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劣化?変化?40半ばの不調は、なんでもかんでも“あれ”のせい?【小説・じゃない側の女 番外編~汗が止まらない側の女 Vol.8】

【連載第8回】好む好まざるにかかわらず「じゃない側」からはそう簡単に抜け出せない。すべてのアラフォー女性に送るWEB連載小説の番外編『汗が止まらない側の女(Side真木)』
女性の健康
版権:alesjab/Shutterstock.com
もし今、音声オフで遠めから、このなんともほどよい大人の色気を醸し出す女たちを見ている人がいたとしたら、よもや彼女らがキャッキャキャッキャと「吹き出す汗」や、「発するニオイ」ネタで盛り上がっているなどとは誰も思わないだろう。

でもまあ、こんな話で延々盛り上がれる私たちは、それぞれいろいろあるけど、ぼちぼち平和なんだろうな……と思う。何も考えずに笑っていられるこんな時間が、今の私にはとてもありがたい。

必死に頭のニオイを嗅がれないようにジタバタしながら結花ともみあい中の理沙が、本日なにげなく口にした、最近ちょっと気になるキーワード。

更年期。コウネンキ。

40代半ば過ぎてどこか不調になると、とかく「更年期の影響かもね」と言われることが多くなる。でも、そんなになんでもかんでも更年期によるもの、ホルモンバランスの乱れのせいかは、正直謎。

ただ、家だって電化製品だってジュエリーだって家具だってなんだって、経年劣化は避けられないように、この歳になれば、人間も多かれ少なかれ、誰でもちょっとは不具合が出はじめたり、どこかしらネジがゆるんできても不思議はない、とも思う。

それでも、その状況を、「劣化」ではなく「変化・エイジング」ととらえて、独特の味わいとかニュアンスが出て来た革製品を楽しむかのように、私たちも自分自身の変化を楽しめたらいいのに。……なーんて言ってはみるけれど、そんなことなかなかに難しいこともまた、わかってる。

だっておそらく、長きにわたって「変化」を「楽しむ」には、日ごろから自分という素材を、長くよい状態で使い続けるための「お手入れ」が大切で、その「お手入れ」そのものを「楽しむ」ライフスタイルにシフトできてこそ初めて、「経年の変化」を「味わう」ことができるようになる気がするからだ。

だとすると、今の私はなにしろその「お手入れ」「メンテナンス」そのものを、あまりにしていない。していなさすぎる。

時に胃が痛かったり、だるかったり、物忘れがひどかったり、生理のサイクルが短くなったり、ほてったり、汗が出たり、イライラしたり、心臓がふいにドキドキしたり……いわゆる「更年期障害の症状例」に挙げられるようなあれこれは、ちょいちょいわが身におきはじめているけれど。

今はまず、理沙に言われたとおり、どれだけ会社や仕事が過酷でも、過労で倒れこみそうになって帰宅しようとも……いや、だからこそ、「普通の生活を普通にする」ところからはじめようかな。

丁寧に、普通の生活を普通にする。

おそらく今の私にとってはそれが、だいぶ先のいつの日か、自分の経年変化を楽しめる私につながる「お手入れ」の第一歩目のような気がする。

普通を変える。か。それが一番簡単で一番難しい。

■じゃない側の女番外編記事一覧

■汗が止まらない側の女(Side真木)

【Vol.1】最近、頭もワキも汗ダクダク。色の薄いグレースーツの日なんてもう!

【Vol.2】汗を吸ったインナーのあたりが…。もしかして更年期、関係あります?

【Vol.3】再びの独り身。気づけばお惣菜にカップラーメン、冷凍食品で生き延びる日々

【Vol.4】離婚とは、噂以上に気力体力ともに消耗するものなのですね…

全10話を読む >


■酸化に負けない側の女(Side理沙)

【Vol.1】「してもらうこと」を当たり前としない女と「してもらうこと」に恐縮しない女

【Vol.2】言えない。家中の食器使いきるまでシンクに洗い物をためてしまう、なんてこと

【Vol.3】「流れに身を任せて生きる」と「無気力 / 怠惰 / 無責任」は違うのに

【Vol.4】歯のホワイトニングとブラジリアンワックス、やるならどっち先?

全12話を読む >


■現役をおりない側の女(Side結花)

【Vol.1】仕事と育児に追われる分「それ以外のこと」を激しく欲することがある

【Vol.2】50歳になっても60歳になっても絶賛恋愛中!…は、素敵です

【Vol.3】イロコイは、良い恋とか悪い恋とか言える類のものじゃない?

【Vol.4】別れた旦那からの連絡に、思わず“チッ”と毒づきました…

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■恥じらいを忘れない側の女(Side慶子)

【Vol.1】思わずこらえていたものがこみあげて、無意識に両目からツーっと涙が…

【Vol.2】いくつになっても学ぶことがあるのが人生ってもので

【Vol.3】私がおかしいのか、旦那がおかしいのか、何がおかしくて、おかしくないのか

【Vol.4】生まれてこのかた経験したことがないことがわが身に起きて、ひそかにパニック…

全8話を読む >

■ご機嫌悪くない側の女(Side結花)

【Vol.1】受験、就活、婚活、妊活。どれもゴールだと思ったものは、必ず何か次のスタート

【Vol.2】自分ひとり好き勝手に生きてりゃ、誰からも感謝なんてされるわけない虚しい人生?

【Vol.3】どこで間違ったんだろう?あれ?間違ったのかな?今いるここは間違いなのか…

【Vol.4】人生100年時代に向け、ヒトゴトではなく、自分ゴトとして

全11話を読む >

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