長田杏奈・バームリップをまとうことが心のペースメーカーになる【今、美容がくれる力】

美の賢者たちがこの数カ月感じたこと、頼ったコスメと共に

ライフスタイルががらりと変わり、試行錯誤な毎日。女性としてのマインド、日々のモチベーションに気づきを与えてくれるのは、やはり「美容の力」ではないか?マリソルの美のオ-ソリティたちが、今を生きる女性たちへ キレイと心に効く、緊急メッセージを寄せてくれた。

美容ライター 長田杏奈

美容ライター 長田杏奈

オリジナルな目線で切り込む美容記事が人気のライター。美容にとどまらず、広く女性の生きやすさを考えた情報発信を続けている。著書に『美容は自尊心の筋トレ』

家にいてもマスクでも。私のために塗るバームリップ

 近ごろ、私たちの下半顔はたいていマスクで覆われている。コロナ禍における消費動向を報じるニュースによれば、メイクアップ製品、とりわけリップが売れないのだという。確かに、なるべく外に出ず人にも会わない日々が続いたし、売り場にも行けないしテスターも試せないこの状況。暮らしや経済の不安もある中で、新色のリップが不要不急とされるのも仕方ない。しかし、義務やマナーとしてのメイクが存在価値をグラつかせているこの時期に、純粋に自分がうれしくなるためだけにリップを塗るということは、私にとって誇らしくてヘルシーな行為だった。

 このステイホーム期間中、オンライン会議でモニター越しに見る仕事仲間の顔がいつもよりツヤツヤしていることに気がついた。いつも夜遅くまでオフィスで粘っている彼女たちは、ふだんよりよく眠れていることや食生活が整ったこと、夜遅くまでメイクしっぱなしで寝落ちせずにすんでいることなどを、口々に教えてくれた。また、家で過ごす間にこれまではなんでもなかったちょっとした違和や不快を見過ごせなくなった人も多く、「もうノンワイヤーブラしかつけたくない」「ピアスが重く感じる」という声を聞いた。私の場合、リップを選ぶ感覚がいつもより繊細になった。マスクの裏地やマグカップの飲み口に色移りした鮮やかな痕跡を場違いに感じたり、マットリップの膜感と唇の動きの微妙な誤差が気になったり、ティントリップで「想定より染まった」みたいな些事に気分が曇ったりした。

 そんな中でも、毎日お守りのように塗っていたのがランコムのラプソリュ マドモワゼルバーム 010だ。朝、日焼け止めを塗っただけのすっぴんに、シアーなアプリコットカラーのリップをさす。鏡で見る自分の顔が健やかであることに、元気づけられた。スーッとしたメントールの清涼感も楽しくて、平坦な日々にメリハリを取り戻すような頼もしさがある。家をベースに過ごす日々にふさわしいリラックス感と、少しだけ背すじをシャンとさせてくれる適度なリフレッシュ感を兼ね備えたこのリップは、早起きしてするラジオ体操と同じくらい、ステイホーム生活にリズムをもたらすペースメーカーとなった。緊急事態宣言が解除され、なんの疑問もなく原状回復を目ざす勢力もあるが、そのペースに巻き込まれないように少しだけ距離を置く。私生活を犠牲に、感覚を麻痺させて社会に合わせるのはもうイヤなんだ。心地よさに敏感なこの感覚を保ったまま、個人に優しい社会生活を模索したいのだ。いつか見失いそうになっても、このリップを塗ればきっと思い出せる。



私に力をくれたコスメ

【ランコム ラプソリュ マドモワゼルバーム 010】

等身大の自分でいられる透け発色のリップバーム

「素唇の自然なボリュームや艶を引き立てながら、うるおいとほどよい清涼感をプラスするシャーベットカラーのバームリップ。健やかな血色感がチアフルな表情美を演出する010のフレッシュ アプリコットは、塗るとニコニコしたくなる大人の"印象鮮度"を高める色。無理しない心地よさを教えてくれる、軽やかさが魅力」

美容がくれる力6

ラフ塗りで、ぷっくりとみずみずしい唇に仕上げてくれる。唇をケアしながら、ほのかに染める、唇にも気持ちにも負担なく使いこなせる、この時代だからこそ手にしたい一本。全9 色¥3,800

【Marisol 8月号2020年掲載】撮影/John Chan(物) 構成・文/松井美千代

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