2020年4月8日

今までかまわなすぎたツケ？きれいに対する手間・お金のかけ方を知りたい【40代のエロスとヘルス神崎恵×小田切ヒロ大人のカウンセリング室】

“老い”に歯止めをかけたい女性から相談です。小田切さんの答えは？

「親身な回答がしみる」と評判の「大人のカウンセリング室」。神崎恵さんと小田切ヒロさんのおふたりが、交代で読者のお悩みに答えます。

お悩み：「キレイと手間と経済と」

　思えば、これまで自分に関してあまりお金も手間もかけてこなかった気がします。でも若さがあったのと、もともとの肌が強かった（？）せいか、かまわなくても、それなりの＂キレイ＂は保てていたと思います。が、そのツケなのか、最近、急激に自分の外見の＂老い＂を感じるようになってきて、そろそろ今までより時間もお金もかけて、スキンケアやメイクをしなくては、とあせり始めました。とはいえ、子育てや仕事で毎日が忙しく、美容にかける時間を捻出する余裕がありません。また経済的にも、共働きですので困窮しているというわけではないけれど、まだ子供も小さいし、そこまで潤沢にお金をかけられないというのが本音のところです。いったいどのあたりまで手間暇とお金をかけたら、目下気になっているこの＂老い＂に歯止めをかけられるのでしょうか？　キレイに対する手間・お金のかけ方が知りたいです。ぜひ、いいアドバイスをお願いします！
（41歳・会社員・既婚・子供１人）

回答者はこの人！小田切ヒロさん

ヘア＆メイクアップアーティスト。LA DONNA所属。メイクの美しさはもちろん、小顔テクニックにも定評あり。近著の『美容中毒』（幻冬舎）大好評発売中！

■小田切ヒロさんの回答：「生活の“あたりまえ”をきちんとすることから始めて」

　このかたは、キレイになることを特別なことだと思っているんでしょうね。特別なことだから、今の自分にはできないと。
　でも、キレイになるための一番簡単な方法は、今の生活の質を上げること。食生活でいえば、オリーブオイルを若干いいものにするとか、卵を少しだけランクアップするとか。睡眠では、ベッドのシーツを質のいいものにするとか。お金を出せる範囲で、少しのアップグレードを積み重ねてみるのがひとつ。

　それから今まで夜12時に寝ていたとしたら夜11時に寝る。水をこまめに飲む。ごはんの時、サラダから食べて、ゆっくり嚙む。朝、白湯を飲む。呼吸を深くする。姿勢を正す。つまりは行いを正して、ルーティンの質を高める。あたりまえのようだけど、こういうことをちゃんとやったことありますか？　できないのを忙しさのせいにしてちゃダメなんです。
　体質改善をして体が楽になれば、体＝心だから、思考だってポジティブになって、悩みが悩みでなくなります。生活習慣を見直して、老いを受け入れながら遅くするのが、結局はキレイの早道です。

　また、老いを食い止めようと特別なことをすると、かえって体が疲労を起こす場合もあるし、結果が不自然になるケースも。美容整形とかね。それに安直に手に入れた若さはすぐに崩壊するってご存じ？　お金で簡単に手に入る美は脆もろいんです。反対に、自分で時間をかけて手に入れた美しさは裏切らない。そうやって“老い”に向き合うことは、自分を愛でること。自分だけでなく、家族を愛する気持ちも生まれるから、まわりの人も幸せになると思います。

　僕が若くて、アシスタントをやっていたころは、時間もお金もありませんでした。でも、撮影現場などで情報はたくさん入ってきます。そこで例えば「マッサージってこうやるんだ！」と知ったら、見よう見まねで挑戦してみたり、本でも勉強したり、白湯を飲むのがいいと聞いたら、実行してみたり。こうやって工夫しているうちにお金をかけなくてもキレイになれるとわかってきました。このかたも自分の中でのオリジナルの方法を見つけることが大切かも。

　特に年齢を重ねてくると、美容＝健康。健康はキレイの大前提。老いの速度はそれぞれだけど、思考をチェンジして、徐々に健康にシフトして。ヘルスの方向に行きすぎると、不思議な“健康おばさん”になってしまうけど、健康に重きを置くほうが賢いと思います。ちなみに僕は、健康：美容＝9：1。だって、一見キレイでも、健康でなければ、美しくもなければ、楽しくもない。

　確かに、少し変わった美容法を試すほうが楽しいという面があるのは理解できます。けど、ちゃんとしたものを食べて、ちゃんと寝て、ちゃんと生活をしていると、それだけでキレイになれる。まずはその原点に立ち返ってみてほしいですね。