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【ニッポンのワイン】造り手の想いやストーリーを知ってワイナリーを選べばもっと楽しい

繊細で精妙な味わい。世界に通用する日本ワインをもっと気軽にお家で味わう

風土に合わせて心をこめて造った日本のお酒は、ふだんの食事にぴたっと合うし、私たちの体にすっとしみ込む。ワイン、クラフトビール、日本酒……それぞれの"今"を知れば、もっとおいしいし、おうち飲みが楽しくなる!

※購入できるお酒のビンテージ(醸造年)は、掲載している写真のものと違う場合があります

☆ナビゲートしてくれたのは・・・

フード&ワインジャーナリスト 鹿取みゆきさん

フード&ワインジャーナリスト 鹿取みゆきさん

日本ワインの生産者支援のための研究活動やプロジェクトの企画にも注力し、昨年は「日本ワインブドウ栽培協会」を設立。Pen Onlineで「ワインは、自然派。」を連載中。信州大学特任教授

「北海道や長野を中心に全国各地にワイナリーが増え、その数350軒以上。市場は大いに盛り上がっています。 日本ワイン全体を通して言えることは、渋味も穏やかで香りも味わいも非常に繊細です。バターや生クリームを使った料理より、 野菜主体の軽やかな料理やだしがきいたお料理と合わせやすいものが多いです。 低アルコールなのも今の時代に即しています。

 ワインの味わいはブドウで8割は決まると言われており、近年は、自ら育てたブドウでワインを造るワイナリーが増えています。今回はその中でも、北海道から九州まで、それぞれの土地の個性を表現した魅力あふれるワインを造っているワイナリーを選んでみました。いずれも日本ワインのおいしさが実感できるものばかり。 ネットでの購入も可能です」



☆女性醸造家が手がける世界に通用する

ワイン グレイスワイン(山梨)

ニッポンのワイン1

「世界的にも注目を集める、日本を代表する家族経営のワイナリー。栽培醸造責任者の三澤彩奈さんは、ヨーロッパ系品種のみならず、日本固有品種である「甲州」での、きめこまやかなワイン造りを大切にしている。昨今の品質の安定感は抜群でどれを飲んでもおいしい。おすすめは、クリーンかつフレッシュな果実味でのびやかな酸がキリッとした味わいの『グレイス茅ヶ岳甲州』。三澤さんがフランス留学時代、どんな料理にも合うロゼワインの懐の広さに感銘を受け、それを目ざして造った『グレイスロゼ』も最高」

中央葡萄酒 グレイスワイン:https://www.grace-wine.com/shop/

ニッポンのワイン2

(右)グレイス茅ヶ岳甲州 750㎖¥2,500・(左)グレイスロゼ 750㎖¥2,727




☆人と自然に寄り添い手間ひまかけて造られる自然派

ワインココ・ファーム・ワイナリー(栃木)

ニッポンのワイン3

場所は栃木県足利市。化学肥料や除草剤をいっさい使わず、野生酵母を中心にワイン造りを行うワイナリー。「自家栽培に加え、北海道で開拓したブドウ畑や全国各地の契約栽培農家が育てたブドウを用いるため、多彩な味のワインに出会える。『プティ・マンサン』は感動するほどすばらしい味わいの白ワイン。『北ののぼロゼ』はきめこまやかな泡立ちのロゼスパークリングで、まったりとして奥行きのある飲み心地が特徴。そのほか、¥2,000前後で気軽に飲める『農民ロッソ』や『農民ドライ』も、極めてコスパがいいワインです」

●ココ・ファーム・ワイナリー https://cocowineshop.com/

ニッポンのワイン4

(右)北ののぼロゼ¥5,454・(左)プティ・マンサン¥3,454



☆発想も味わいもユニーク!意欲的な作品を次々
リリース カーブドッチワイナリー(新潟)

ニッポンのワイン5

日本海に面した角田山の麓でブドウを育てることからスタート、レストランに温泉やスパ、さらにオーベルジュも併設する滞在型ワイナリー。「栽培醸造長の掛川史人さんが、ここ3〜4年の間に次々と意欲作をリリースしています。なかでも、特に脚光を浴びているのが『アルバリーニョ』。金木犀や桃のような香りで、ほどよい厚みをしっかりした酸が下支えしており、立体感もある魅惑的な白ワイン。『ファンピー・赤』は、みずみずしく、軽快な味わいのキュートさが魅力。ネーミングどおり、楽しくて親しみやすい赤ワインです」

●カーブドッチワイナリー:http://www.docci.com/

ニッポンのワイン6

(右)ファンピー・赤¥1,800・ (左)アルバリーニョ¥4,200



☆北海道の大自然で生まれる体に優しいワイン
さっぽろ藤野ワイナリー(北海道)

ニッポンのワイン7

"できるだけ農薬を使わず、体に優しいワインを造る"を信条に、良心的な価格で、魅力あふれるナチュラルワインを次々とリリースする札幌市郊外にあるワイナリー。「スパークリングワインからスティルワインまで幅広くラインナップ。三笠市の信田農場で育ったバッカス種を用いた天然酵母の力でゆっくりと時間をかけて発酵させた『バッカス』は、花のような香りがかぐわしく、果実味が堪能できる辛口の白ワイン。一方、『三氣の辺ツヴァイゲルトレーベ』は、渋味は穏やか。みずみずしい飲み心地の赤ワインです」

●さっぽろ藤野ワイナリー:http://www.vm-net.ne.jp/elk/fujino

ニッポンのワイン8

(右)バッカス¥3,000・(左)三氣の辺ツヴァイゲルトレーベ¥3,200



☆独自の思想と製法で唯一無二の味わいを確立
都農ワイン(宮崎)

ニッポンのワイン9

九州・宮崎にあり、恵まれているとは言いがたい気候条件のもと、工場長である赤尾誠二さんらが、新しい品種への取り組み、長年にわたる土作りなど、既成概念にとらわれずに、果敢に挑戦を続けるワイナリー。それでいて、価格設定は極めて良心的でお買い得なワインも多い。『牧内アンウッディド シャルドネ』は、自社農園で栽培したシャルドネの魅力を堪能でき、果実味、酸、わずかな渋味のバランスが最高。今、海外で爆発的に増えている『Bag in box』タイプは、酸化しにくいうえ、コスパがいいのも魅力です」

●都農ワイン:https://tsunowine.shop/

ニッポンのワイン10

(右)牧内アンウッディド シャルドネ¥2,380・(左)キャンベル・アーリー ドライ Bag in box¥3,780



☆トップソムリエが太鼓判を押す長野ワイン

ヴィラデスト ガーデンファーム アンド ワイナリー(長野)

ニッポンのワイン11

エッセイストでもある玉村豊男さんが創業したワイナリーは、北アルプスや千曲川を望む景観がすばらしいレストランやカフェも充実。「標高850mの冷涼な気候を生かし、小西超さんを中心に栽培・醸造されるワインは、世界のトップソムリエから"ブルゴーニュのワインに匹敵する"と称賛されるほど。ピノ・ノワールとともに注目したいのが『八重原メルロー』の赤ワイン。ベリー系の風味で、凝縮感と深みを持ち合わせる。長野県でも栽培農家が増えつつある『ピノ・グリ』は、酸がきれいに溶け込み、和食にも合わせやすい」

●ヴィラデスト ガーデンファーム アンド ワイナリー:https://villadest.shop-pro.jp/

ニッポンのワイン12

(右)八重原メルロー¥3,300・ (左)ピノ・グリ¥3,300

【Marisol10月号2020年】イラストレーション/まるやまひとみ 取材・文/広沢幸乃

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