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アラフォーがよりよく生きるために心がけたい4つのこと【産婦人科Dr. 高尾先生の〝心と体が軽くなる〞カウンセリング室】

女性の心と体を楽にするアドバイスで、テレビなどでも大人気の産婦人科医の高尾美穂先生が、アラフォーの体の変化に伴うお悩みお答えします!

産婦人科Dr. 高尾先生が、マリソル読者のさまざまな悩みにズバリ回答! 婦人科系の悩みから、生きる目的などまで、マリソル読者の質問に答えていただいた。ぜひ、参考にして!


☆私が教えます!

産婦人科Dr. 高尾先生

産婦人科Dr. 高尾先生

たかお・みほ●産婦人科医。イーク表参道副院長。婦人科スポーツドクター。ヨガ指導者。NHK『あさイチ』出演時の、女性の体や心の悩みに寄り添ったアドバイスや、生き方などが大反響を呼び、テレビや雑誌などで引っぱりだこに。著書は『超かんたんヨガで若返りが止まらない!』(世界文化社)

体が大きく変わる世代だと知っておくことが大切です

体のことから生き方まで、さまざまな悩みを抱えがちなマリソル世代。まず、アラフォー女性の体にはどんな変化が起きるのかを高尾美穂先生に伺った。
「アラフォーは、仕事に子育てに、親の介護にといった多忙な社会的環境に加えて、体では女性ホルモンのエストロゲンの分泌量が減ってくるという大きな変化が訪れます。それによって、更年期を迎える人も出始め、生理の周期や期間や量がバラつき出します。また、エストロゲンには、血管をしなやかに保ったり、骨を丈夫に保ったり、悪玉コレステロールを減らしたり、肌や髪のツヤを保ったりといった作用があります。その分泌量が減ることで、血管の弾力性が落ちる、血圧が高くなる、悪玉コレステロール値が高くなる、関節がきしむようになる、肌のハリが失われる、髪が細くなったり薄くなったりするといった変化が起き始めます」

   さらに、エストロゲンの減少以外にも変化が……。
「加齢に伴って代謝が落ちてくるうえ、運動量も減るので、今までと同じだけ食べても太りやすくなります。また、しっかりと眠れなくなったりするので、それによってうつなどのメンタルの不調も起きやすくなります」

 こんな体の変化を考えると、気分が滅入ってしまいそうだけれど、どうとらえればいい?
「これらは誰にでも起こる変化です。まずは、これから体が変わっていくんだなということを知っておくことが大事。それだけでずいぶん楽になります。そのうえで、生活習慣に気をつけたり、婦人科を利用したりと、対策はいくらでもあるので、賢く取り入れていくのがおすすめ」

 そんなマリソル世代が、元気で機嫌よく過ごすコツとは?
「なるべく体を動かして運動量をキープすること。また、食べたいものを適量食べること。しっかりと睡眠を取って休むことです。アラフォー女性は特に睡眠が取れていないために、メンタルの不調も招いている人が多数。まずは十分に休むことを第一に心がけましょう。ただし、あくまで自分が快適な状態で、やるべきことをやっていくというイメージがいいと思いますよ」


\アラフォーよりよく生きるために心がけたい4つのこと/

無理をせずできるだけ自分を快適な状態に

「生活習慣に気をつけることが大事ですが、やらなきゃと思って無理をするのは禁物。自分を快適な状態に置いたうえで、できることをやっていきましょう」

動いて、食べて、休んで、機嫌よく!

「適度な運動習慣と、適量の食事と、しっかり休むことができていれば機嫌よく過ごせます。特にしっかり休むことができていない人が多いので気をつけて」

体は変わることを認めよう。対策はあるよ!

「女性ホルモンの減少や代謝の低下などアラフォーになると誰にでも体の変化は起きます。それを理解して、対策はいくらでもあることを知っておきましょう」

アラフォーは忙しい世代だが無理をしないこと
「仕事で重要な役職についたり、子育てや介護があったりとアラフォーはどうしても忙しくなる世代。自分の時間もうまく作って無理をしないようにしましょう」



アラフォーの婦人科のお悩み

女性ホルモンの分泌量の減少からくる悩みや、アラフォーに多い婦人科系の病気の悩みなどまで、わかりやすくアドバイス。

QUESTION1

今42歳ですが、若いころよりも経血の量が増えてきました。検診で「子宮が大きくなっていますね」と言われたのですが、子宮のサイズは変わるものでしょうか?

