【今月のお悩み】セックスレスのストレスで、 ついむだ遣いをしてしまいます
(和歌山県・さとみ・42歳・会社員 趣味/読書、絵画、映画&音楽鑑賞)
☆辛酸なめ子さんの回答
☆みうらじゅんさんの回答
初めてデートをしたころを思い出して ダンナさんに優しく、甘えてみては?
さとみさんは、ダンナさんとセックレスになったのは「自分に魅力がなくなった」からではないかと悩んでいらっしゃいますが、それは違うと思いますよ。セックスレスの原因は、主に、ダンナの精力が減退しただけのことです。
女性はとかく「男はみんな、いくつになってもセックス大好き」と思われているかもしれません。事実、いくつになってもお盛んな男性はいますが、それは絶倫と言って特別なケースです。大半の男は、若い時はガツガツしていても、歳を取ると徐々に枯れていくもの。「丸くなったね」とまわりに言われるのはそのことです。
ですから、さとみさんに誘われてもなかなかその気になれない。がっかりするさとみさんを見て、ダンナさんは妻の要求に応えられない自分がとても不甲斐なく思ってらっしゃることでしょう。そんなことが6回も続けば、すまない気持ちを超えて「恐怖」すら感じ始めるようになります。
男にとって、性欲の一番の敵は恐怖なんです。しかも、女性に比べて男は実際、恐怖に弱いものです。吊り橋とかに出くわして、うっかり足もとを見ようものなら、アソコが縮み上がるようにできているんです。
セックスレスで悩んでいると、例えば「セクシーな下着をつければ、夫をその気にさせられるかも」と思うかもしれません。確かに、夫婦ともに「もっと刺激が欲しい」と考えているならそれも効果的でしょう。でも、夫の性欲が減退している場合、セクシーな下着は逆効果となります。その気合いの入りように圧倒されてしまうというか、それほど渇望している姿に恐怖を覚えてしまうんです。
想像にすぎないですが、さとみさんのダンナさんも、さとみさんが新しいマニキュアを買うたび「マニキュアで誘われているんだろうか。そんなにしたいのか……」って心臓をバクバクさせておられるのかもしれません。さとみさんにそのつもりはなくても、ダンナは常に「すまない」と思っていますから、過剰に反応してしまうんです。
ここはまず、ダンナの恐怖感を取り除くことから始めましょう。もし、それでも断られたら、「だって私、あなたとしたいんだもん」って、ちょっと可愛らしく言ってみるのはどうでしょう? それだけでダンナさんの気持ちはずいぶん軽くなるような気がするのですが。
あるいは、いきなりじゃなく、ほら、付き合い始めたころのように、まずはイチャイチャしてみる。例えば手をつないで一緒に買い物に行くのもいいと思いますよ。刺激を与えるより、そんなふうに初心に立ち返られたほうが自然で、ダンナには効くんじゃないでしょうか。下着やマニキュアに凝るより、初デートの時に着たような服を着てみるとか。まどろっこしいようですが、案外、ダンナのほうから誘ってきたりするかもですよ。それはセックスレスじゃなく、リセックスと呼びます。
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みうら・じゅん●イラストレーターなど。「マイブーム」「ゆるキャラ」ほか多くのブームを生む。近著に『みうらじゅんの松本清張ファンブック 清張地獄八景』(文春ムック)、『ひみつのダイアリー』(文春文庫)など
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しんさん・なめこ●漫画家、コラムニスト。巫女的な感性であらゆる事象を取材。近著は『タピオカミルクティーで死にかけた土曜日の午後 』『愛すべき音大生の生態』(ともにPHP研究所)など
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