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「乳がん告知と夫の涙」【ケビ子の乳がん・ニューライフ vol.8】

第8回目 「乳がん告知と夫の涙」先生から病状の説明を受けていたら夫が泣いていた!

不慣れなMRI検査では初めて知ることが多かった。今後の治療や検査も視野に入れて生活をしていかないとならないのだね。

乳がん・ニューライフ (第7回はこちらから)

第8回目は検査の結果を先生から聞く。長かった魔の不安定期間を経ていよいよケビ子はがん患者になる。

【乳がん告知と夫の涙】
MRI検査を終えて、14時には主治医と診察の予約がある。
夫も同席し、検査結果を聞くのだ。
夫は少し早く到着した。


去年の今頃、夫は父親を食道がんで亡くした。一年経って今度は妻に何かあったらと食欲をなくし、一人考えている様子を度々見かけた。


ほどなくして診察室に呼ばれ、先生から一連の検査結果と病状の説明を受けた。


結果は乳がん。


画像で見ても明らかに様子が違う白い影が存在感を発揮していた。
針生検で時間がかかったのは、通常のがんであれば、針で組織を取ったときにしっかり組織が取れるのが、やわらかいものが少し付いてきただけで普通と違う様子であったことから検査に時間がかかって、CTの検査日程を変えたという経緯を夫にもしてくれた。
病理担当と先生の経験からおそらく嚢胞の中にガンのしこりがある、ということだろうとのことであった。
つまり、触ってわかるしこり全部がガンではなくて、それは嚢胞であり、その中にガンがいる。
超音波検査の時に嚢胞かもしれない、と言われたことがその通りだったようだ。


ミートボールにチーズが入っているような、そういうイメージだろう。このイメージがあっているかはわからないが何せ空腹なので、こういうイメージしか湧かない。


実は年明けに首に大きなしこりが出来て唾を飲むのも苦労するほどであったために、すぐに病院に行った。ここでも針で検査をしてもらったがしこりを作っていたのは水で、嚢胞だと診断された。水を抜いてもらい定期的に様子を見るが、ひとまず病気ではないという診断を受けた話も先生に共有はしていたが、今年に入って嚢胞ができやすい体になってしまったのかもしれない。
嚢胞頻発症候群である。そういう病は当然ない。


いずれにせよ、わが乳がんはそういう状況である。
私の乳がんタイプはルミナールA。進行速度は5%。進行度が14%以上だと非常に速いと言われているが、5%と遅いタイプ。
今のところリンパ節、多臓器への転移なし、乳房温存手術が出来そうだとのこと。


隣を見ると夫が涙をぬぐっていた。「去年父を食道がんで亡くしたので、非常に心配していました。命に別状がひとまずないようで安心しました」と。
えー命に別状とかって次元で心配してくれていたのか! 今の私は空腹で胃に別状ありだが、そういう冗談はとても言える雰囲気ではなく、私以上に深刻に悩んでいた夫を見て心の底から驚いた。



「乳がん告知と夫の涙」【ケビ子の乳がん・ニューライフ vol.8】_1_1
【すぐに落ち着いた夫】
検査結果を聞いて命に別状なしとのことで安心したのか、いつもの屁理屈おやじに戻った夫は妻の入院前検査(採血、身長、体重など)は待ちきれず、何だかのケーブルを見たいとヤマダ電機に行ってしまった。
しかし去り際、「病院代は心配するな」と捨てセリフを決めて。

【魔の不安定期間】
自覚症状→診察→検査→そしてこの日の検査結果が出るまでを魔の不安定期間と呼ぶようだ。


ガンだったらどうしよう。
ガンだとして、ステージはどのくらいだろう。
他の臓器に転移はないか。
同じ症状の人はどういう治療をしているのだろう。
今現在のQoLを維持できる生活が送れるのか。
お金は足りるか。
仕事は休めるか。
家族にいつどうやって伝えるか。

病気が確定するまでが一番の精神的苦痛を感じた。
ないと思っていたものがあるかもしれない。イエスかノーかがわからない不安さ。
イエスかノーがわかるとイエスの範囲でできることを探す。私は希望を見つけるのが上手いタイプなのかもしれない。


先生から正式に乳がんの告知を受けて良くも悪くも気持ちが治療へと切り替わることを感じ、病院の帰りに再び合流した夫と日高屋でレバニラ定食を決めて帰宅した。
朝昼抜きの胃袋に染みわたる脂と糖分。スタミナ十分である。


つづく

*次回【Vol.9】は4/8公開予定です
 
※この記事はケビ子さんの体験に基づいて書かれており、2021年12月現在の情報をもとにしています。
治療等の条件はすべての方に当てはまるわけではありません
カモチ ケビ子
43歳で結婚、47歳で乳がん。
心配性の夫、奴さん(やっこさん)はなぜか嬉しそうに妻の世話を焼いている
Instagram(@kbandkbandkb)

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