールだと病気をして心底思った。同じ悩みを持つ見ず知らずの先輩の経験談を無料で読むことが出来、私一人ではないのだな、がんばろう!と前向きに画面を閉じるのだ。


脱毛に悩む方の体験記を調べて育毛トニックやビオチンサプリを飲むことにした。
使い始めて約半年。脱毛が減ったとは全く思わないが、頭頂部の切れ毛がいつのまにか気にならないのは小さな光かもしれない。何にせよ継続してみないことにはわからないことばかり。


ホットフラッシュは対策があるのだろうか。
そういえば更年期の症状を緩和する市販薬があったなと思い出すが、これを飲んでしまったらホルモン剤の意味がなくなってしまうのではないか?と迷いが出て試せないでいる。ホットフラッシュってどんなだろうかとそのような症状が出る前は単純に疑問であったが、ずっと熱いわけではなく突然ぶわっと身体が熱くなり汗が出てくる。その汗も顔から首、腋の下まで出ることもあれば顔にじんわり汗をかく程度の時もある。
スポット的に数回ならなんてこともないが、長期間続くと滅入るものだ。


夏場は特に参った。マスクが変色するほど汗をかくのだから。メンズ用の汗拭きシートには助けられた。少しきつめのメントールがホットフラッシュ熟女には大変気持ちが良かった。真冬の今もバッグにはメンズ用メントールきつめのボディシートは必需品である。


また、現在歯科治療中でもあるのだが、タモキシフェンは骨密度が低下するかもということを全く意識しないでいたために歯科医に抜歯治療(一度抜歯して戻す治療)を提案されたが薬の話をして違う治療法に変えてもらった。


このようなところで影響があるとは思っていなかったのだが、ツイッターで同病のフォロワー(医療従事者)がホルモン剤飲んでる間は歯科治療はなるべくしないとつぶやいているのを見て「え!」と声を出して驚き、誤ったタイミングで歯科治療を始めてしまったかも、と落ち込んだものだ。
しかし可愛い甥っ子に「なんで口の中に銀色があるの?」と指摘されてしまったので気になっていた銀歯を白くするのは今しかないわけで、まあ受け入れるほかはないのである。


肝心の生理そのものはタモキシフェンを服用し始めてからも以前と変わりなく毎月ほぼ周期も乱れずにお出ましだったのだが、ここ数か月でようやくと言っていいのか乱れ始めた。
来たり来なかったり来ても短い滞在でお帰りになる。楽と言えば楽なのだが、来ないとなると寂しさが募る。もうあんな男と別れたいと思っていたのにいざ別れ話をすると未練が募って帰ろうとする男の足首を掴んですがっているような状況である。


ホルモン剤の副作用でツイッターでも最も見かけるのが「太った」なのだが、それってホルモン剤の副作用かもしれないが、結局は食べてるってことでは?と冷たく眺めていたのだが、今現在食べたくて食べたくてたまらない毎日と戦っている。
本当に食べたい。あれもこれも食べたい。しかし術後の体重管理は再発予防のために絶対必要なので、太るわけにはいかない。しかし食べたいのだ。心底困っている。


人によっては病気したから体重管理をしっかりしていきたいというタイプもいれば、病気しちゃったし大変な治療を経験したからもう太っちゃっても好きな食べ物を我慢しないというタイプもいるようだ。
どちらの気持ちもとてもわかる。


食べても太らない、身体に悪いものが溜まらない、再発しないの確約するよという抹茶の美味しいケーキでもあったら爆発的な売り上げとなるだろうから誰か開発して欲しい。


こうしてホルモン剤の副作用というか俗物的な思考と戦いながら日々を送っている。残り3年半の服用、頑張るぞい!


つづく


※次回【Vol.27】は2023/1/13公開予定です。




※この記事はケビ子さんの体験に基づいて書かれており、2021年12月当時の情報をもとにしています。
治療等の条件はすべての方に当てはまるわけではありません
カモチ ケビ子
43歳で結婚、47歳で乳がん。
心配性の夫、奴さん(やっこさん)はなぜか嬉しそうに妻の世話を焼いている
Instagram(@kbandkbandkb)ピンクリボンアドバイザー(初級)資格保有

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