①アラフォーからだって遅くない!いいことずくめの「筋膜ストレッチ」
☆私が教えます!
柔軟美トレーナー 村山 巧さん
体が硬い人でもストレッチの継続で、必ず柔軟に!
下の写真のような“Ⅰ字バランス”もラクにこなすのが、“柔軟王子”こと、柔軟美トレーナーの村山巧さん。
「実は、私も昔は体が硬く、前屈をしても床に指がつきませんでした。ただ、10年ほど前に趣味でアイススケートを始めたのを機に、自分の体の硬さに気づいてストレッチを始めたら、徐々に体が柔らかくなっていくことに喜びを感じ、スケートよりストレッチのほうにのめり込んでしまったのです」
そしてヨガや解剖学などを勉強し、体の柔軟性を追求するうちに、現在のように驚異的に柔軟な体になったとか。
「大人からでも、体は柔らかくなるので、あきらめないでください! 」と、巧さん。体が柔らかくなると、さまざまなメリットが。
「ストレッチで体を柔軟にすると、関節の可動域が広がるので日常生活でのパフォーマンスが上がるうえ、姿勢がよくなって見た目も美しくなります。また、血流がよくなって代謝が上がり、こりや疲れ、むくみ、冷えなどの改善に効果が見られます」
そんな巧さんが提唱する“筋膜ストレッチ”なら効率よく柔軟性が向上。
「私が指導するストレッチは2つの科学的手法を取り入れています。ひとつが筋膜アプローチ。筋膜は全身の筋肉を覆う薄い膜ですが、同じ姿勢を続けるなどの原因で筋膜はゆがみ、放置すると固まってしまい、筋肉や関節の動きが悪くなります。これを正常に戻して筋肉や関節を正しく動けるようにするのが筋膜アプローチで、これを行うだけでも体はかなり柔軟に。そしてもうひとつが脳科学アプローチ。“私は体が硬い”と思い込んでいると、体は無意識のうちにブレーキをかけてしまいます。そこで筋肉を一度強く収縮させて、その後に脱力することで筋肉や関節が本来もつ可動域を覚醒させます。これは脳の無意識な反射を利用した方法。この2つのアプローチにより、最速で柔軟性を高められるのです」
筋膜アプローチは、固まっている筋膜をゆるめ、筋肉や関節を正しく動けるようにする方法。脳科学アプローチは、脳の反射作用を利用し、筋肉や関節が本来もつ可動域を覚醒させる方法。この2つの組み合わせで効果的に体が柔軟に!
☆目ざすのはこのポーズ!①
背中側で左右の手をつなぐ
背中握手
②背中握手のポーズに必要な脇〜脇下ほぐし|背中握手×筋膜アプローチ STEP1
片側の手を上、反対側の手を下にして背中側で手をつなぐ。どちらの手を上にしてもしっかりつなげることが目標。在宅勤務で同じ姿勢を続け、こり固まりがちな肩まわりも楽に。
STEP 1
背中握手×筋膜アプローチ
脇~脇下ほぐし
腕が上がりにくくて背中握手ができない人は、脇の下の筋膜が硬いことが原因。この筋膜アプローチで硬さを解消して。
・準備するもの
市販のフォームローラー。円柱型のストレッチ&トレーニンググッズは、凸凹があるので効果的に筋膜を緩められる。1,500円前後から購入可能。家にない場合は、バスタオル2枚を円柱型にきつめに丸めて使ってもOK。
1.横に寝転がり、右腕を伸ばし、フォームローラーを右脇の下に当てる。左膝は曲げて床につけ、左手も床につける。
☆ローラーを置く位置
ローラーは、体の前側に飛び出さないくらいに端に当てる。右の脇をほぐす時は、ローラーの左端に右脇を当て、左脇をほぐす時は、ローラーの右端に左脇を当てる。右の写真のように体の前側にローラーが飛び出しているのはNG。
2.左手を床にバランスをとりながら、体を後ろへ。おへそが天井を向くくらい倒した後、1の姿勢に戻る。1、2を1分。
3.余裕がある人は、1の状態で右腕を床から浮かせてみて。
4.右腕を床から浮かせたまま、1、2の動きを繰り返す。
5.さらに余裕がある人は、右腕を浮かせたままくるくると回しながら1、2の動きを。終わったら左側も行う。
ストレッチをした腕が伸びているのを実感!
