これまでにマリソルに何回も登場していただいた、整形外科医の中村格子先生と、産婦人科医の高尾美穂先生。おふたりとも医師として活躍しながら、健やかな体についての発信を続けています。女性の体や心、生き方などについておふたりに語っていただきました!
産婦人科医 高尾美穂さん
整形外科医 中村格子さん
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人気ドクター2人が語る「心も体も、ずっとご機嫌で生きるヒント」【前編】
整形外科 Dr.中村格子&産婦人科 Dr.高尾美穂、人気ドクター二人が語る、女性が幸せに生きるためのスペシャル対談
若さを保つ秘けつは自分にリミットを作らないこと
――先生がたは、いつもお元気で若々しいですが、いつまでも元気と若さをキープするコツを教えてください。
中村 まず、自分にリミットを作らないことですね。年だから無理と、自分で限界を作るとダメ。
高尾 そうですね。それから、10年後、20年後はどういう自分でいたいかをイメージするといいですよね。毎日忙しい生活の中でつい流れていってしまいがちだけど、どう生きていくか時々立ち止まって考えるのは、すごく大事だと思います。今のご時世、どこでどう働くかも選べるようになって自由度も上がりましたしね。やっぱり、やりたいことをやれている人が一番魅力的だと思います。
中村 あと、自分をほめてくれる人が近くにいるといいですよね。ほめられると自信になるし。
高尾 それと、ダメ出ししてくれる人も近くにいるといい。私は年上や年下の年代の違う友達ももつようにしているんですけど、けっこうバシバシ、ダメ出ししてくれてありがたいです(笑)。コロナ禍の自粛期間中にコミュニケーションを取れる相手がいなかったと、孤独感を感じている人も多いですが、今後のためにもこの人とは時間と空間を共有したいと思えるような人を何人か作っておくといいですよね。
――40代はキャリアアップも大きなテーマになる世代ですが、先生がたは、どのようにされてきましたか?
中村 私は、かつて地方の病院で働いていたんですが、離婚を機に42歳で東京に戻って、国立スポーツ科学センターに勤務しました。そこは5年間の期限があったので、その先を考えながらも、開業してやっていける自信はありませんでした。でも、そのころ出版した『大人のラジオ体操』が人気になり、もしかして今なら大丈夫かも……?と考えて、47歳の時にクリニックを開業しました。でも経営なんてしたことがなかったからすごく大変で。最近になってなんとか軌道に乗ったんですが、本当に勉強になりました。
高尾 私も実は大学病院を辞めた時、開業するつもりだったんです。それで表参道あたりで物件を探していたら、たまたま新しい婦人科のクリニックの求人情報を見つけて。どんなところだろう……? と思って面談を受けたら、方針が自分の考えと一致していて、そこのかたからもぜひ一緒に仕事をしたいと言われたんです。それで、それもいいかなと思って勤め始めたのが今のクリニック。おかげで今、自分がやりたい活動もできているし、結果的によかったと思っているんです。
中村 運やタイミングはありますよね。
高尾 そうですね。運とタイミングは、準備ができると訪れると思うんです。だからいつチャンスが訪れてもいいように、やるべきことはやっておいて準備万端にしておくといいですよね。
中村 30代はお金やキャリアのために仕事を頑張っても、40代になったら、大義や人生観のために頑張ることも必要かなと思います。使命とか社会貢献とか、人のために働くことを考えられるといいですね。
生き方も多様な時代。それぞれに喜びや苦労が
――アラフォー女性は、既婚、未婚、子供の有無と、生き方が分かれてきて、それぞれ、悩みも多いようです。
中村 私の場合は30代から40代にかけて、子供が欲しくてしょうがなかったんです。子供がいないのは一人前じゃないんじゃないかとか、すごく葛藤があって。そういう人ってアラフォー女性に多いと思うんですよね。でも子供がいたらいたなりの苦労はあるし、子供がいなくてもすばらしい人生もあるなと、最近になってやっと思えたら楽になりました。今はクリニックのスタッフの子供を、自分も一緒に育てている気持ちでフォローしたりしています。
高尾 自分だけ子供がいないという悩みをもつ女性の相談は多いんですよね。私は結果的に子供がいない選択になったんですが、もし子供がいたら、今みたいな仕事の仕方ができていなかったと思うので、人生ってうまくできているなと思います。まわりには一緒に働いていた看護師さんをはじめ、自立した女性が多くて。シングルの友人も多いから、将来みんなで一緒に暮らそうね、なんてよく話してるんです(笑)。
中村 40代は生き方がそれぞれ分かれていく世代だけど、他者も自分の状況も受け入れる包容力があると、その先の人生、豊かになるんじゃないかな。
高尾 いつかみんなお互いさま、って言えるように社会がなっていくといいですよね。あと隣の芝生を見て、幸せになれないのはもったいない。結婚していて子供ができなかった人も、夫婦で仲よく生きることをゴールにすればいいんです。結婚していても子育てが終わったら、そこから先はまた別の人生という考え方もありの時代。まだ人生半分あるから、その先どう生きたいか考えてみるのもいいですよね。
自分の今の立場や環境で楽しく過ごせる選択を
――まだまだ長いこの先の人生を、で きるだけご機嫌に生きていくには、どうすればいいでしょうか?
高尾 ご機嫌でいることは自分の決意だから、今日は機嫌よく過ごす ! と決めて、自分の機嫌は自分で取るべき。好きなものを食べるとか、好きな人と過ごすとか、自分がご機嫌でいられる環境整備から始めるといい。タオルを好きなものに変えるとか、小さなことから始めればいいと思います。
中村 好きな物や人に囲まれていることって最高ですもんね。
高尾 シングルの人や、子供がいない人は、寂しさはあるかもしれないですが、子供にお金がかからないぶん、自己投資できますしね。自分の今の立場や環境で、楽しく過ごせる選択をすればいい。今日をいい状態にしておけば、明日もいい状態になりますから。
中村 そうですよね。人と比べて、私ダメだわとか思わずに、鏡を見て、“私って最高 ! まだまだいける !” って思うくらいがいい ! (笑)
高尾 そうそう、みんなもっと欲張りになっていいと思うんです。何かを得るには何かをあきらめようと思いがちですが、アウトソーシングできる今の時代、人にまかせられる部分はまかせてどっちも手に入れればいい。今はスマホで何でも見られますが、自分で見て、体験をするのは全然違いますから。
中村 長い人生って言っても、明日死ぬかもしれないですからね。やりたいことがあるのに、“いつか”と思っているんじゃなく、今すぐやりましょう ! アラフォー女性の未来が輝くものであるよう、応援しています!
【高尾先生のパワーの素】
(右)高尾先生と暮らす3 匹の愛猫のうちのななちゃんときーちゃん
(上)無類の読書好きの高尾先生。ヒトの進化に興味があり、最近は人類学者の長谷川眞理子さんの本にハマり中
【中村先生のパワーの素】
右)子供のように可愛がっている愛犬ミルキー
(上)愛読書『話す技術聞く技術』。「開業したころに読み、会話をスムーズにするコツが学べました。マリソル読者のかたにもぜひ!」
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