衰えることなくパワーアップする美しさの秘訣は、人のためにキレイであろうとする心【小説・じゃない側の女 番外編~酸化に負けない側の女 Vol.5】

2018年10月24日
【連載第5回】好む好まざるにかかわらず「じゃない側」からはそう簡単に抜け出せない。すべてのアラフォー女性に送るWEB連載小説の番外編『酸化に負けない側の女(Side理沙)』
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え?「歯」じゃなくて「毛」?しかもブラジリアンって……。結花が? びっくり! 笑う前に、びっくりでしょう。

男前かつ清楚な涼し気美人の結花の口から、あまりに予想外のワードが飛び出して、まじめに驚いた。

「えーっ、どこ? V? I? まさかO?」

「まずはV。というかVだけでいいわ」

「今から? 何のために? もう別にいいでしょ、適当で」

結花にはそんなところで変な色気出してほしくない!という思いからか、もうこの歳でいいでしょ?と、思わず責めるような口調になってしまう。

「でもね、これからは今よりもっと子供たちを海やプール連れて行くようになると思うの。海行ったら、一緒に遊んであげたい、つまり自分も水着になりたいじゃない? だけど、ビキニの上にラッシュガードとか、パレオが手放せないとか、何かしら布で覆っておかないと心配な下半身のママって言うのも、なんか残念じゃない?」

あー……。なるほどその2だ。

結花さん、これまた、ごめんなさい。

「夜」の「女」としてじゃなくて、「昼間」の「母さん」業を考慮してのことでしたか。思い至りませんで。あちらの毛の処理なんていうから、いまさらなにか色気づいたのかと思ってしまってアタフタしてしまった。

すみません、あたしが低俗でした。

歯にしろ、毛にしろ、結花は若く見せたい!とか、好感度上げたいとか、自分の評価を上げたいなんていう独りよがりの理由からではないのだね。

歳とともに衰えることなくむしろパワーアップする美しさは一体どこから? なぜ? 子供を産んでもなお、なぜ劣化しない?と思っていたが、答えはこれなのかな。つまり、自分の満足のためじゃなく、人のために、誰かのためにごく「普通に」「さらりと」キレイであろうとするその心の在り方。だとしたらほんと、参りますよ……とひそかに心の中で苦笑してしまう。

結花は、美人というより、美しい人ってことかな。と。

ちなみに、毛といえば、かくいうあたしは、20年以上前、当時夢中になっていた彼氏=マレーシアの資産家(の息子)君の切実なるご要望にお応えし、とうの昔にアンダーはツルツル&すべすべなのです。

今でこそ、美容の一つ、女性のみだしなみの一つと、芸能人やモデル女子らが堂々と話題にできるくらいそちらの処理もメジャーになった。サロンだって代官山や恵比寿、広尾に麻布に六本木……と、素敵な街に続々と、しかもかなりリーズナブルなお値段でここそこにサロン展開されている。が、20年前は今みたいにスマホですぐさま探すことはできなかったし、そもそもそんな店舗数もなくて、怪しげな街の怪しいビルのお店でかなり不安な思いをしながら、そこそこのお値段払って処理してもらった記憶がある。

歯のホワイトニングといい、あちらの毛の処理といい、気づかぬうちに、なにかと時代の流行の先は行ってたんだなあ、あたし。

先を行き過ぎて、まだ今ほどツルすべがメジャーではない時代だったから、マレーシアの彼と別れたのち、何人かの日本人彼氏には、しばしばひかれたこともあったけれど、お手入れが楽で何より衛生的!というのは揺るがぬ事実。行きがかり上とはいえ、結果オーライだったと思う。

もう何年も全く思い出すことがなかった「毛=不潔」と何度もあたしに説いたあの富豪の彼は、今頃どこかの空の下で幸せに暮らしているだろうか…。

雲一つない真っ青な大空を見上げ、思わずひとり、遠い日の恋を思い出す。

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