
泣いて笑って癒される、これぞ韓国ドラマ3作
毎回のように泣かされる、ヒューマンドラマ「いつかは賢いレジデント生活」「おつかれさま」「未知のソウル」は、この上半期見逃せない、どれも毎回ホロリと、また号泣させられる温かな作品です。「おつかれさま」は、監督は名作「ミセン -未生-」「シグナル」「マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~」のキム・ウォンソクが、一人の女性オ・エスンの一生と家族の絆を紡ぐ作品。美しくて大好きな済州島とソウルが舞台で、視聴しているときは気が付かなかったのですが、かなりCGも駆使されていたのを知り驚きでした。一人二役のIUや、パク・ボゴム、ムン・ソリ、ヨム・ヘラン、キム・ソンホ、イ・ジュニョンなど豪華すぎるキャストたちも素晴らしく、子役のキム・テヨンをはじめ百想芸術大賞にノミネート、そして7月18日に開催された青龍シリーズアワードで大賞も受賞、IUが主演女優賞と人気スター賞、ヨム・ヘランが助演女優賞、パク・ボゴムが人気スター賞と、数々の受賞も果たした作品です。
「いつかは賢いレジデント生活」は、若手俳優、新人俳優の瑞々しい演技が光るレジデント1年目の産婦人科医たちの成長物語。「おつかれさま」にもキャスティングされていますが、元アイドルのレジデント・オム・ジェイルを演じるカン・ユソクと、TOMORROW X TOGETHERのヨンジュンとスビンがアイドルのメンバーを演じたり、「賢い医師生活」の面々がカメオで出演したり、遊び心にもキュンとさせられます。オ・イヨンを演じた「還魂」「ムービング」のコ・ユンジョンも、キム・サビ役でデビューしたハン・イェジにも魅了されます。このコラムで、主演を射止めたデビュー作映画『THE WICH/魔女 -増殖-』のインタビューをしたシン・シアにとっても初ドラマとなり、ピョ・ナムギョン役を演じていますが、次回作はイ・ドヒョンと主演のホン姉妹脚本のファンタジーロマンス「グランドギャラクシーホテル」、日本での初ファンミーティングも決まったライジングスター、チュ・ヨンウとの『今夜、世界からこの恋が消えても』のリメイクが決まっています。
「未知のソウル」は、とにかく双子の姉妹ユ・ミジとユ・ミレを一人二役で演じたパク・ボヨンの心を震わせる演技に魅了させられます。双子を見守る同級生で、ナイーブな弁護士イ・ホス役をGOT7のパク・ジニョンも繊細に演じ、二人の母親との関係や、心情の変化、日常の不条理などを丁寧に描いていて、没入、共感できる作品です。子役出身のパク・ボヨンは、『私のオオカミ少年』「ああ、私の幽霊さま」「力の強い女ト・ボンスン」『君の結婚式』などからのファンで、最近では「照明店の客人たち」「恋するムービー」などでも注目された、まさに信頼して観ることのできる俳優のひとりだと確信しました。


さすが演技派イ・ジェフン、M&Aチームを描く圧巻のドラマ
「妻の資格」「密会」などでも独特の世界観が印象的で、「よくおごってくれる綺麗なお姉さん」もヒットさせたアン・パンソク監督が演出した「交渉の技術」。伝説の交渉人”白蛇”と呼ばれる大企業のM&A専門家のチーム長であるユン・ジュノを演じるのは、イ・ジェフン。彼が、数ある出演作の中でもとにかく現場が楽しかったという自信作で、韓国でも話題となり、上半期に強烈なインパクトを残した良作です。脚本がとにかく圧巻で、「シグナル」「復讐代行人~模範タクシー~」などに加え、イ・ジェフンの“人生ドラマリスト”に加わった作品だと思います!
アン・パンソク監督作品にほぼ出ているチャン・ソヨンや、少女時代のユリ、中国語が流暢なのは知られていますが、韓国人の友人も驚くほど韓国語も堪能な宮内ひとみ(旧芸名・桜庭ななみ)など、毎話登場するゲスト俳優もハマり役。M&Aチームの弁護士役を「賢い医師生活」のキム・デミョン、そして「いつかは賢いレジデント生活」や「巫女と彦星」でも活躍中の若手俳優チャ・ガンユンも、ピリッとした物語を和らげるインターン役にキャスティングされています。「交渉の技術」を配信中のLeminoでは、ユク・ソンジェ主演のファンタジー時代劇「鬼宮」も面白く視聴率も高く話題に。どちらもぜひ一気に観てほしい。

学園ものの傑作、爽快コミカルアクション!
「スタディーグループ」は、Wanna One出身のファン・ミンヒョン(NU’EST)主演のコメディアクション&成長物語。CGも圧巻で映像が美しいのはやはり、スタジオドラゴン制作だから。人気ウェブ漫画が原作で、キャスティングが絶妙。優等生で、ユン・ガミンが最初にスタディーグループに誘うキム・セヒョン役を演じるのは、新人俳優イ・ジョンヒョン。暴力団の首長の息子で学年1位のピ・ハヌルを、「恋するムービー」「埋もれた心」でも注目のチャ・ウミンが演じています。とにかくサイダーのように爽快で、笑えて泣ける。侮ってはいけない学園ものです。猛烈にプッシュ中のドラマでもあります。
「還魂」など、王子的役からのファン・ミンヒョンの新境地、彼が演じるのはどんなに勉強してもほぼ最下位のユン・ガミン。勉強のために体も鍛えていて実は怪力の持ち主というのも笑える。ZEROBASEONEのソク・マシューとパク・ゴヌクや、バン・イェダムのOSTまで良いのです。学校を変えようとする教師役の、「初恋DOGs」でも話題のハン・ジウンもハマり役です。ちなみに「初恋DOGs」でブレイク中のナ・イヌは、「王女ピョンガン」「哲仁王后~俺がクイーン⁉︎〜」もいいので、深掘りしたいかたはぜひ。

