よしの女性診療所院長 吉野一枝先生
A.更年期症状の重い・軽いには遺伝性はありません
「母親とは卵巣機能が似る傾向があり、乳がんや卵巣がんなど女性ホルモンに関する病気は遺伝する可能性がありますし、閉経時期も母親と似る傾向があります。しかしながら更年期症状の重い・軽いは生活習慣や生活によって変わり、遺伝はまったく関係ありません」
A.出産経験と更年期症状の度合いには関係がありません
「"私は独身で出産経験もないから更年期症状が重くなるに違いない"などという思い込みはやめましょう。どんな人でも加齢とともに女性ホルモンの分泌量は低下していき、誰にでも更年期は訪れます。出産経験の有無によって症状に差が出ることはありません」
A.ホームページなどで更年期症状に強いところを選んで
「お産がメインの婦人科ではゆっくり話を聞いてもらえない場合が多いので、ホームページなどで調べて更年期症状に強いところを選びましょう。メンタルの不調が強い場合はカウンセラーがいるクリニックを選ぶといいですね。また、通いやすさも重要な要素。相性のいい婦人科を見つけて年1 回検診を受けておくと病気予防にも◎」
A.生理痛の重さと更年期症状の重さには相関関係なし
「月経痛と更年期症状には相関関係はなく、月経痛が重いからといって更年期症状が重くなるわけではありません。月経痛が重い場合は、子宮内膜症などの病気が隠れている場合があります。無理に我慢したり、軽視したりせず早めに婦人科を受診しましょう」
A.ときめくと女性ホルモンが増えるというのは都市伝説
「韓流スターにときめいたり、恋をしたり、セックスをしたりすると女性ホルモンが増えるというのは都市伝説。ときめくと脳内のアドレナリンが増えたり、自律神経のうちの交感神経が優位にはなりますが、その程度のことで女性ホルモンは増えたりしないのです」
A.後ろにずれるだけで長引くことはありません
「閉経は遅い人では57〜59歳ごろで迎える人もいます。ただ、更年期というのは閉経をはさむ10年間のことなので、更年期症状も後ろにずれるだけで長引くことはありません。それ以降の年齢で不調が出たら、それはほかの原因で起こっていると考えられます」
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