ANSWER

「基本的には子宮が大きくなるのは異常で、子宮筋腫や子宮腺筋症などの病気の疑いがあります。このかたは経血量が増えてきたということなので、子宮筋腫か子宮腺筋症の可能性が高いです。子宮筋腫の場合は子宮と筋腫との境界が明瞭で、子宮腺筋症の場合は壁全体が厚くなり、どちらも経血量が増える可能性があります。子宮の中に入れるリング(ミレーナ)などで経血量は減らせるので、婦人科で相談を」

QUESTION2

毎年婦人科検診を受け、異常はないのですが、最近生理直前になると、おしりを突き上げるような痛みがあり少し気になっています。何か考えられる病気はありますか?また生理痛はどのくらいの痛みを目安に受診したらよいでしょうか?(42歳)

ANSWER

「婦人科検診では異常がなかったということですが、生理痛で困っているのなら月経困難症という病気と言えます。どれくらいの痛みが受診の目安かという基準はなく、自分で困っている症状があるなら受診の対象になります。婦人科検診は毎年受けているということですが、治療も始めるといいと思います。月経困難症は、鎮痛剤、低用量ピルなどのホルモン治療のほか、漢方薬などでの治療も可能なので相談してみてください」

QUESTION3

3 ㎝くらいの子宮筋腫があります。母は筋腫で手術をしています。遺伝はありますか? またこれ以上筋腫を大きくしないためにやったほうがいいことはありますか?(44歳)

ANSWER
「遺伝は関係しますが、40歳以上の日本人女性の約40%に子宮筋腫があるので、遺伝はあまり気にする必要はありません。今特に困った症状がないなら経過観察でよいと思います。残念ながら筋腫が大きくなるのを自分で防ぐ方法はありません。ただ、現在、子宮筋腫は女性ホルモンの分泌を抑えて偽閉経状態にする飲み薬で治療でき、増悪(ぞうあく)を抑えられるので、過多月経などの問題が出てきたら治療を受けるのもよいと思います」

QUESTION4

生理前のイライラが年々ひどくなっています……。 明らかに子供や夫に当たっているな、と思いますし、どうして何事もこんなにイライラするんだろう……? と悲しくなります。だるさや頭の重さを感じることはありますが、生理痛などはありません。これってPMSでしょうか?またピルで改善できると聞いたことがありますが、以前ピルを服用して合わなかったので、ほかの対処法があれば知りたいです。(36歳)

ANSWER

「生理前に不調が出て、生理がきたら改善するならPMSが考えられます。PMSの治療で低用量ピルを服用して合わなかったなら、漢方薬という選択肢もあります。イライラや落ち込みなどの症状には、抑肝散(よくかんさん)や加味逍遙散(かみしょうようさん)などという漢方薬がよく用いられ、効く場合が多いので、婦人科で相談してみましょう。PMSが年々ひどくなっている人は、更年期にもメンタル症状が出やすいので、今から自分に合う治療法を探しておくのがおすすめ」

QUESTION5

子宮筋腫があり(大きいものと、数もいくつか)生理時の出血量がとにかく多く、ナプキンを1 時間ごとに替えねばならぬほどで、つらいです。今40歳ですが、手術で筋腫を取るとしばらく妊娠はできないと聞きますし(独身だし予定があるわけではないのですが)かといって、筋腫があると妊娠もしにくそうで、年齢的に考えてしまいます……。一方、友人は一度40代前半で筋腫を取ったのに、再発してまた同じように出血過多で悩み、48歳で再手術したそうです。子宮筋腫の切除はどんなことに目安や優先順位をつけて(痛みや出血量などのほか、年齢やライフスタイルとか)考えればよいでしょうか? 

ANSWER

「子宮筋腫は閉経すると小さくなりますが、今40歳なら閉経までまだ数年あると思うので、月経過多でつらいなら治療をするのがおすすめです。Q03でお話ししたような、偽閉経状態にする飲み薬での治療を取り入れてみるとよいように思います。また、妊娠を望まなくなった時点で、手術で筋腫を切除するのもいいでしょう。子宮筋腫を切除したほうがいいかどうかには特に目安はなく、本人の困っている度合いによります。医師によく相談してみましょう」

QUESTION6

36歳で自然妊娠で出産しましたが、2人目がなかなかできません。今40歳でちょっとあせり始めたところなのですが、ふだんからできること、注意したいことを伺いたいです。

ANSWER

「妊よう性(妊娠する力)は、36~37歳で下がるので、40歳になると自然妊娠する可能性はかなり低めです。ですから本当に2人目が欲しいのかどうかをパートナーと話し合って、本当に欲しいなら、すぐ不妊治療を始めることがおすすめです。〝できれば2人目ができたらいいな〞という程度なら、生活習慣を整えて、生理が終わってから排卵までの間に3回は性交渉をもつといいですが、自然妊娠をするのはかなりむずかしいと思っておきましょう

高尾美穂先生
【Marisol 9月号2021年掲載】撮影/藤澤由加 取材・文/和田美穂

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