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恋愛は結婚後からでもいい。恋心と婚活のはざ間で揺れ続けたアラフォー女性の心のうち【アラフォー世代のパートナー白書 Part 2】

家族となるパートナーを真剣に求めているアラフォー女性にとって、若い頃のような恋のトキメキはもはや不要? 恋愛感情はパートナー探しの邪魔になるものなのか……? 

婚活友達と一緒に、主戦場を変えてみた!

   

その後もネット上で婚活の旅を続けていた由実さんは、38歳を迎えた頃、主戦場をアプリに変えた。

  

「周囲には同世代の婚活友達がけっこういたんですけど、アプリはその1人にすすめられて。あるアプリに登録したら、最初に10人に“いいね!”マークをつけるように促されるんです。そこで最初にマークをつけたのが、今の夫、サトシくんでした」

  

小さな会社の役員を務める遠藤サトシさん(仮名)は由実さんより1歳年下、当時37歳だった。彼とも1カ月ほどメールをやり取りして、いよいよデートすることに。互いの会社からアクセスのよい、彼の行きつけの赤坂の焼き鳥屋で初めて会った。

  

「正直、ときめきとか色気は全然感じなかったけど、居心地が良かったんです。実は彼は自己PR欄に『10年間彼女がいません!』と記していた変り種。でも女性に対して自然体だし、仕事熱心なのも伝わってきて好印象、話も合うなと。恋愛のはじまりというムードはなかったけど、こういう感じの人なら長く一緒にいられそうだなと感じました」

  

数回ほどデートを重ね、彼から「付き合ってください」との告白を受けた直後、由実さんは、ある条件を告げた。

  

「私の結婚したい意志は固かったので、『最初の6カ月間は週1度は必ず会って、お互いを知る、関係を深める努力をしてください。そして、6カ月後には、結婚に向かっていけるか否かをジャッジしましょう』ときっぱり伝えました。いきなり直接的な要求をしたものだから、彼はうろたえていました。『6カ月は短い。1年はどう?』と提案されましたけど、突っぱねました(笑)。40歳目前の私にとって、1年は長すぎます。大人ですし、半年も真剣に向き合えばわかるはずだと。結局、彼が私の計画を全面的に受け入れてくれました」

  

付き合う前に結婚する意思があるかを確かめる女性は少なくないが、ここまで明確に意志と計画を伝えるとは……強い! 可愛らしく、とても物腰の柔らかい由実さんだが、自分の人生の大事な決断をしっかり伝えるところは、さすが大人の女性だ。

  

「この話をすると、女性は賞賛してくれますけど、男性は一様に『怖い!』って言います(笑)。でも、忙しい大人同士。計画的に会わないといつまで経っても距離も縮まらないし、期限を決めないと、なかなか決断できないのは、過去に経験ずみですから。もちろん実際に、ここまできっぱり言ったら引いちゃう男の人のほうが多いと思う。でも、そこで引く人ならそれまで。縁がなかったんだと思います」

 

恋愛は結婚後からでもいい。恋心と婚活のはざ間で揺れ続けたアラフォー女性の心のうち【アラフォー世代のパートナー白書 Part 2】_2_1
都内の神社にて、結婚式。憧れの角隠しでのぞんだ由実さん

サトシさんとのお付き合いが始まった。

  

「実は、彼はあまり結婚願望がない人だったんですよ。10年間恋人がいないだけあってのんびりしていて。仕事も楽しいし、今のままでいいけど、そろそろ恋人は欲しいなくらいのテンションでした。ただ、願望はなくても、結婚への拒否感もない人なんですよね。『モテたい』『まだ遊びたい』みたいな欲もなくて。仕事さえ自由にやれたら、後はなんでもいいみたいな人だったから、私の計画に乗ってくれたんだと思います」

  

彼のおおらかさや結婚に対するこだわりのなさは、結婚について強い意志を持ち、何事も自分で計画して進めたい由実さんにとって、ベストな相性だったよう。

  

「デートは毎回、私が行きたいところを提案すると、彼は『いいねぇ』と言いながら連れて行ってくれる感じでした。6カ月計画も、結構楽しんでくれていた気がします。6カ月間でジャッジするために、2人でやっておきたいことや過ごしてみたい時間のリストはたくさんあったから、それをゲームみたいにひとつひとつクリアしていきました。『夜ではなく昼もデートしよう』『来週は、旅行。温泉に行こう』とかね。付き合って4カ月目かな。『次は?』と彼に聞かれて、『そろそろ一緒に住む?』と言ったら、『そうだね』とあっさり。“同居して無理がなければ、結婚してもOK”という暗黙の了解のもと、お互いの親にも同居の報告をして、一緒に住み始めました」 

 

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新婚旅行先のハワイの海で

 

同居からさらに4カ月後には入籍を決めた。一般的にはスピード婚の部類に入るが、安定感は抜群で、結婚2年目にして関係性はすでに長年連れ添った夫婦のよう。

  

「今年はコロナでお互いにリモート勤務になったから、広くもない部屋の中でずっと一緒にいますけど、まったく存在が邪魔にならないんですよね。お互い1人が長いし、1人の時間も大好きなのに……。もはや彼は空気のように必要不可欠で、いないと寂しい(笑)」

  

2人がそれほどしっくりきている理由を由実さんは、こう分析する。

  

「アラフォーともなれば、男女とも自分の生活やスタイルが確立しているから、他人との生活は無理だと思いがちだし、実際に他者が入り込むすき間のない人も多いですよね。

でも彼はマイペースだけど頑固じゃないし、子供みたいなスキもある人だから。私のスタイルやこだわりに合わせられるし、2人の生活というものを柔軟に作っていけるのかなと。それでいて、彼は社会人としては成熟しているから、いざという時には頼りにもなるんです。きっと、パートナーってこういうものなんだろうなと思います」

  

由実さんは冷静に、でも、手放しで彼をほめる。今、2人の間に“恋愛感情”はありますか?

  

「どうかな……。たぶん、あると思いますね。でも20代の頃みたいなときめきではなくて、もっとじわっと温かい気持ち。愛着みたいなものだと思います。それは、2人で時間と生活を重ねるにつれて増えている感じです。今は、恋愛しないと結婚できないのではなくて、結婚してから新しい恋愛が育つこともあるんだなって思っています」

  

きっと恋愛感情も多種多様だし、年齢や経験値により増えたり、変化していくものに違いない。20代にとって恋愛とは、甘い夢であり、激しい情熱や欲望。だからこそ、その夢が破れたり、欲望が失われるのと同時に関係も壊れてしまいがちだ。

一方、成熟した大人の恋愛は相互理解による心地よさや、信頼に基づく愛しさを味わえるもの。ならば“パートナーシップ”と“恋愛”の共存は十分に可能だし、結婚してからも恋愛は、きっと育ち続ける。

 

次回は、Part3「キャリアは捨てずに生かすもの。最愛のパートナーとの出会いがもたらした、アラフォーからの理想の人生」を11月23日に公開予定です。

 

芳麗 ● よしれい

芳麗 ● よしれい

人物インタビューやカルチャーコラムを通して、女性の生き方を探究し続けるライター。 様々な雑誌、WEB媒体に寄稿。自著に『相手も自分も気持ちよく話せる秘訣』(すばる舎)、『恋愛リノベーション』(主婦の友社)など。「実は私も晩婚。30代は恋愛こじらせコラムを書き続けた後、45歳で結婚しました!」。
 
https://fafa-yoshirei.com/

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