2019年11月29日

「性欲の薄い夫との関係をどうにか改善したい」【40代お悩み相談】

「夫と自分の性欲が釣り合わない」とお悩みの相談者さんに、みうらじゅんさんと辛酸なめ子さんが独自の視点で回答！

【今月のお悩み】「性欲の薄い夫との関係をどうにか改善したい」

海外育ちの私に比べ、愛情表現もなく性欲も薄い夫。夫婦関係を改善しようといろいろ頑張ってみましたが、夫には「仕事に集中したい」と断られる始末。反動で、複数の恋人をつくって不満解消しているけれど、やはりどこか罪悪感が。どうするのが正解なのでしょう。
（大阪府・みのり・42歳・主婦）

☆辛酸なめ子さんの回答

働きすぎて疲れていたり栄養が足りないと性欲が薄れる傾向に……。もしかして奥様のほうがゴージャスなランチなど召し上がって、ダンナさんのお昼代が安かったりしませんでしょうか？たまには精、のつく手料理でも……

☆みうらじゅんさんの回答

複数の恋人をつくる前に、性的嗜好についてダンナさんと話し合ってみましょうか

　みのりさんのご夫婦が結婚をして何年になるか存じ上げませんが、多くの夫婦は時間がたつとともに夜の営みの回数も徐々に少なくなっていくものです。

　でも、みのりさんは、まだまだこれから！　という感じなんですね？　で、いろいろ努力してみたものの、ダンナさんは一向に乗ってこない……。困りましたね。

　ひとつ考えられるのは、ダンナさんが「仕事に集中したい」と言ってみのりさんの誘いを断っているのは、おいくつなのかはわかりませんが、性欲が枯れ始めていることが本当の原因かもしれません。海外の人はわりとストレートにものを言うみたいですけど、たいがい、日本人は遠回しに言うことが多いので、ダンナさんももしかすると、みのりさんの猛プッシュにどうにも応えられず、困っているのかもしれません。

　みのりさんは「夫婦関係を改善しようといろいろ頑張ってみた」とのことですから、セクシーなランジェリーで迫ってみたりしているのかもしれません。そこまでしてくれているからこそ、ダンナさんも面と向かって「もう無理かも」とは言えない。だから、「仕事に集中したい」と言って婉曲的に断っている可能性もなきにしもあらずでは？

　と考えると、不満解消のために恋人を何人もつくる前に一度、お互いの性的嗜好について話し合ってみるのはどうでしょう。外国のかたたちはそういうことをオープンに話されるようですよね？　ただ、日本男児のダンナさんは、ちょっと抵抗があるかもしれない。だとしたら、みのりさんが頑張ってきたあれこれを箇条書きにして、ひとつひとつ「これ、アリ？　ナシ？」とダンナさんに確かめる、というのはどうでしょう。

　よく、夫婦のすれ違いの原因に「性格の不一致」があると言われますが、「性の不一致」も原因としては大きいと思うんです。みのりさん夫婦の場合も、ダンナさんの性的嗜好がみのりさんのそれとは違っている場合があり、みのりさんは、ずっと空振りし続けているのでは？　海外育ちのみのりさんは明るく元気なセックスを求めているのに対し、ダンナさんは情緒的で湿度のある感じが好きだったとしたら、セクシーなランジェリーより和風に燃えるタイプだったりするかもしれません。

　今後、円満な性生活を再開していきたいなら、自分の好みを押しつけるだけではなく、相手の好みに合わせる気持ちも大切なんじゃないでしょうか。夫婦なんですから、そこはハーフ＆ハーフで。

　それでもお互いに譲れず、嗜好の溝を埋められないのだとしたら、それぞれ新しく「自分好み」の道を歩んだほうがいいかもしれません。人生はどうやら一度らしいです。性格も性もピッタリ合った人と出会えるなんて、本当それは儲けものですからね。

●JUN MIURA：イラストレーターなどなど。「マイブーム」「ゆるキャラ」ほか多くのブームを生み出す。近著に『男気の作法』（マガジンハウス）、『人生エロエロだもの』（文藝春秋）など
●NAMEKO SHINSAN：漫画家、コラムニスト。巫女的な感性でアイドル観察からスピリチュアルまで、あらゆる事象を取材。近著に『魂活道場』（学研）、『おしゃ修行』（双葉社）などがある