新人賞も獲得、注目のチュ・ヨンウにハマる2作
「トラウマコード」と「オク氏夫人伝-偽りの身分 真実の人生-」も一気見をおすすめしたい作品。どちらもライジングスター、チュ・ヨンウを一躍有名にしたドラマでです。このコラムでも紹介したチュ・ジフン主演の世界的に大ヒットした痛快医療ドラマ「トラウマコード」もおすすめですが、チュ・ヨンウが百想芸術大賞で新人賞に輝いた「オク氏夫人伝-偽りの身分 真実の人生-」も、先の読めない展開で、久しぶりに毎週の楽しみとなったウェルメイドな美しく完成度の高い時代劇。それもそのはず、「青い海の伝説」「主君の太陽」でも知られるチン・ヒョク監督が手がけた作品です。
チュ・ヨンウは、オク氏夫人のためにすべてを捨て彼女を守る放浪する芸人チョン・スンフィと、行方不明の夫ソン・ユンギョムの一人二役を好演。外知部という今で言う弁護士オク・テヨンとして生きるヒロイン、クドクを演じるのは、「ザ・グローリー~輝かしき復讐~」のイム・ジヨン。彼女の迫真の演技には何かしらの賞を差し上げたくなること必至。また、この作品で共演した若手俳優キム・ジェウォンも、「ユミの細胞たち」シーズン3に抜擢されて話題となっています。
若手として『君の声を聴かせて』(9月26日(金)日本公開)のノ・ユンソと「2025大韓民国代表広告モデル」に選ばれるほど人気のチュ・ヨンウ。青龍シリーズアワードでも「トラウマコード」で、主演男優賞のチュ・ジフンとともに、新人男優賞を獲得! 最新作アクションノワール「広場」(Netflix)、ファンタジーラブコメ「巫女と彦星」(Prime Video)でも活躍中と、向かう所敵なし。ちなみに「巫女と彦星」のヒロインは「賢い医師生活」の双子の研修医役や、ロウンと主演を務めた「婚礼大捷<こんれいたいしょう> -愛結ぶ二人-」のチャーミングなチョ・イヒョンです。



飛ぶ鳥を落とす勢いのソン・ソックに魅了される2作
「ナインパズル」「君は天国でも美しい」というまったく異なるキャラクターで魅せてくれたのがソン・ソック。独特の世界観に惹き込まれる本格心理サスペンス「ナインパズル」では、諦めることを知らない、推理小説好きの風変わりな刑事ハンセムを演じています。共演の、ボッテガ・ヴェネタや赤いランボルギーニが似合いすぎる、どこか名探偵コナンのようなプロファイラー、ユン・イナを演じるキム・ダミにも再びハマること請け合いです。あっと驚く大物すぎる俳優たちのカメオ出演も、「ナルコの神」のユン・ジョンビン監督ならでは! 今年上半期、最も試聴された韓国発のディズニープラス作品となったのにも納得です。マリソルのこのコラムには、監督とソン・ソック、キム・ダミのインタビュー記事もあるのでぜひ!
「君は天国でも美しい」は、散々泣かされた「まぶしくて-私たちの輝く時間-」、名作「私の解放日誌」のキム・ソクユン監督が、再び国民の母と言われる大女優キム・へジャ、ソン・ソック、ハン・ジミン、イ・ジョンウンとタッグを組んだ作品です。脚本を当て書きしたそうで、ファンタジーなのにキャラクターが生き生きとしていてとても魅力的。ソン・ソックも見たことのない可愛らしさを大放出していて必見です。死後の世界や、輪廻、胸に秘めた悲しみなどを温かく、時にコミカルに描いていて新鮮な魅力があります。



舞台は釜山、5年ぶりに帰ってきた熱血すぎる司祭!
「熱血司祭」シーズン2は、シーズン1でキム・ナムギルが数々の賞を受賞した名作の続編。元国家情報院対テロチームの特殊要員の強すぎる、そしてどこかコミカルなダークヒーロー、キム・ヘイルの物語は、釜山を舞台にパワーアップ。キム・ソンギュンも安定の刑事ぶり、怖いものなしの有能な検事役のイ・ハニや、釜山の麻薬捜査隊の刑事役として加わった、歌手としても活躍するBIBI(キム・ヒョンソ)もチャーミング。麻薬組織の部隊長を演じたソンジュンも、残忍なのに純なところもある役を熱演。脚本は「ヴィンチェンツォ」のパク・ジェボムが担当しました。コロナ禍が明けてからだけでも4度通っている釜山にまたすぐに行きたくなる、港町でのロケというのも推しです。



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