志波 ヴェルメイユとは、フランス語で深みを帯びた赤のこと。心に秘めた情熱やリップカラーなどと共に、年齢を重ねるごとに深みを帯びていく成熟した女性を連想させることからブランド名に決まりました。
横川 セレクトショップのオリジナルには、買い付けしたインポートの尖ったところを補足する役割があります。それはシンプルなクルーネックやカーディガンなど、個性の強いアイテムと着る人とをつなぐような立ち位置。でも私自身、オリジナルはオリジナルとして他にはないもの、そして程よくトレンドを感じられる物づくりをしたいと思ってきました。スタイルを持っていて物の良さを見抜く審美眼に優れたパリの女性にも選んでもらえる、そんなオリジナルを目ざしています。
横川 素材から作っているものも多く、特にプリントにはこだわっています。例えば、ブランドの名前をロゴとしてデザインした柄は手描きで書き起こしたものを図案化。何度も何度もやり直してベストなバランスに仕上げました。VとLを組み合わせた初めてのモノグラム柄は青山店の壁や絨毯にも採用され、今ではブランドのシグネチャーとして愛されているのがうれしいですね。
武見 オリジナルに個性があってデザイン性もしっかりしていることに加え、着る人を素敵に見せることにこだわっているので、同じようにデザインの強いものをバイイングすると服同士がケンカしてしまい、スタイリングができなくなってしまいます。それらを考慮して行う買い付けでは“若い頃に買ったお気に入りを今も大切に着ている”という、パリの女性が得意とするヴィンテージセルフ的な提案ができたらと。オリジナルと多様性を重視した買い付けアイテムを組み合わせることで表現できる、ヴェルメイユらしい世界観をもっと極めていきたいですね。
志波 自分がしっかりと確立した個性豊かなパリのマダムたちは、白髪が増えたことや若い頃とは体型が違ってきたことにも臆せず、生きてきた様を隠さずに堂々としています。そういう女性像をみんなで共有して作り上げているのが「ヴェルメイユ パー イエナ」。新しいおしゃれに挑戦してみよう、と思っていただけるショップを目ざしています。
【後編はこちら】
後編では、横川さん・武見さん・志波さんの「推しアイテム」も登場!
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「おしゃれをすることでポジティブの連鎖を感じて」 ヴェルメイユ パー イエナ|後編【私のおしゃれフィロソフィVol.7】
品の良さや知性を感じるパリマダムのような成熟したおしゃれを目ざす大人から注目されている「ヴェルメイユ パー イエナ」。大人に愛される理由とは?
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「リアルにこだわり、この先もずっとスタイリングしていたい」 スタイリスト 徳原文子さん【私のおしゃれフィロソフィ Vol.6】
人気ブランドを牽引するデザイナーやディレクターにインタビューを重ねてきた連載に、スタイリストが初登場。好きなことを仕事にする女性たちが増えている昨今、彼女たちの生き方やファッション、仕事での努力を取材した。
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「人生を旅する女性に寄り添い、一緒に成長して行けるブランドでありたい」カレンソロジー ディレクター 坂田乃吏子(のりこ)さん【私のおしゃれフィロソフィ Vol.5】
多くの人たちに支持されるブランドには理由がある。それはデザインだけにとどまらず、作り手の思いがしっかりと息づいているかどうか。ブランドを牽引するデザイナーやディレクターにその思いをインタビュー。連載5回目は、カレンソロジーのディレクター、坂田乃吏子さんに話を伺った。
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「みんなのベーシック、みんなのスタンダードになれたら」TICCA デザインチーム【私のおしゃれフィロソフィ Vol.4】
多くの人たちに支持されるブランドには理由がある。それはデザインだけにとどまらず、作り手の思いがしっかりと息づいているかどうか。ブランドを牽引するデザイナーやディレクターにその思いをインタビュー。連載4回目は、チームで服作りを続けるTICCAのメンバーに話を伺った。
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「中庸でその人らしさが香る余白を大事にしたい」 YLĒVE デザイナー 田口令子さん 【私のおしゃれフィロソフィ Vol.3】
多くの人たちに支持されるブランドには理由がある。それはデザインだけにとどまらず、作り手の思いが息づいているかどうか。6月から始まった新連載では、ブランドを牽引するデザイナーやディレクターにその思いをインタビュー。連載3回目は、YLĒVEの田口さんに話を伺った。
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「ファッションには足りないものを補う力がある」Whim Gazette ディレクター&デザイナー 若林美緒さん【私のおしゃれフィロソフィ Vol.2】
多くの人たちに支持されるブランドには理由がある。それはデザインだけにとどまらず、作り手の思いが息づいているかどうか。6月から始まった新連載では、ブランドを牽引するデザイナーやディレクターにその思いをインタビュー。連載2回目は、Whim Gazetteの若林さんに話を伺った。
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【Marisol世代が支持するプロに聞く! 私のおしゃれフィロソフィ Vol.1】Chaos ディレクター・櫛部美佐子さん
多くの人たちに愛され、支持されるブランドには理由がある。それはデザインだけにとどまらず、作り手の思いが息づいているかどうか。今月から始まる新企画では、ブランドを牽引するデザイナーやディレクターにその思いをインタビュー。記念すべき連載第1回目は、自他ともに認めるスーパーポジティブ マインドの持ち主、Chaosの櫛部美佐子さんに話を伺った。