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石田ゆり子さんか天海祐希さんか。50代以降、上手に年齢を重ねるためにあなたが目指すのはどちら?

本誌で好評連載中の、美容ジャーナリスト・齋藤 薫さんから悩める40歳へおくる、美と人生への処方箋。今回は、石田ゆり子さんと天海祐希さんをお手本に考える、大人を魅力的に見せてくれる魔法の形容詞「カワイイか、カッコいいか」について。

大人の女が進むべきタイプ、究極の二者択一

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 正直言って女には、50代から先、年齢を重ねていく上での明快なお手本がこれまでなかった気がする。もちろん、素敵に歳を重ねている人はたくさんいる。生き方や精神面でお手本となる人も。でも一般の女性が女性として、どうやって歳を重ねていくべきか、形としての指針が見当たらなかった気がするのだ。
 例えば夏木マリさん、萬田久子さんなど、この人だからこうやって歳を重ねられるのだというスペシャルな大人は、個性的すぎて真似ができないし、1つの奇跡として吉永小百合さんや岸惠子さんがいるが、決定的にリアリティーがなかった。だからこんなふうに自分も年齢を重ねていきたい、重ねていけるかもしれないと思わせた最初のアラフィフが、石田ゆり子さんだったのだと思う。
 それは何より、アラフィフでこの透明感が保てること、こんなにナチュラルな愛らしさを持てること、しかも上品で知的でしとやかに見えるのに、こんなにキュートって、ともかくそのバランスがすごいと、女性たちを感動させた。何か人を驚かすほど若いと言うより、ある意味、普通なのに、この年齢が諦めていたものを事もなげに叶えてしまう、普通に凄いこの人こそ、私たちが歳を重ねていくお手本と、多くの人が気づいたのである。
 そしてもう一つ、石田ゆり子さんは大切なことを教えてくれた。50代以降上手に年齢を重ねるためには、ただ単に「若く美しい」と言う漠然とした目的だけではいけない。形容詞を持つこと。それも「カワイイか、カッコいいか」、どちらかの二者択一。どんな女性も体型や顔立ち、ファッションの好みでどちらかに当てはまるはず。宝塚の女役か男役か、どちらがすんなり収まるのかといった二者択一と同様、「カワイイか、カッコいいか」を自ら選んでみて欲しい。この2つの形容詞は、言ってみれば加齢をカバーする雰囲気を生み、大人を魅力的に見せてくれる魔法の形容詞。極端な話、可愛らしいおばあさんやカッコいいおばあさんがいるように、2つの方向性はエイジングさえも素敵に見せてくれるのだ。

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