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口ぐせは「芸人たるもの」。何かと空回りしております。

職業:美術館職員
My favorites:アート鑑賞、宝塚鑑賞、建築鑑賞、K-POP鑑賞、とにかく鑑賞。

昨今はおしゃれ迷子ですがなんとか生きています。
猫、夫、自分の3つの生命体で一つ屋根の下に生息。酒は飲めないが四文屋にいがち。

身長:168cm

「写真展 はじめての、牛腸茂雄。」渋谷PARCO8階 ほぼ日曜日 と、ファッション少し。

ごちょうしげお と読むそうです。牛&腸。苗字が目立ちすぎて下手なことはできなさそうです。
ごきげんよう、皆様。

渋谷PARCOは8Fにある「ほぼ日曜日」で開催されている「写真展 はじめての、牛腸茂雄(ごちょうしげお)。」展に伺ってきました。

「誰だろう、牛腸茂雄さん」状態の方、同じです。初耳。読めませんでしたもんね、そもそもね。

「はじめての」とタイトルにつくだけあり、ご本人を知らない人を前提として構成されている模様です。

そして驚いたのは、作品を保護するアクリル板が設置されていないこと。鑑賞者に生の「プリント」の力強さを感じてもらうため、外してあるのだそうです。そんなことができたのは、牛腸さんの学生時代からの友人だった写真家・三浦和人さんのお力添えがあったからなんだとか。

……詳しくはぜひ、公式ホームページをご覧になってみてください。
期間 2022年10月7日(金) - 2022年11月13日(日)
場所 ほぼ日曜日(渋谷PARCO8階)
時間 11:00〜20:00
入場料 600円(税込)
入場特典:
和田ラヂヲさんの描きおろしマンガ付き小冊子
写真展の入り口は和田ラヂヲさんが描いたであろう牛ののれんがお出迎え。……牛腸だから牛なのか、と今気が付く。
写真展の入り口は和田ラヂヲさんが描いたであろう牛ののれんがお出迎え。……牛腸だから牛なのか、と今気が付く。
漫画家の和田ラヂヲさんが案内人となって、写真展の最初には簡単な紹介動画が流れます。
和田さんが牛腸さんの写真を漫画にした絵が描かれた小冊子を入り口でいただけるのですが、その絵がなんだかとぼけていて可愛くて、「この写真展、面白がってもいいみたい」と肩の力が抜けます。
  • シャイニング感(by 和田ラヂヲ先生)

    シャイニング感(by 和田ラヂヲ先生)

  • この小冊子が面白すぎて……裏面には和田さん描き下ろしの4コマ漫画も。

    この小冊子が面白すぎて……裏面には和田さん描き下ろしの4コマ漫画も。

ここで写真家・牛腸茂雄さんのご紹介を少し。私もこちらに伺って知ったのですが。

1946年新潟に生まれた牛腸さん。3歳のときに胸椎カリエスという難病を患い、身体にハンディキャップを持ちながらも作品を撮り続け、36歳という若さで亡くなった写真家です。

高校生の時にはすでに卓越されたセンスを発揮されていたようで、美術展やデザイン展などでさまざまな賞を受賞。18歳で上京し、桑沢デザイン研究所に入学。デザイナーを目指していたけれど、写真の授業を担当していた先生に「君は写真をやりなさい」と言われて写真の道へ。

写真展は4つのセクションで構成されていて、まず始めは1971年、25歳のときに桑沢時代の同級生、関口正夫さんと自費出版した「日々」で使用された写真から始まります。
「日々」から始まる導入部。昭和感がすごい。中央のあかんぼにキュン。
「日々」から始まる導入部。昭和感がすごい。中央のあかんぼにキュン。
壁に向かうフォルムがなんだか俳優のような人。奥の美しいビルには「霞ヶ関電話局」の文字。
壁に向かうフォルムがなんだか俳優のような人。奥の美しいビルには「霞ヶ関電話局」の文字。
ベンチに座る二人の女性の隣をよく見ると、横たわっている子供が。なんかもういろいろ気になる。
ベンチに座る二人の女性の隣をよく見ると、横たわっている子供が。なんかもういろいろ気になる。
なにげない昭和の「日々」のあとには、2つ目の「SELF AND OTHERS」のセクション。
牛腸さんの写真集の名前にもなっている「SELF AND OTHERS」は文字通り「自分と他者」。1977年に自費出版された写真集から、とのこと。

