教えてくれたのは
産婦人科医・ヨガドクター 高尾美穂先生
ヨガなら運動不足による筋肉減少も不調も防げる
肩こりや疲れ目など、ちょっとした不調が出やすくなってくるアラフォー世代。さらに最近は、リモートワーク続きで生活スタイルが大きく変わり、ますます不調が出やすくなったという声も聞く。“そんな不調には、ヨガがおすすめです”と話すのが、産婦人科医の高尾美穂先生。その理由とは?
「リモートワークによって体に不調が起きやすいのは、朝起きる時間が遅くなったり、夜更かしをしたりと生活リズムが乱れ、自律神経のバランスがくずれることが大きな原因です。ですから不調を改善するために、まずなによりも大切なのは生活リズムを整えることです。できれば毎日、今までと同じような時間に寝て、朝も同じ時間に起き、食事も3食規則正しくとって生活のリズムを整えましょう。そして、これにプラスするとよいのがヨガ。30代半ばを過ぎると筋肉量がしだいに減っていきますが、リモートワークが中心になったことで筋肉を使う機会が減り、何もしないとますます筋肉が落ちていきます。ヨガならこれを防ぐことができます。特別な道具などを使わずに家で手軽にでき、運動不足で硬くなりがちな関節の可動域を広げられ、筋肉量を維持することができます。血流がよくなって自律神経のバランスも整うので、不調の予防・改善につながるのです」
さらに、ヨガを続けることでこんなメリットも。
「コロナ禍で外出する機会があまりないと、身だしなみや体型変化に無頓着になりがち。また、自分のちょっとした体調の変化にも気づきにくくなります。でも、毎日同じ時間にヨガを行って、体を伸ばしたり縮めたりしていると、“今日は腰が痛いな”とか“脚がむくんでいるな”などと、ちょっとした変化に気づきやすくなります。体の不調のほとんどは毎日の生活の中に原因が隠れているので、不調に気づけば、“昨日、猫背姿勢でパソコン作業を長く続けたな”などと原因もつきとめやすくなります。その原因を正しながら、不調の改善に効果的なヨガも行うことで、慢性化するのを防ぐことができ、早めの改善につながるのです」
レッスン①肩こり
レッスン②疲れ目
【POINT】
指の位置を変えながら、こりがある部分や、痛気持ちよく感じる部分を中心に、まんべんなく首の筋肉をほぐして。
レッスン③腰痛
レッスン④生理痛
レッスン⑤不眠
<<できない人は>>
加齢で衰える骨盤底筋を鍛えよう!
加齢や腹圧をかけることなどで骨盤底筋は衰える
下の図のように、骨盤の底にあるハンモックのような形の筋肉が骨盤底筋。
「骨盤底筋には、子宮や膀胱、直腸などの内臓を下から支える重要な役割があります。呼吸をサポートする横隔膜や、おなかの深層部を覆う腹横筋、背中の深層部にあり姿勢を安定させる多裂筋と連動して体幹を支え、おしりの大殿筋や、内ももの内転筋群とも連動しています。また、排泄をコントロールする役割もあります。この骨盤底筋は、加齢とともに緩みやすいほか、腹圧をかけすぎることでも緩むので、妊娠・出産経験がある人は特に緩みやすくなります。また、便秘でいきむことが多かったり、くしゃみや咳をすることが多くても緩みがちに。緩むと、尿漏れや、骨盤臓器脱、便秘、姿勢のくずれ、ぽっこりおなかなど、さまざまなトラブルが生じるので要注意」
この骨盤底筋を鍛えるにも、ヨガが効果的。
「下の2つは骨盤底筋をダイレクトに鍛えることができるポーズ。まだ骨盤底筋の緩みを感じていない人も今のうちからやっておくと、将来の尿漏れ予防になりますよ」
レッスン:フロッグライズ
<<できない人は>>
レッスン:ワイドスクワット
高尾先生が回答!アラフォー女性のBODYお悩みQ&A
A.「閉経の年齢は平均50.5歳ですが、個人差があり、40代で閉経する人も。だんだん生理周期が短くなってくるのは、加齢によって排卵後に分泌が高まるプロゲステロンという女性ホルモンの分泌量が減り、分泌期間が短くなるのが原因。加齢に伴って誰にでも起こることなので気にする必要はありません。ただ、そのまま40代で閉経してしまうかというとそうでもなく、その状態が長く続くことも多いです」
A.自分がしようと思っていない時に尿が漏れるのが尿漏れ。現代社会は昔に比べて体を動かす機会が激減したため、骨盤底筋が衰えやすく、出産経験がなくても尿漏れしやすい人が増えています。改善するには右ページで紹介したヨガなどで鍛えることです。尿漏れするので運動をしたくないという人もいますが、それでは衰えていくばかり。尿漏れパッドをした上で骨盤底筋を鍛えるのがおすすめ」
A.「在宅勤務だと、時間の使い方を自分でうまくコントロールしないと、ともすれば休まずに働き続けてしまうこともあり、今までより疲れるようになったという人も多いようです。仕事の合間には、必ずひと休みしてリフレッシュする時間を作りましょう。体を動かさずにいると気持ちが沈みがちですが、ヨガなどを取り入れて体を動かすと、気分転換にもなり、夜もよく眠れるようになって元気も出るのでおすすめです」
A.「コロナ禍の影響で、検診を受け控えしてしまう人も多いようですが、婦人科検診は1 年に1 回は受けるのが望ましいです。乳がんや子宮頸がんなど、発見が遅れると命にかかわる病気もあるので、定期的に検診を受けて早期発見・早期治療につなげることが大切。また、検診の結果によって、例えば、半年に1回は受診するようになどと、医師からなんらかの指示があった場合は必ずそれに従って検診を受けるようにしましょう」
A.「PMSは、ホルモン変動によって起きる症状で、正しくサイクルがめぐっているサインなので、まずはそれを認識しましょう。ピルや漢方薬などで緩和できることも多いので婦人科で相談を。また、PMSに悩む人の中に睡眠不足の人も多いので、自分の生活を見直すことも大事。それとともに、自分ひとりで悩まずに、家族やパートナーにもPMSのことを理解してもらい、家事を分担するなど協力してもらいましょう」
A.「加齢とともにエストロゲンが減っていくと、腟の伸びが悪くなっていきます。それに加えてセックスレスだと腟が萎縮しやすくなるので、たまにセックスをした時に性交痛が生じやすくなります。またセックスレスが続くと、卵巣がもう生殖の役目は終わったものと認識し、閉経が早まる場合もありますが、基本的にパートナーと話し合ったうえで、いろいろな選択肢があってよいと思います。」
A.「母親が更年期症状がひどかったからといって、子供もそうなるわけではありません。更年期症状が出やすいのは、生真面目な人や、自己犠牲型の人、なんらかの喪失体験をした人などで、性格や環境によるところが大きいです。症状が出た場合も、ホルモン補充療法や漢方治療など、現在はさまざまなよい治療法があるので、過度に恐れる必要はありません」
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