「ちゃんとした人」だとか
「幸せそうな人」だとか、
「分別がある大人の女性」だなんて、誰かに思われなくていい。思っていただかなくていい。
誤解を恐れずにもっといえば、自分の子供たちにすら、「自慢のいいお母さん」だなんて、思ってもらわなくてもいい。
だって、一度しかない自分の人生、「誰か」じゃなくて「私が」幸せだと思う人生を生きる以上に、大事なことなどないのだから。
と、ここだけ切り取られると、なにやら傲慢で嫌な女に聞こえるかもしれない。
でも信じているのだ。私がさまざまな出会いと別れの中で私自身を磨き、磨かれ、自分を潤わせ成長させ続け、自分を大切に幸せにできたその先に、そんな自分が向き合う子供の、夫の、そして大事にする人たちの幸せが繋がっていないわけがないと。そう私は信じている。
だから私は、
いい男ともまだまだ出会いたいし、出会えるような女であり続ける。そう決めている。
平均寿命、女性は87歳だっただろうか。とすると、今まさにちょうど半分。
だとしたら、生まれてからこれまでに出会った男の数と同じだけ、これから先もまだ思わぬような人に出会えるはず。そう思えば、歳をとっていくのもワクワクするというものではないか。
自分への期待、これからの自分への期待は力になる。人に期待するより、自分に期待。そっちの方が、いろんな意味でとっても健やか。
だから私は、ずっと自分に期待する。
妻になっても、母になっても、なんでもずっと変わることなく、何からもおりることなく、現役のままの自分に、これからもずっと期待したい。
そう、期待する。
(小説・じゃない側の女 番外編〜現役をおりない側の女(Side結花)完)
▶︎次回のじゃない側の女 番外編は12月上旬更新予定
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