おかげさまで当初は月に2回更新のお悩み相談の予定だった当連載、多くの方にご覧いただいたようで、始まって早々毎週更新となってしまいました。
どんだけ悩んでるんだ!
では今日の質問です。
まいったね。
ケビ子も似たような経験があってだね。
先日、母ちゃんと姉と不二家レストランに行ったんだが、母ちゃんは数十年来の不二家のホットケーキファンだから迷わずホットケーキ、姉は無類のチョコレートパフェ好きだから当然チョコレートパフェを頼む。
ケビ子はあれも美味しそうだ、これも美味しそうだと迷いに迷ってショートケーキを頼んでしまった。
運ばれてきたホットケーキの上でとろけるバターとチョコレートパフェがうらやましくてうらやましくて、自分のチョイスを後悔したのだ。
人のものって良く見える。
これが言いたかったんだが、ただの食い意地の張った熟女の集まりというイメージしか浮かばないのは、我の筆力の至らなさである。すまない。
①あなたが素敵だと思う相手は、奥さんや彼女がいるからこその気遣いや身なりの良さである。
②結婚してる人は余裕があるからそう見えるのだ。
まっとうな意見だと思う。
①素敵な男は嫁または彼女が作った説。実際にそういう人もいるだろうが、私の周囲に夫を立てて尽くして「これで部下にごちそうでもしてきたら?」と臨時ボーナスを渡すような女はいない。女のセンスが良くて、ワイシャツの下に黒いスターウォーズのTシャツが透けて見えていた男がスタイリッシュになった、などはあるのかもしれないが。いや、あるのか?そもそもそういう男を選ぶのか?
現在素敵な人は、元から素敵である可能性が高い気もする。
②確かに嫁探し・彼女探しをする必要がない場合、「こんなこと言って嫌われたらどうしよう」の様な、きょどった思考が消える。自然体でカツ丼をかき込み、笑顔で80デシベルのゲップをしようと「ワイルドね♪」と思う女が出てくるものだ。
ゲップは極端だが、自然体の男が妙に魅力的に見えるのも理解できる。
すでに相手がいる人だから、はい、諦めなさい!というのは簡単である。
しかしながら不適切な関係を勧めるわけにもいかない。
そりゃそうだ。周りを見回しても、40前後なんてたいがい結婚しているものだ。
その相手は若くして出世し、新しいサービスをどんどん世に送り出すスーパーマンのような男なのに、ユーモアを愛し、薄毛に悩んでいた。
他を圧倒する存在感。たいしてイケメンでもないのに後光がさして見えるほどのときめきを感じながらも、冗談を交わすのが精一杯で、二人の関係をどうこうしようなどと思っても叶うはずがなかった。
それがなぜか、ケビ子のギャグセンスが買われて、彼の方からメールが頻繁に来るようになった。
そうなると後は早い。たわいないメールの次に食事に誘われるようになった。
ここまで来ると、「なんだ、結局この程度か」と目が覚めてしまった。あちらがなびいてくると逆に引いてしまったのだ。
スカイツリー級の上から目線で書いているが、結局手に入らないものだと思っていたからときめいていたのかもしれないし、その男がこちらに気に入られようと発したジョークで声がちょっと震えていたのをキャッチした時には、もう「ウヘェ~」となってしまった。
相手がすでにいる場合の恋慕は一種寄り道に近い活動となろう。相手の一番にならなければ結婚できないのに、何の保証もないのだ。待っている間に婆さんになってしまう。
「すっぱいブドウ」というイソップ童話がある。
キツネが高い所にあるブドウが食べたくて何度か跳び上がるが届かない。最後には、「あのブドウはすっぱくて食べられないや」と言って立ち去る。
カウンセラーの資格を取ったときに、フロイト心理学で言う「合理化」という自我の防衛機能だと教わった。
手が届かない事柄、できない事柄に対しての言い訳を見つけて、自分を納得させるというものだ。
片思いだから素敵に見える。
いざ恋人になったら面倒が多く、素敵な人が素敵なままでいられるか。
残るは意地だけではないのか。
こうして冷静になりながら「あの男は近寄ると口が臭いからキッスできん」と合理化すればそれでよいのだ。
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43歳で(やっと)結婚。
仕事で培ったフットワークと屁理屈と知恵をフル活用してゴールイン。奴さん(夫)は夢見る世話焼きロマンチスト。Instagram(@kbandkbandkb)