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40代”秋冬の体調不良”を呼び込む「夏冷え」を放置しないで!解消3原則【40代 ヘルスケア】

アラフォー”夏の3大不調”を解決!【夏冷え編】

アラフォーの夏不調の改善方法をご紹介する連載の3回目は、マリソル読者への夏不調に関するアンケート調査で、胃の不調に続いて悩んでいる人が多かった「夏の冷え」について。 その原因や対策を目黒西口クリニック院長の南雲久美子先生に教えていただいた。

エアコンや冷たいもの・・・
自ら「冷えを取り込む」夏の生活は、万病の元

\ 私が教えます! /

南雲久美子先生

南雲久美子先生

目黒西口クリニック院長。杏林大学医学部卒業。東京慈恵会医科大学第二内科入局、北里研究所附属東洋医学研究所で東洋医学を学ぶ。1996年に、西洋医学と東洋医学を融合して治療を行う。冷えなど女性の不定愁訴に強い。著書に『よくわかる最新医学 新版 冷え症・貧血・低血圧』(主婦の友社)などがある。

夏に冷えが起こる理由は、連載の1回目でも紹介したが、改めておさらいすると……。

「夏は、屋外は猛暑で気温がとても高いのに、室内は冷房で冷えているため大きな温度差が生まれます。さらに湿度も普段の季節より高く、ジメジメしています。こんな過酷な夏の環境が体にとって大きなストレスになり、自律神経が乱れます。このような状況下で、まず最初に不調が出やすいのがもともと体質的に胃腸が弱い人で、夏前から冷えや胃腸のトラブルなどの不調が出ます。

一方で、胃腸が元気な人は、夏の初めは調子がいいのですが、元気だからと冷房でキンキンに冷えた部屋で長く過ごしたり、冷たいものをたくさん食べてしまったり、薄着で過ごすことが多かったりと、自ら体に冷えをどんどん取り込んでしまい、結果的にやはり自律神経を乱し、夏冷えなどの不調を招いてしまうのです。つまり夏冷えは、生活習慣によって誰でも起こしやすいということです。

夏冷えを起こすと、それに伴って、めまいやだるさ、胃の不調、不眠、頻尿などのほか、生理痛や生理不順などの婦人科系のトラブルや、イライラや落ち込みなどのメンタルのトラブルも起きやすくなります。こういった不調を改善しないまま秋を迎えると、秋に体調を崩してしまうから、今から改善しておくことが大切です」(南雲先生)

そこで取り入れたいのが以下の3原則。この3つで夏冷えを撃退して。

 

「夏冷え」解消3原則

1.体の中外から温める

夏冷えを解消するために欠かせないのは、上手に冷やし、冷やしすぎないこと。

「まず、室内では、サーキュレーターなどを取り入れて冷房の冷気を循環させれば、それほど冷房の設定温度を下げなくても適度に涼しくなるので、そのほうが体が冷え過ぎずおすすめです。
また、体の中でも、首、お腹周り、足は特に冷えの影響を受けやすいとされているので、夏でもこの3つの部分は冷やさないことです。(ただし、炎天下での活動時には、首を冷やすのは有効)」(南雲先生)

この3つの部分の、南雲先生おすすめの温め方は、下記をチェック。
また、体の内側に冷えを取り込まないために気をつけるべきなのが飲食物。

「まずは冷たいものを控えることです。夏によく摂りがちなアイスコーヒーやスムージー、ビール、生野菜やフルーツなどは体を冷やします。活動量が多い昼に撮るならいいですが、朝イチから大量に摂ったり、夜寝る前に摂るのは控えましょう。また、胃腸が弱っている場合は、冷蔵庫で冷やしたものは、出してすぐに飲んだり食べたりせずに、しばらく置いてから摂るようにしましょう」(南雲先生)

外から首・足・お腹を集中温め!
首を温める

「外で汗をかいた後、室内に戻って、エアコンの風が直撃する場所で過ごしていると、汗をたっぷりかいた首周りからどんどん冷えてしまいます。ですから首の汗はこまめに拭くことが重要ですが、つい忘れてしまいがち。そんな人は、室内では登山用の吸湿速乾素材のネックウォーマーなどを首につけておくと、汗を吸い取ってくれるうえ、冷えからも守ってくれるのでおすすめです」(南雲先生)

お腹を温める

「お腹周りも冷えやすい部分ですが、カイロなどの温めグッズで温めると、夏は汗をかき、後から冷えてしまって逆効果なので、そこまで温めるのはおすすめしません。冷房が効いた室内では、お腹周りに膝掛けやタオルなどを当てておく程度でよいので、冷えから守りましょう」(南雲先生)

足首を温める

「足首も冷えやすい部分。エアコンの冷気は下に降りるので、上半身は冷えを感じなくても、実は足は冷えていることが多いものです。特に生足にサンダルなどでいると、足が冷え切ってしまうので要注意。冷房の中では膝掛けをかけたり、レッグウォーマーで足首を温めましょう」(南雲先生)

