前回の「奶皮子（ナイピーズ）タンフル」に続き、中国の流行スイーツのお話です。
ちょうど一年前、私は思い立って真冬のハルビンに単身旅立つという行動に出ました。
ハルビンは中国の最北端にある黒竜江省の都市。
ハルビンは中国の最北端にある黒竜江省の都市。
地図を見るだに寒そうだな〜という位置にありますが、真冬のハルビンが実際どれくらい寒かったかというと：
●大河が凍る。川岸を歩いていると思ったら凍った川の上にいた。
●肌の露出は凍傷への特急切符。
●寒さで出た涙が凍ってまつ毛について前が見づらい。
●外から室内に入ると、脳の血管が急激に開いて頭痛が酷い。
●持ち歩いていた水がスムージー状態になる。
●肌の露出は凍傷への特急切符。
●寒さで出た涙が凍ってまつ毛について前が見づらい。
●外から室内に入ると、脳の血管が急激に開いて頭痛が酷い。
●持ち歩いていた水がスムージー状態になる。
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真っ白な大河と大地。
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気がついたら川の上を歩いていた。
大陸の寒さはソウル生活で慣れっこと思っていましたが、すみません、舐めてました。すぐそこがシベリアという大地の冷気は、油断したら冗談抜きで凍死します。
さて、ここで皆さんにクイズです。
さて、ここで皆さんにクイズです。
そんな極寒の地、ハルビンの名物グルメは何でしょう！？
ホカホカのお鍋？
それともカプサイシンパワーの激辛料理？
（タイトルでネタバレしていますがお付き合いください）
ノンノン！答えは！
冷え冷えのアイスキャンデー！
Oh～、どうかしてるぜ～ ╮(°A°`)╭
そのアイスキャンデーがあるのは、ハルビンの目抜き通り「中央大街」。中国語で「马迭尔宾馆（馬迭爾賓館）」と書く、「モデルンホテル」です。
中央大街にはもちろん初めて行きましたが、このモデルンホテル、初見ですぐに分かりました。
だって、
だって、
この人だかり！
この日の気温、マイナス20度ですよ！
それなのに、みんな嬉しそうにアイスキャンデーをほおばっているのです！
それなのに、みんな嬉しそうにアイスキャンデーをほおばっているのです！
売り子さんの手元を見て、さらに驚愕。
む、剥き出しで売ってるーーー！！！
外気温が冷凍庫より低いので、アイスキャンデーが溶けないんですね……。これぞエコだわ、SDGsだわ！！
中国版Wikipediaの百度百科によると、ハルビンに来てモデルンホテルのアイスキャンデーを食べないのは、北京に行って紫禁城を見ないのと同じくらい損してるらしい。そんなに！？
私はハルビン到着初日にここに来て、言葉を選ばずにいうと「この寒さの中でアイスキャンデー食べるなんて、みんな揃って頭おかしいんじゃないのー？！」とドン引きし、その日は食べずに通過したのですが、ハルビン最終日、名物を食べずにガチ中華ウォッチャーは名乗れんじゃろ、と使命感に駆られて再訪しました。
アイスキャンデーのフレーバーは、オリジナルに加え、コーヒー、ココナッツ＆マンゴー、ゴマ、ドリアン、ピーナッツ＆黒スグリなど、かなりのバラエティがありましたが、初めてなのでオリジナルで。
バッチリ防寒してきたとはいえ、気温は相変わらずマイナス20度。アイスを口にこわごわと運びます。
すると、あら不思議。
どんなにちべたいかと思いきや、大して冷たくない……。
ミルクの味はするのですが、ほとんど冷たさを感じないんです。アイスじゃなくて生クリーム食べてるみたい。
どんなにちべたいかと思いきや、大して冷たくない……。
ミルクの味はするのですが、ほとんど冷たさを感じないんです。アイスじゃなくて生クリーム食べてるみたい。
突然ですが、「不感温浴」ってしたことありますか？
34度～37度くらいのお湯に浸かることをいうのですが、水温と体温がほぼ同じなので、熱さも冷たさも感じなくて、なんとも妙な感覚なのです（私は東京・大井町の「おふろの王様」で入りました）。
34度～37度くらいのお湯に浸かることをいうのですが、水温と体温がほぼ同じなので、熱さも冷たさも感じなくて、なんとも妙な感覚なのです（私は東京・大井町の「おふろの王様」で入りました）。
外気温マイナス20度でアイスキャンデーを食べて思い出したのが、まさに「不感温浴」の感覚。温度差をほとんど感じない。口の中までも冷え切っているからでしょうか？？
これはちょっと予想外でした……。百聞は一食にしかずとはこのことだわ。
これはちょっと予想外でした……。百聞は一食にしかずとはこのことだわ。
「モデルンホテル」は1906年にユダヤ系ロシア人が創始したホテル。このアイスキャンデーも開業当時からあるらしく、百度百科によると一日に一万本を売り上げるそう。
オリジナルのミルク味は、日本のアイスクリンを思い出すさっぱりとした甘さで、アイスキャン“ディー”ではなく、アイスキャン“デー”と呼びたくなるレトロさが、とても美味しかったです。
アイスを食べた後は中央大街をお散歩。19世紀後半からロシアの支配下に置かれたハルビンは、「極東のパリ」「東洋のモスクワ」と称される西洋風の街並みが特徴。特に歩行者天国になっている中央大街は「映える」と大人気で、中国国内からの観光客でいっぱいでした。
この季節は、「ハルビン氷祭り」が開催中で、街を挙げてのお祭り騒ぎでめちゃくちゃ楽しい！中央大街もキラキラと輝いていました。
「モデルンホテル」のアイスキャンデーは、ハルビン空港の売店にも売っていたし、揚州という上海に近い都市にも売っていたので、わりと全国展開しているのかも。でも真冬のハルビンで食べてこそ！な気もするので、我こそはと思う方はぜひお試しください。
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