お友達を作る時に、ひとつやってはいけないことがあります【小説・じゃない側の女 番外編~ご機嫌悪くない側の女 Vol.9】

2018年12月23日
【連載第9回】好む好まざるにかかわらず「じゃない側」からはそう簡単に抜け出せない。すべてのアラフォー女性に送るWEB連載小説の番外編『ご機嫌悪くない側の女(Side結花)』
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「否定できない……」

「ね? たまに説教してもらうと改めて気づくでしょ。頭ではわかってるつもりでも、実のところ何かを変えようとは全く動けずにいる自分を、言葉にして説教してくれる人がいるってのは、ありがたいってことよ」

「そう言われると……そうだね、ありがとう」

「どういたしまして。そういえば真木、お風呂には例の酵素の入浴剤入れてる?」

「うん、理沙がくれたあの酵素、いいよ。芯からぽっかぽかにあったまって、ベッド入った瞬間コテンって落ちる。この前、大量買いしたから、今度結花にもおすそ分けしようか? 今、入手困難らしいから」

「うん、欲しい」

「わかった。じゃ、次回忘れず持ってくるね。マスター、帰るからチェックしてー」

「ちょっと真木、何急に締めてるのよ、焦るじゃない。このアサイーボウルとブドウ食べ終わってからにしてよ」

「先に締めておけば、すぐ帰れるでしょ。ブドウ残ったら持ち帰りなよ、せっかくマスターが“理沙に”くれたんだから」

「えー、ここでみんなで食べようよー」

ぶーぶー理沙に文句を言われながらも、テキパキと締めの合図を送る真木に、遠くからマスターがOKサインを送り返してくる。

そんなこんなで、突如、少し急ぎ目にアサイーボウルを食べはじめる私たち。

「平日の完全オフ日を設けたということは、これからは結花も、何カ月かに1度位は一緒に美味しいもの食べたり、飲みに行ったりできるね」という理沙に、

「なんで? 結花の自由時間は月3でしょ? もうちょっと会えるんじゃない?」と、時々アサイーボウルのアイスのキーンとくる冷たさに額をうーんと抑えながら、懸命に食べ続ける真木が問い返す。

「何言ってるのよ、貴重な月数回のオフを、毎度あたしたちとばっかりつるんでるなんて、勿体ないでしょ。結花には結花の付き合いや会いたい人や、したいことが、それなりにあるわよねえ?」

と、なぜか意味ありげな笑みを浮かべてみせる理沙に、“そーゆーの”はないって!と返しながら、今日のこの女友達との時間は、きっと理沙お勧めの「酵素入りお風呂」ばりに、日々溜め込んだ諸々のデトックスになった気がして、無性にありがたく、愛おしく思う。

といっても、他愛ない話を延々し続ける同じ女同士の集いすべてが、そんなデトックス感あふれる爽快なものばかりか、というとそうではない。むしろ逆に、ひたすらどんより疲労するばかりの飲みもある。

その違いは何か。それは明快だ。

全員で誰かの何かの悪口や文句をたれて非難しまくり、ののしる集いか、そうじゃないかの違いだ。

一見不平不満を吐き出すことですっきりしそうな気がするが、実は違う。全く違う。ネガティブな発言や悪口、非難に終始するような女子会は、「ネガティブな感情」と結果の増長と「倦怠感」しか、実のところ生み出さない。

先日、娘の小学校の先生が言っていた。

「お友達を作る時に、ひとつやってはいけないことがあります。それは誰かの悪口を一緒になって言うことです。そこにいない誰かの悪口を一緒に言うと、なんだかとっても気が合ってとても仲良くなれたかのように思うかもしれません。でもそれは、お友達を作ったのではありません」と。

まだ幼い子供たちが、先生の真意をどの程度理解できたかはわからないが、私はぜひ、子供たちには、心のどこかに先生の言葉を留めおいて育ってもらいたいと思った。

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