他人が写っている写真に、どうしてこんなに惹きつけられるのでしょう。他人だからこそ愛しいのでしょうか。
こちらを見つめる二人の女の子。あの映画より牛腸さんが先なんだ、とコメントしている和田ラヂヲさんに思わず笑ってしまいます。
こちらを見つめる二人の女の子。あの映画より牛腸さんが先なんだ、とコメントしている和田ラヂヲさんに思わず笑ってしまいます。
3つ目のセクションは1981年に自費出版された写真集「見慣れた街の中で」から。ここからカラー写真になっていきます。
私事ですが、ついに自分の生まれ年。親近感が生まれます。
拡大レンズをのぞき込むと作品がみられるコーナーも。
拡大レンズをのぞき込むと作品がみられるコーナーも。
70年代終わりから80年代初め、ということで「桜田淳子の髪型が流行ったあたりだな…」と家人がつぶやきました
70年代終わりから80年代初め、ということで「桜田淳子の髪型が流行ったあたりだな…」と家人がつぶやきました。ファッションも大胆!
この空気感。素晴らしすぎて説明いりません。新宿伊勢丹前。
この空気感。素晴らしすぎて説明いりません。新宿伊勢丹前。
横浜の山下公園でしょうか。なぜか既視感があって懐かしくなってしまいます。楽しそう。
横浜の山下公園でしょうか。なぜか既視感があって懐かしくなってしまいます。楽しそう。
翻って、4つ目のセクションではふたたびモノクロに。
「幼年の「時間(とき)」」と題され、1983年『日本カメラ』で発表された作品群が並びます。
この年、牛腸さんは36歳という若さで逝去されます。

未来を携えた子供たちを前にして、牛腸さんはどんな気持ちで撮影していたんでしょう。
なんとも愛らしいお子さん。こちらをジッとみつめるまっすぐなまなざしが印象的です。
なんとも愛らしいお子さん。こちらをジッとみつめるまっすぐなまなざしが印象的です。
お兄ちゃんと弟さん? 泣いちゃっているけどホッコリするのは、笑顔の人がそばにいるから。
お兄ちゃんと弟さん? 泣いちゃっているけどホッコリするのは、笑顔の人がそばにいるから。
写真展には牛腸さんが愛用していたカバンやカメラ、そして愛読書や、なんと通信簿も……。
偉人たちは死後、成績をさらされがちなのが気の毒だと常々思ってきていたのですが、こんなにも優秀な成績の通信簿を私はかつてみたことがあっただろうか。
先生のコメントが確信に満ちていて力強いのも、昭和という時代なのかなと感じました。

「思いやり深く、よく出来る人でもよくできない人とでも同じ態度で接しているのは大変感心がもてます」

「体はよわくとも心のつよい正しい子になりなさい」
小学5年生のときの成績表。大変優秀だったことがうかがえます。教師からこんなコメントされたことない……。
小学5年生のときの成績表。大変優秀だったことがうかがえます。教師からこんなコメントされたことない……。
牛腸さんご本人。セルフタイマーで撮ったのでしょうか。それとも誰かが?
牛腸さんご本人。セルフタイマーで撮ったのでしょうか。それとも誰かが?
牛腸さん愛用品の数々。
牛腸さん愛用品の数々。
内容をかなり割愛したご紹介となっております。実際の写真のパワーはとてもすごいものがありました。
当初は「知らない人の写真展かぁ…」となんとなく敷居が高く感じていました。
実際に行ってみると「ほぼ日曜日」のスペースの入り口はとてもこぢんまりしていて、のれんに描かれた牛が「ようこそ」と言っているし、入っちゃえ、と気軽になれました。

会ったことも、ましてや喋ったこともない写真家の目を通した、とても懐かしい写真展。
昨日より日常が愛おしくなるような温かな空間にぜひ、癒されてみてはいかがでしょうか。
空を見上げるわんこ。大好きな一枚。
空を見上げるわんこ。大好きな一枚です。
そしてこの日、若者の聖地・渋谷へはピンクのコーデュロイパンツで出かけました。
この秋、CITY SHOPで購入。ボヘミアン調漂うブーツカットで渋谷PARCOに参戦です。
もちろん目立つことなく淘汰されました。
意外とトップスは何色でも合ってしまうピンク、発見でした。
撮影地は下北沢です。ええ、どうでもいいですね。 Maison Margiera CITY SHOP
撮影地は下北沢です。ええ、どうでもいいですね。
CITY SHOP Maison Margiera
ジャケット……ユナイテッドアローズ(4年前くらいに購入)
トップス……シンゾーン(1年前に購入)
パンツ……CITY SHOP
シューズ……Maison Margiera
バッグ……いただいた布バッグ
今年はちゃんと秋があって嬉しい気分です。
アートもファッションも、何気ない日常の愛しい一部。楽しんでいきたいですね。

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