美容ジャーナリスト 齋藤薫
歳をとること=清潔感を失うこと。
だから今から始める「毎日3つ、清潔感を作って出かける」美習慣
美しさとは、すなわち清潔感である……かつてそう気づいたのは、安室奈美恵と、いわゆるアムラーの違いについて考えた時。安室奈美恵は例え髪が赤くても、ウルトラミニでも、底上げブーツでも、どんな時も全身の隅々までが清潔感に溢れていた。でも、失礼ながらその大切なことに気づいていないアムラーが少なくなかったのだ。かくして清潔感が美しさの生命線であることを、教えてくれた人は、その約20年後、40歳で引退していく最後の日まで、その清潔感を保っていた。だから有終の美は、なおさら奇跡的なまでに尊い輝きを放ったと言っていい。
残念ながら人は、年齢を重ねるほどに、美しさの生命線である清潔感を少しずつ失う運命にある。肌から、髪から、体型から、声から、そして気持ちも含め、全身のあちこちから 清潔感が奪われていくのだ。それが老化であると言ってもいい。哀しいけれど、清潔感の分だけ人は若さと美しさの両方を失っていくのだ。
だから逆を言えば、究極のアンチエイジングとは、失われた清潔感を改めて加えること。やみくもなエイジングケアより具体的な清潔感を新たに1つずつ加えていく方が、人ははるかに若々しく美しく見える。私生活でも美しい暮らしを営み、体の中まで浄化された人に見えるから。
でも一体どうやって? 「失った清潔感を取り戻そう」と考えると、とても大掛かりなことのように思えるが、清潔感も色々。小さな清潔感を1つずつ加えていけばいい。難しいことではないはずなのだ。
トラブルのないきれいな肌。白目の白い澄んだ瞳。白い歯と端正な歯並び。ツルツルの美しい髪。贅肉のない、セルライトのない体。それらは、誰が考えてもわかる清潔感の形、ではそこに共通するものとは何なのだろう。 1つにそれは、“新しさ”に他ならないが、厳密に言うとその新しさは"若さ”とは別もの。年齢を重ねても手に入れることができるもの。白目の白い澄んだ目は、確かに少女の瞳のようだけれど、50代だって60代だってキープできる。まずはそうやって"若さ”とは別の"新しさ”を意識して作ってみて欲しい。
その新しさ、「生命感」と言い換えても良いが、細胞そのものがキラキラきらめいて、肌も瞳も笑顔もキラキラ輝いて見えること、その光こそ、清潔感の正体。イキイキと生きていることが見た目にも相手に伝わっていった時、そこに清潔感が溢れ出す。それも“命の新しさ”に他ならないのだ。考えてみてほしい。疲れた顔。不機嫌な態度。やる気のない印象。それらはいずれも清潔感に反してる。生命力ある人からは生まれないものだから。逆に笑顔や元気や前向きさは、イキイキ生きている証。見ていて心地の良いものは、全て清潔感と考えていいのだ。
一方に、「気血水」という言い方がある。これは人間の生命活動に必要な3つの要素で、「気」はエネルギー。「血」は血液。「水」は体液。これらが体内できちんと働くこと、それがイキイキ感の条件と言ってもいい。だからこそ「気血水」の良循環もまた清潔感の正体。気力が目に見え、サラサラの血が巡り、また見るからに水を感じさせる人こそが、存在の清潔感を見せつけるのだ。
でも、体ごと、命を丸ごと、イキイキさせなければいけないなんて、やっぱりとても大掛かり……そう思う人もいるかもしれないが、清潔感も色々、と言ったように、たった今この場で簡単に作れる清潔感もたくさんあること、知って欲しい。これから8つの清潔感をご紹介するが、それらは今すぐに、ほんの一瞬で作れる清潔感も含め、今日の外出にも持って出かけられるものがほとんど。だから、毎日3つずつ、清潔感を持って出かけて欲しい。それだけで、あなたは昨日より美しい。清潔感は大小を問わず、そこまで美しさの命なのである。
-
今すぐ、始めたい!毎日、清潔感を育てるための8のアイデア【前編】
齋藤薫流「大人のための清潔感作り」は、忙しいアラフォー世代も毎日の生活の中で気軽に簡単に取り入れられる習慣
-
今すぐ、始めたい!毎日、清潔感を育てるための8のアイデア【後編】
齋藤薫流「大人のための清潔感作り」は、忙しいアラフォー世代も毎日の生活の中で気軽に簡単に取り入れられる習慣
-
大人になるほど肌は清潔感のバロメーターに。美白ケアは守る&浄化からスタート!
【STEP1&2】清潔感のある肌を作る “透明感の積み重ね”ケアのススメ。だからこそ、アラフォーは、毎日のスキンケアが大事に
-
夢のアンチエイジング時代がやってくる。アラフォー世代よ、謳歌せよ【齋藤 薫エッセイ】
本誌で好評連載中の、美容ジャーナリスト・齋藤 薫さんから悩める40歳へおくる、美と人生への処方箋。今回は、「美容の進化上、マリソル世代が最も得をしている」というお話。
-
心優しい女か、気の強い女か? 幸せになる、究極の選択!【齋藤 薫エッセイ】
本誌で好評連載中の、美容ジャーナリスト・齋藤 薫さんから悩める40歳へおくる、美と人生への処方箋。今回は、『風と共に去りぬ』から学ぶ、“女性の強さと優しさ”のお話。