フィットネストレーナー 森拓郎先生
自身のスタジオ『rinato』にてボディメイクやダイエットを指導。『オトナ女子のための食べ方図鑑』(ワニブックス)などダイエットに関する著書も大人気。
■食事制限+激しい運動は アラフォーはやっちゃダメ!
アラフォーになり、以前よりやせにくくなったと感じている人は多いと思うけれど、果たしてその理由とは? フィットネストレーナーの森拓郎先生にうかがった。
「体の筋肉は、30歳以降から1年に約1%ずつ減っていきます。筋肉は体を動かすだけでなく内臓を動かす役割もあり、減ると代謝が低下します。また、加齢とともに内臓や皮膚や骨などの新陳代謝のスピードも低下。そのためエネルギーの処理能力が落ち、若いころと同じものを食べていても体内でエネルギーが余りやすくなります。それにもかかわらず、若いころより食事内容は贅沢になりがち。その一方で運動量は減っていくので太りやすくなるのです」
そこで必要なのがダイエットだが、間違った方法で行っている人が多いのも問題だとか。
「やせようと思うと食事制限と激しい運動を組み合わせる人が多いのですが、これは一番悪いやり方。特に有酸素運動を組み合わせるのが最もダメ。ただでさえ代謝が落ちているのに、食事を減らすと代謝に必要な栄養が入ってきません。カロリーを減らすことばかり考えてサラダ中心の食事にしたりすると、筋肉を作るタンパク質が不足して代謝が低下。
そのうえ激しい運動でエネルギーをどんどん消費すると、代謝に必要な栄養が枯渇。アラフォーは女性ホルモンが減り始める時期ですが、栄養不足だとそれが加速し、やつれたり、肌ツヤが失われたり、更年期が早く来ることもあるので要注意」
ダイエットをしていても、間違った方法で行っていたら効果なし! 森拓郎先生がすすめる正しいアラフォーやせの秘けつを、さらに詳しく解説!
ダイエットの前に、まず自分の肥満レベルを知ることが重要と森先生。「まず肥満度を示す数値のBMIを出してみましょう。BMIが25以上なら肥満なのでダイエットが必要。ただ、適正の場合でも体脂肪率が30%以上なら筋肉が少なく体脂肪が多い"隠れ肥満"。こんな人は体重を減らすことばかりに躍起になると、筋肉を落としてますますやせづらくなるので注意」
☆BMIの出し方体重(kg)÷ {身長(m) × 身長(m)}
ex:【身長160cm、体重57kgの場合】 57 ÷ { 1.6 × 1.6 } = 22.26 → BMIは22
代謝アップに不可欠なのがタンパク質。「タンパク質の1日の必要量は体重1㎏あたり1g。体重50㎏なら1 日50gが必要。毎食、肉や魚などを手のひら1枚分を目安にとりましょう。卵は1日5個食べてもOKですし、大豆製品もおすすめ。タンパク質を十分にとっていても糖質や脂質の量が上回っていたら意味がないので、タンパク質の割合を増やして」
【その3】カロリーしか考えない 食事制限は代謝を落とす
やせようすると摂取カロリーを減らすことばかり考えがちだけどこれがNG。「カロリーを抑えようとして、例えばカロリーゼロの食品と野菜だけといった食事をしていると、タンパク質など代謝アップに必要な栄養が不足し、やせにくくなるか、やせてもげっそりするだけ。とりすぎはいけませんが、食事は減らさず栄養をきちんと補うことがやせる近道」