2023年5月12日

「肉が食べたい夫」【ケビ子の乳がん・ニューライフ vol.35】

第35回「肉が食べたい夫」夫よ、ひたすらに申し訳なく存じます。

高額療養費申請、医療費控除があるから医療費の個人負担は心配ないかも？と思っていたが、先日初めて医療費控除を申請して「たったこれだけ？」と還付金を見て愕然とし、頼れるのは自分だけかと実感したケビ子。乳がん・ニューライフ （第34回はこちらから）

第35回は乳がん手術後に見直した食生活は自己満で、家族に迷惑をかけていた話。

【主治医に相談しながら食生活を見直した】

乳がんになってから再発防止になるなら、といろいろな情報に触れている。

特に食生活に関しては主治医に相談したり、医師や栄養士などオーソリティーの本を読んだり情報収集をして自分なりの食習慣改善に取り組んでいる。

がんになると小麦粉と牛乳をやめなさいと言われるのだが、これも主治医に相談して率直に聞いてみたところ「禁止食材はありません。なんでもバランスよく食べてください。一回に牛乳1キロなんて飲まないでしょ？」と言われて納得したところである。

たばこと過度のアルコール以外で特定の食材ががんの原因になるとされるものはないのだが、術後の肥満は再発の可能性を高めることは明確になっている。術後プラス5％～10％の体重増加の場合、再発リスクは約30％高いそうだ。

今より太らないことを念頭に食生活を改善するとなると、脂質を抑えた食事でバランス良くいろんな食材を食べることに決めた。

術後1年ほどは夫とケビ子の食材を分けるなどして夫にはこれまでと変わらぬ食事を作っていた。第33回の乳がん・ニューライフで昨年の健康診断のことを書いたのだが、夫はその際体重が増えていたことともろもろのリスクが高まっており再検査の項目がいくつかあったことで自分もヘルシー寄りの食生活をしたいと言ってきた。

それ以降夫婦同じ内容の食事である。

【ショックを受けた夫の一言】

和食は本当によくできている。
脂質を抑えてバランスよく食事を摂ろうと思うと行きつくのは結局昔ながらの和食となる。塩分は気になるが塩分を控えめにして味付けをするかカリウムを含む食材と一緒に食べるか少し工夫すればなんてことはないだろう。

おかげでこの1年は食卓に魚の登場回数がぐぐっと増えた。週に3回は魚を食べているのでは？と思うほどの頻度。その分牛肉と豚肉の登場は数カ月に1度という頻度になってしまった。
夫は飲酒習慣を毎日から週末のみにし、さらに食生活を変えて5キロスルリと痩せてDやらE判定となった項目の再検査も行い、事なきを得た。

よしよし良い感じだと満足していたのだが、つい先日こんなことを言われた。「ねえねえ、うちはお金がなくて肉が買えないの？」と首を傾げて子供のような口ぶりで僕は我慢しているんだ、のテイで冗談めかして聞いてきた。

【試行錯誤はまだまだ続くのだ】

笑うところなのだが全然笑えず、もしかしてこの男は好物のお肉を我慢してきたのか！！とハッとした。健康的だからと油を控え、肉を控え、体重も落ちたしめでたしと思っていたのは完全に私の自己満足だったのだと申し訳ない気持ちから相当に落ち込んだ。

ここ最近で言うと牛肉を食べたのは2022年12月24日のクリスマスイブと2023年2月14日の結婚記念日ディナーの2回だけ。完全にハレの日のメニューである。さすがに少ない。
豚肉もその間2回か3回ほどの登場であとは鶏ささみやひき肉となる。かつ丼が食べたいと思ったらイカフライを卵とじしてその気になっていたのだが、やはりもともと肉が好きな夫にはつらかったのだな。

心から申し訳ない気持ちになってその日は牛肉がメインの弁当を夫に買って帰り、自分はアナゴの弁当を選んだ。
牛肉・豚肉は悪じゃないのだが、魚メインの食卓に慣れてしまった上に胃の負担も肉ほど重くない実感もあって今は折り合いをつけるのが難しいのが本当のところだ。

かといって夫の好物を結果として取り上げてしまったことは大反省で、もう少し良い方法がないか自分も楽しめて夫も満足、のような献立を考えるのに苦心している。
普段はこれまで同様魚・鶏肉中心で、月に1回か2回はとんかつ！またはステーキ！と徹底的に肉食の日を設けてイベント化するなど工夫していきたい。

再発予防のための脂質カットが目的であるから、肉がだめってわけではないんだからね！そう肝に銘じている。
しかしできればドカンとした肉を食べたくないケビ子もいるわけで。。
悩ましい問題である。

つづく

※次回【Vol.36】は2023/5/26公開予定です。

※この記事はケビ子さんの体験に基づいて書かれております。治療等の条件はすべての方に当てはまるわけではありません

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