内から、食べ物でじんわりと温める
「食品には、しょうがやねぎなどのように温め効果のある食品がありますが、夏にこういった食品を摂りすぎると汗をかいてしまって後から逆に冷えを招くので、食後の汗はよく拭きましょう。汗かきさんなら、朝は温かい味噌汁を摂るようにしたり、冷たい飲食物を控えるようにするだけで十分です。また、冷奴などの冷たい食べ物を摂るときに、しょうがやねぎなどの体を温める食材を薬味としてプラスする方法もおすすめです」(南雲先生)

 

2.冷えたら、即温める

体が冷えてしまった場合に、体を最も手っ取り早く温められるのが入浴。ただし、アラフォーの場合は、お風呂の入り方に注意が必要。

「アラフォーでも更年期が始まると、汗をかきやすくなるので、夏はお風呂やサウナなどで人工的に体を温めると汗が止まらなくなってしまって、逆に体がしんどくなってしまう人もいます。体が芯から冷えていて、お風呂に入るほうが温まって気持ちいい人は、入ったほうがいいですが、汗をかきすぎてつらい人は、無理に湯船につからずにシャワーで済ませたり、ぬるめのお湯で短時間、半身浴をするといった方法にするのがおすすめです。また、足だけ温める足浴もいいと思います」(南雲先生)

足浴の詳しい方法は、以下をチェックして。

効果的な足湯の方法は?
「冷房で冷えた足を温めるのに効果的なのが足浴。バケツに38〜40℃ほどのぬるめのお湯を入れます。お湯の量は足を入れたときに足首の上くらいになる程度に。お湯にコップ半分くらいの粗塩を加えるのもおすすめです。そして椅子に座って、足をつけて温めます。5分経ったら、膝頭の下くらいまでぬるま湯を足して、さらに5分つけましょう。汗をかくので、上半身は薄着にしておき、汗をかいたらすぐに拭きましょう。足浴が終わったら、タオルでしっかりと水分を拭き取ること」(南雲先生)

40代”秋冬の体調不良”を呼び込む「夏冷え」を放置しないで!解消3原則【40代 ヘルスケア】_1_2

3.冷えにくい体をつくる

「体を冷やさないようにして、体を温めることはもちろん大切ですが、それだけでは冷え体質は改善しにくいので、やはり一番重要なのは、冷えにくい体を作ることです。そのために必要なのは下半身の筋力の強化です。体で熱を生み出す器官は筋肉なので、筋肉量が少ないと冷えやすくなります。そして人間の筋肉の70%以上は下半身にあると言われているので、下半身の筋肉を鍛えることが大事。下半身でも特に足の筋肉を鍛えると、筋肉のポンプ作用が正しく働いて、足に滞った血液が上半身にスムーズに押し流されるようになるので、全身の血流がよくなります。下半身の筋肉を鍛える方法としては、ウォーキングやスクワットなどでもいいですし、下記のような背伸び運動もおすすめです。

また、足の裏や指にはたくさんのツボがあり、刺激すると内臓の調子や自律神経が整いやすくなるので、以下のような足の裏こすりで刺激するのもよいと思います。足先の血行がよくなって、全身の冷え解消にもつながります」(南雲先生)

気付いた時には、背伸び運動!
足を軽く開いて立ち、両足同時にかかとを上げ下げする。この時、足裏の親指の付け根のあたりに刺激が加わるのを意識するとより効果がアップ。これを仕事の合間などにこまめに取り入れて。

ああ

足の裏こすりも有効!
足指をぐるぐると回す。次に、足指の間に手の指を入れて、指を広げたり、閉じたり、回したりする。左右の足の親指を組み合わせて、指相撲をするのも◎。また、お風呂で湯船に浸かっているとき、浴用ブラシや軽石などで、足裏の下から1/3くらいの部分の真ん中にある「湧泉(ゆうせん)」というツボを中心に、足裏をこするのもおすすめ。湧泉は、生命エネルギーが湧き出すとされるツボ。ここを刺激すれば、生命力がみなぎり、冷えも改善しやすくなる。指で刺激してもOK。

40代”秋冬の体調不良”を呼び込む「夏冷え」を放置しないで!解消3原則【40代 ヘルスケア】_1_4

漢方もおすすめ!

「冷えを改善するには、漢方を取り入れるのもおすすめです。西洋医学では病名がつかないと治療の対象としないので、冷えは普通の病院では診てもらえませんが、東洋医学では、冷えは、健康と病気の間の“未病”と捉えて治療の対象とし、漢方薬などで治療をしていきます。ですから症状がひどい場合は、漢方薬を扱っている病院を受診してみると良いと思います。

冷えといっても、冷えが起きている原因や、体質、症状は人によって違うので、病院では、詳しく問診を行って、その人に合った漢方薬を選んで治療をしていきます。
たとえば、冷えによって生理痛などの婦人科系の不調が出ている場合には、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)という漢方薬を用いることが多いです。
保険診療を行っている病院なら、保険も効きます。冷え体質を根本から改善したい人は試してみてください」(南雲先生)

 

「夏の3大不調」最終回:8/23(火)公開!

次回は、マリソル世代の多い夏の3大不調で、冷えの次に多かった「不眠」について、その原因や対策をご紹介!

イラスト/佐藤由実  取材・文/和田美穂 構成/原千乃

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