お悩み相談、110回目です。
今日の質問です。
生まれてこの方愛着がある名前は男性だけではなく女性も同じだと思います。ただ、私は結婚したらどちらかの苗字になる、同じ苗字になって家族になるのだ、という思いはあって別姓を希望するわけでもないんです。うまく言えませんが、結婚するとなると、女性が男性の苗字にするのが当たり前の前提で話をされると軽くあしらわれたような気持ちになってがっかりしてしまったのかもしれません。
きっとこのまま彼の苗字になるのだとは思いますが、もやもやしたままではなく自分なりに気持ちを整理して彼に思いを伝えたいと思いますが、今のままだとあなたの苗字に変えてやるといったやさぐれた気持ちが出てしまう気がします。ケビ子さんが同じ立場だとしたらどのように話をするか、ポイントを教えていただけると本当にありがたいです。よろしくお願いします。
こんな大きな相談、ケビ子にするの?
昔話をして恐縮だが、ケビ子が就職した約27年前は(そんなに前・・・)30代で独身って嘘でしょう? 結婚しても会社を辞めないって可哀そう、などと今では信じられないムードが充満していた。お嫁さんというのは結構なパワーワードで、「家事手伝い」という謎の属性は寧ろお嬢さんの象徴として堂々としていたものだ。
キャリアを積もうという女性もそれほど多くなく、まして結婚して家庭も円満などという背中を追いかけたいと思うようなワークライフバランスを取っている女性の先輩社員なんてほぼ見当たらなかった。
何が言いたいか、ケビ子世代だとそうした環境のせいもあって結婚=(男の)家庭に入るという意識が強い世代だったため結婚するなら男の苗字になることに何ら違和感がない方がマジョリティであったし、何なら片思いをしていると夜な夜なノートに男の苗字に自分の名前を組み合わせて100回くらい名前を書いてはうっとりしたものである。ケビ子だけかもしれないが。
だからご相談者もそういうものだとして苗字を変えてみたら? という話ではない。
我々の意識は環境に大いに左右されるものであること、そして現代は夫婦別姓議論や女性活躍、男女平等、そうした時代なわけで、男が養ってくれるわけでもないのに男の苗字に変わる前提ってなんじゃらほい? とキャリアアップにいそしんでこられたご相談者が疑問に思うことに何ら異論はありませんよ、ということが言いたかったわけなのです。長くてすまない。
一方で、苗字を変える変えないという議論は広くあまねく女性の議題としてとらえられがちなのだが、ケビ子はこれはそれぞれ家族の話だと思っている。要するに結婚する相手としっかり話をしてね、ということ。
民法では婚姻に際し、どちらかの苗字に合わせてね、という定めはあるものの男性の苗字に女が変えなさいとは言っていない。夫婦別姓は認められていないが、どちらかの苗字を選ぶかは当人次第である。
お気持ちを察するに、そうは言っても結婚したら仕事もフルタイム、おそらく家事負担も完全分担にはならず女性の負担が多いだろうし、正社員で稼ぎだって大きな差がないとしたら、女性ばかり大変じゃない? 今どき嫁入りって感覚もないのに。
それなのに当たり前のように俺の苗字に変える前提って、理解できるように説明してくれる?となるのは大変に同情する次第なのです。
お相手の方も周囲の結婚事例を見ておおよそ男性の苗字に変えるケースが多いといった慣習や、自分の家族親戚の実例をベースに話をしているのだろうから、率直に自分が今の苗字に愛着を持っていることと苗字を変えるにあたって男性の苗字に躊躇なく変えるという前提には違和感があることを伝えてみる。
ケビ子だったら「自動的にそちらの苗字に変えるという簡単なものではないのだよ」ということは伝えて、親への挨拶時の重みづけにしたい。
ケビ子の例で恐縮だが、過去に結婚をしたいと言われたことがあった。交際はしていないものの頻繁に会う後輩から突然結婚の打診があったのだ。
しかしながら仮に彼と結婚したら名前がケビ田ケビ子になってしまう、ケビ子の下の名前と1文字違うだけの苗字の持ち主であった。
そこで、「名前がのび太みたいになっちゃうから嫌だよ~」と断ったところその後輩は「そんな理由?だったら俺がいくらでも苗字を変えますよ」と言った。論破されても困るので走って逃げた。
このように、こだわりがなくフレキシブルに対応可能という男性もいるのだ。あくまでも話をしてみてわかることである。
一方でご相談者は夫婦別姓を希望するわけでもないから、入籍を機に家族として(どちらの苗字を選ぶにせよ)同じ苗字を名乗り人生を共にしていく決意表明をする機会としたらどうだろうか。
とにもかくにも不貞腐れて察してちゃんをするよりは、率直にわだかまりがなくなるまで思いを話てみて欲しい。いざ家族となったら、こうしたお互いの前提条件がそもそも違った! ということが出てくるものだから。
43歳で(やっと)結婚。
仕事で培ったフットワークと屁理屈と知恵をフル活用してゴールイン。奴さん(夫)は夢見る世話焼きロマンチスト。Instagram(@kbandkbandkb)音声配信アプリVoicy でもアラフォー婚活に役立つ情報を配信しています!
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