下は、右の脇のストレッチを行う前と後の写真。行う前は、腕をまっすぐ上に伸ばした時、右腕のほうが短かったが、右脇をほぐした後は、右腕が伸び、左腕と長さがそろった状態に。
③ 寒くなって縮こまりがちの肩、胸、脇をほぐす|背中握手×筋膜アプローチ STEP2&3
STEP 2
背中握手×筋膜アプローチ2
肩ほぐし
猫背で肩が内側に巻き込んだ状態で硬くなっていると、背中側に手を回しにくくなるので、このストレッチで緩めて。(両腕1分ずつ)
1.右手で左肩をギュッと強くつかむ。
2.そのまま左腕を前後に1分動かす。左右とも行う。
STEP 3
背中握手×筋膜アプローチ3
胸、脇ほぐし
背中を丸めた姿勢が続くと胸の大胸筋や、脇の下の大円筋が硬くなり、背中握手がしにくくなるので、しっかりほぐすこと。(両腕1分ずつ)
1.右手で左脇の前側をギュッと強くつかむ。
2.そのまま左腕を後ろに1分回す。左右とも行う。
3.右手で左脇の後ろ側をギュッと強くつかむ。
4.そのまま左腕を後ろに1分回す。左右とも行う。
④猫背もこれで解消!二の腕ほぐし||背中握手×脳科学アプローチ
背中握手×脳科学アプローチ
二の腕ほぐし
この脳科学アプローチは、硬くなった二の腕裏側の上腕三頭筋や、肩の筋肉の動きがよくなり、背中握手がしやすく。
1.両肘を上げ、頭の後ろで、左手で右肘をつかむ。
2.左手で右肘を引き寄せ、右肘は引き寄せられないように抵抗。これを5秒。
3.右肩の力を抜き、左手で右肘を引き寄せる。これを2秒。2、3を3回。
<2の動きの時、右肩を押し下げるように抵抗するのがポイント。こうすることで二の腕だけでなく、肩のストレッチにもなり、背中側で手がつなぎやすくなります(村山さん)。>
☆目ざすのはこのポーズ!②
体を前に倒して床に手をつける
前屈
⑤むくみや冷えにも効くふくらはぎほぐし|前屈×筋膜アプローチ STEP1
足をそろえ、膝を曲げず上体を倒し、手を床につける。指がつかない人はつけることを、指がつく人は手のひらをつけるのを目標に。歩く機会が減りむくみがちな脚の血流も、促進。
STEP 1
前屈×筋膜アプローチ1
ふくらはぎほぐし
<長時間座っていたりすると、ふくらはぎは硬くなりやすく、これが前屈がしにくくなる要因に。この方法でよくほぐして。
1.両足を伸ばして座り、ローラーを左のふくらはぎに当てる。
2.左足を内側に向ける。
3.次に外側に向ける。2、3を1分行う。
4.余裕があれば、左のすねに右足を置き、2、3と同じように左足を内側、外側に動かす。
5.さらに余裕があれば両手で体を支え体を浮かせ、4の動きをしても◎。右足も同様の動きを。
☆行う前と後で、左右の足の長さを比べてみて
ふくらはぎほぐしを行う前に、床に両足を伸ばして座り、左右の足の長さをチェックしてみて。どちらかが短ければ、その側の足の裏側が硬くなっているということ。その側をほぐすと左右差がなくなる。今回のモデルの国本さんは、左右差はなかったが、左側だけを行った後、下の写真のように左が右より長く! 左がほぐれた証拠。
ふくらはぎが硬くなっていると、血液やリンパの流れが悪くなり、むくみや冷えの原因にもなります。このふくらはぎほぐしをすれば、その改善にもつながります。
⑥おしり&背中ほぐしで脚の血流も促進!|前屈×筋膜アプローチ STEP2&3
STEP 2
前屈×筋膜アプローチ 2
おしりほぐし
<おしりの硬さも、前屈がしにくくなる要因。多くの筋肉が集まる部位なので、ほぐすと多くの筋肉を一気に緩めることができる。>
・両方おしり1分づつ
1.左のおしりにローラーを当てて座り、左足は伸ばし、右膝を曲げる。
STEP 3
前屈×筋膜アプローチ 3
背中ほぐし
<背中が硬くなっていると体が曲げにくくなり、前屈がしにくくなる。この方法でほぐすと、前屈がよりやりやすくなる。>
・1分
1.あおむけに寝転がり、ローラーを背中に当てる。腕は伸ばす。
2.両膝を立てる。
3.両膝を右側の床へ倒す。次に左側に倒す。これを1分。
⑦効果的にふくらはぎほぐしの硬さを解消!|前屈×脳科学アプローチ
前屈×脳科学アプローチ
ふくらはぎほぐし
<タオルを足にかけて抵抗し合う動きで、効果的にふくらはぎの硬さを解消する方法。ゴムバンドで行ってもOK。>
・両足3回ずつ
1.両足を伸ばして座り、左足の先にフェイスタオルをかけ、右手で持つ。
2.爪先を前に倒し、タオルを持った手は倒されないよう抵抗。これを2秒。
3.タオルを引っぱったまま爪先の力を抜き、かかとを押し出す。これを2秒。
⑧在宅勤務や仕事の合間にこっそり柔軟UP!デスクでストレッチ
■腕・肩ほぐし
背中握手をしやすくするのに効果的な方法。椅子に座り、右手で左肩をつかむ。
右手で左肩が上がらないように下に押さえつけながら、首を右側に倒す。
そのままの状態で左腕を斜め下に伸ばし、左手を"キラキラ星"の動きのように前後にひねる。これを1分。反対側も行う。
■ふくらはぎほぐし
椅子に座り、ふくらはぎを反対側の膝頭に当て、スリスリとこする。これを1 分。左右とも行う。
■足裏ほぐし
ゴルフボールなど硬めのボールを足裏に当て、コロコロ転がして全体をほぐす。土踏まず、かかと、指のつけ根と全体をほぐして。左右各1分。
■腕ほぐし
右手で左の前腕(肘下)をつかみ、左手を左右にひねる。ぞうきんを絞るイメージで行って。左右各1 分。背中握手がしやすくなるうえ、タイピング疲れも解消。
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